Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ぼくを探しに

2014-08-15 00:31:24 | 映画 は行
               
2013年/フランス/106分
原題:ATTILA MARCEL
監督:シルヴァン・ショメ
出演:ギョーム・グイ/アンヌ・ル・二/ベルナデッド・ラフォン/エレーヌ・ヴァンサン/ルイス・レゴ/ファニー・トゥーロン/キー・カイング/ジャン・クロード・ドレフュス/ヴィンセント・デナード/シリル・コートン
ストーリー:物語の主人公は、幼い頃に両親を亡くし、そのショックで言葉を話すことができないまま大人になったポール。姉妹の伯母に世界一のピアニストになるよう育てられ、友達もいない孤独な日々を送っていた。そんなある日、ポールは同じアパルトマンに住む謎めいた女性、マダム・プルーストに出会う。
彼女が淹れたハーブティーは、失われた記憶を呼び覚ます不思議な力を持っていた。無くしたはずの過去は固く閉ざされたポールの心を揺さぶり、彼の人生は少しずつ変化していく――。~チラシより

これは素敵だった~
目の前で両親を亡くしたことで言葉を失い、同時に記憶を心の奥に封じ込めて生きてきたピアニストのポールがふとしたきっかけで知り合うことになったマダム・プルーストのハーブティーによって本来の記憶を取り戻し、言い換えれば自分自身を見つける心の軌跡が描かれる。
と言っては、なんだか身も蓋もない感じだが・・・それぞれが個性的な役者たちが、溢れる色彩、そして音楽によってよりくっきり鮮明に語りかけてくる。
今まで見ようとしなかった自分と対峙しようとし、見つけようとしていく過程は、なんだかロードムービーのよう。
おかしさの中に苦さと切なさが混じる・・・。

切り取られた断片がきらきらとガラス片のように輝きながら記憶の中に降ってくる。
何台か登場するピアノ、特に部屋に置かれていたすごい装飾のグランド・ピアノはその存在感で他のピアノを圧倒していた。
また、誕生日プレゼントの中にあった指の訓練器!!
シューマンが指を痛めた、と映画の中でも言っていたけれど、それはこんな器具だったのかと吃驚。見るからにいやな感じの器具だったな。
幾つも目にした食べ物の中で気になったお菓子の「シュケット」!!
シュー生地にあられ糖がまぶされたシンプルなお菓子というけれど食べたことがないので、いつか食べてみたい。
そして、ハーブティーとマドレーヌが出てくる大きな黒い犬がいて森に迷い込んだようなマダム・プルーストの部屋etc.etc.
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2 コメント

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こんにちは~! (Puff)
2014-08-22 11:24:05
観終わって数日経ちますが、今でも、いろいろな場面が思い浮かべますよね~
ホント、心に残る素敵な映画でした。
そうそう、お部屋の中とか、小物とか、もろもろ、、
色鮮やかでポップな色使いが印象的でしたね。

実は、彼が声が出なくなったのは、冒頭の小さい頃のシーンで、
お父さんが振り向きざまに脅かしたからかと思ってました。
全然違っていましたね…。笑)
それにしても、両親が亡くなったのは、あんなことがあったとは…驚きました。

心の旅のロードムービー、人間ドラマでしたね。
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Puffさま! (rubicone)
2014-08-23 00:22:12
部屋の中がお庭になってるマダム・プルーストのお宅に私も入ってお茶を飲んでみたい~
色々な場面が、ぱっぱっぱっと思い出されて、またそれが楽しくて・・・。
不思議なテーストの素敵な作品でしたね~
叔母さん姉妹が同じ服装をしているのが、なんだか妙に可笑しくて・・・。でも、みんなそれぞれの内に重いものを抱えて生きているんですよね・・・。
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