『ラ・ヴォーチェ・オルフィカ 第24回公演』
~Josquin des Prez:Missa "La,sol,fa,re,mi"~
指揮:濱田芳通
バス:春日保人
演奏:アントネッロ
合唱:ラ・ヴォーチェ・オルフィカ
曲目:ジョスカン・デ・プレ:おお乙女の中の乙女よ
ジョスカン・デ・プレ:ミサ 「ラソファレミ」
カベソン(器楽/ハープ):アヴェ・マリス・ステッラ
ジョスカン・デ・プレ:ミサ 「アヴェ・マリス・ステッラ」
*<ジョスカン・デ・プレ Josquin des Prez(c1440─1521)>
1月にしては珍しく温かだった1月23日、東京カテドラル聖マリア大聖堂で開催された「ラ・ヴォーチェ・オルフィカ 第24回公演」。ヴォーチェとアントネッロの音楽は私にとって特別なもの、そう音楽の故郷とでもいうような・・・。その公演のお手伝いをさせていただきながら、その公演を聴けるという幸せな時間を過ごした。
濃密な音楽が時間と高くて深い空のような空間を満たしていく。それは、黒く太くうねうねとまとわりつき、また細かく分かれて霧のように虚空に浮かぶ。そして直線を描いて飛んでいくようでもあり、縦横無尽に音楽は駆け巡りいかにも軽々と時空を越えて響く。寄り添うかと思えば対向し、高く上ったかと思うと一気に駆け下るその複雑な声の軌跡に酔う。
ここで聴かれたジョスカンの「ミサ」は、何と言うか、すごく直接的・・・それは人の根源に直接働きかけてくる、とでも言ったらよいのだろうか、を感ずる。人間と宗教との関係の近さ、親密さは時に息苦しくなるほどだ。でも、こういう熱さがあったればこそ、彼の教会作品は人々を引きつけたのだろうな、とつくづく思わされていた。