コロナ禍を挟みはしたがずっと続けている2台ピアノアンサンブル。今合わせている作品の譜面は2冊ある。
1冊はアレンスキーの『組曲第1番op.15』、もう1冊はメンデルスゾーンの交響曲第3番『スコットランド』op.56、第4番『イタリア』op.90だ。
アレンスキーの楽譜は以前の記事(こちら)によれば2020年9月に購入しているとあるので、もう3年経っていることになる。なんだか信じられないような時間の流れ方である。
リムスキー=コルサコフに師事し、ラフマニノフの師匠でもあるアレンスキー(1861.7.12-1906.2.25)による2台ピアノのために作られた組曲第1番op.15は「ロマンス」「ワルツ」「ポロネーズ」の3曲からなる組曲で1890年に作曲されている。
ロマンスとワルツを弾いているが、とにかく美しくそしてロマンティック。2台で音が出るとその重なりが、こういう音が欲しかったんだアレンスキーさんは、と思わせるしゃれた響きと音の運びにうっとりさせられる。
しみじみとピアノっていいなあ、アンサンブルって楽しいなあ、と幸せになる。
もう1冊はメンデルスゾーンの交響曲第4番『イタリア』を探していて出会った3番&4番が入ったもの、こちらは連弾用。
この楽譜、編曲者はメンデルスゾーンで幅至氏の解説によれば、彼はブラームスと同様に主要な作品のほとんどを自らピアノ連弾用に編曲した数少ない作曲家である、と紹介されている。
そしてまた、なぜこんなに多数のピアノ連弾編曲をしたかと言えば、それは需要があったからに他ならず、音楽愛好家達は発表されたばかりの新曲をコンサートの後でCDを買い求めるようにこぞって購入し、自宅で演奏し楽しんだ、と解説されている。
この曲を弾くと、気持ちが晴れ晴れと朗らかになるのを感じる。ああ、いいなあ、と思う。