さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

「モノ」の差を埋める覚悟か 膨大な才能と速さか 井岡、田中決戦二日前

2020-12-29 16:12:24 | 井岡一翔




関東ローカルではプレビュー番組も放送されているという、井岡一翔vs田中恒成戦ですが、関西では毎度お馴染み「せやねん」でも取り上げられていましたので、ご紹介。







試合前から、こういうテーマでいく、という感じの発言を意図して行う井岡一翔、今回は「モノが違う」「レベルが違う」という趣旨の発言で押しているようです。

しかし、スピードや機動力といった部分を主に、様々な能力を比較すれば「モノ」としてより上等なボクサーは、明らかに田中恒成の方です。
井岡一翔は「上」にいる田中恒成を、いかにして止め、その道行きを妨げ、力を削ぐか、という闘いを強いられるでしょう。

そして、当然本人もそのことはわかっているはずです。
田中恒成との間に厳然としてある「モノ」の差を、いかにして埋めるか。
そのために歴戦の経験を生かし、技術と覚悟をもって闘う。
その覚悟をそのまま言葉にしないのが、井岡一翔らしい、という感じですが、これは実のところ、相当に...という風に見えます。



対する田中恒成は、その膨大な才能を、自らが心底から認めてやれない葛藤を抱えて、ここまで闘ってきた人なのではないか、という風に見えます。
それを自他共に認めうるものにするため、必要な結果が、井岡一翔戦勝利であり、そこから繋がる「その先」なのでしょう。

少なくとも、その才能は、国内のスター対決がボクサーとしての頂点ではない、と言えるレベルのものです。
辰吉丈一郎攻略がキャリアの頂点だった薬師寺保栄とは、もう一段違うレベルで見なければならないボクサー。
それが田中恒成だと思っています。



試合予想は、専門誌などが大がかりな特集を組んでいまして、楽しく読ませてもらいました。
海外のブックメーカーでは田中恒成がやや優勢なのだそうです。

当日、双方のコンディションに左右されるのは当然で、コロナの影響によるブランク、井岡がサラス・トレーナーの指導を受けられなかったこと、田中が転級後の調整試合を行えず、初戦が世界戦になることなど、色々と不確定な要素があり、あれこれ語り出すと終わらない感じですが...。

私のざっくり予想(笑)は、田中恒成の勝利です。
サッカーの世界では、決定力は七難隠す、という表現をする批評家がいますが、ボクシングでも同様に言うとしたら、パンチ力は...と同等か、或いはそれ以上に、スピードは...という言い方も出来そうです。


しかし田中恒成は、過去の試合の中で、速いけど軽率、というときついですが、その速さを闘いの中において、勝利への最善に結び付けられていない、という印象を残してもいます。
その辺の揺らぎというか、不安定さが、井岡一翔という大物との試合で、いよいよ焦点が定まった、と言える闘いぶりに変わり、それを貫けるなら、田中の勝利はますます堅いと思います。

もちろん、井岡一翔がその技巧で...的確な左、ボディブローで肉迫し、田中恒成に苦闘を強いる展開も充分あり得るでしょうし、その末に勝利するのかもしれません。
こればかりは、当日のお楽しみ、ですね。
ただ、両者万全なら、やはり田中恒成に分があるのでは、と見ます。



今日は検診が行われたとのことですが、両者無事に、大晦日のリングに立って、その技量力量を存分に発揮してもらいたいですね。
あと二日。色々あった今年ですが、忘れ難い一戦で締め括ってくれることでしょう。楽しみです。



コメント (4)
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