Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ぼくらの家路

2015-12-03 00:02:53 | 映画 は行
          
2014年/ドイツ/103分
原題:Jack
監督:エドワード・ベルガー
出演:イボ・ピッツカー、ゲオルグ・アームズ、ルイーズ・ヘイヤー、ネル・ミュラー=ストフェン、ビンセント・レデツキ
ストーリー:10歳のジャックは、6歳になる弟のマヌエルの世話で毎日大忙し。優しいけれど、まだ若いシングルマザーの母は、恋人との時間や夜遊びを優先していた。ところが、ある事件からジャックは施設に預けられることになる。
 友達もできず、施設になじめないジャック。待ち続げた夏休みがようやく来るが、母から迎えが3日後になると電話が入る。がっかりしたジャックは、施設を飛び出す。
 夜通し歩き続けて家に着くが、母は不在でカギもない。携帯電話は留守番メッセージばかり。ジャックは母に伝言を残すと、預け先までマヌエルを迎えに行く。仕事場、ナイトクラブ、昔の恋人の事務所まで、母を捜してベルリン中を駆け回る兄第。小さな肩を寄せ合う二人は、再び母の腕の中に帰ることが出来るのか-?そして、旅の最後に弟を想うジャックが下す重大な決断とは?~公式サイトより

ベルリンの街を舞台に母を探し回る10歳のジャックとその弟で6歳のマヌエル。
二人の子を持つ母親とはとうてい思えない、子どもより自分の恋と遊びのみに生きるシングルマザーのザンナ。
そんな彼女に代って家事と弟の世話をするジャックのこまねずみのように働く姿と、そんなどうしようもない母親を慕い続けるジャックとマヌエルの姿に胸つかれる。
施設での孤独で辛い生活の中に唯一残されていた夏休みになったらママが迎えに来てくれる、という希望が粉々に打ち砕かれた時、ジャックに残されていたのは、とにかく家に戻って母と弟に会うのだ!という思いのみ。その思いに支えられて着いた家には鍵がなくて入れずその上母はおらず、弟は母の友人に預けられていた。
行方不明になってしまった(と二人が思い込んだ)母をベルリンの街中二人は探し回る。その過程で出会う人々、出来事の数々、そしてようやく会えた母のあまりの調子のよさ、屈託のなさに言葉を失う。それでも彼らにとって大事な母なのである。
弟を連れてベルリンの街をさまよう中で、ジャックは大人への階段を一気に駆け上がることになる。
最後のシーンで彼が見せる表情は子どもの衣を脱ぎ捨て大人に脱皮した少年の強い意志を感じさせ、不思議にすうっとある種のすがすがしい風が吹き抜けたように思えた。
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