Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

第八十三回所沢寄席

2014-07-19 19:18:11 | 音楽
都内の演芸場で寄席を聞く時は前座さんから始まってパントマイムやら曲芸やら漫談やらといった色物をはさみつつ落語を楽しむのだが、それは一つの演奏会を聴くのと似ているといつも思う。寄席では演目ごとに演者が変わるけれども。
またそういう寄席とホールとでは趣がまた全然違う。
噺家と観客の距離からして違うし、ホール全体に話が聞こえるようにマイクを使う。そして、前座さんのあとは真打ちがたたたたっ、と(この日は4人)続く。
言ってみれば大曲が1部から最後まで続くと言った感じなのだが、それぞれのまくらの振り方で聞いている側の気分を変えさせ、なおかつ自分の噺にするすると導いていくというのは凄いなあ、と、しかも自然に気持ちの流れを自分に向けさせて飽きさせないというのはさすが!!だと感激してしまう。
この日は前座の柳家フラワーさんの後、笑福亭たま、三遊亭白鳥、仲入りの後、柳家三三、柳家花緑の4人の師匠が語ってくれた一夜。
題して『華の共演!よったり寄ったり競演会』
           
前座の柳家フラワーさんは「道灌」、そして笑福亭たま師匠は上方落語の方で「憧れの人間国宝」という人間国宝になるまでは死ねないという文楽のお師匠さんの願いを叶えてやりたいと常日頃思っている弟子たちと師匠のおかみさんの話、三遊亭白鳥師匠は「マキシム・ド・呑兵衛」祖父母を思う孫娘の話を面白おかしく語り、柳家三三師匠は盗みに入った家があまりに貧乏でついには泥棒自身が身ぐるみはがされてしまうという「夏泥」、柳家花緑師匠はお殿様の目にとまり妾となるお鶴としょうもない兄の八五郎の話で「妾馬」。
テンポの良さ、声のよさ、日本語のクリアな響きetc.etc.に酔った一夜だった。

一夜明けて、今朝の朝刊に柳家小三治師匠が人間国宝に選ばれたというニュースが載っていて、つい昨夜聞いた「憧れの人間国宝」を思い出し偶然とはいえ、とへらへらしてしまいました
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