給食費滞納10万人…事前申込書・給料差し押さえも(朝日新聞)
千葉や長崎の公立高校で入学金の未納が問題になったが、公立の小中学校では給食費の滞納に頭を悩ませている。払おうとしない保護者が少しずつ増えているからだ。申込書の提出を求めたり、法的手段に訴えたりと「断固たる態度」で臨む教育委員会が相次いでいる。
■未提出なら「弁当持参を」
江戸川を挟んで東京都に隣接する千葉県市川市。市教委は今年度、市立小中、特別支援学校の計56校で、保護者に「学校給食申込書」の提出を求める仕組みを導入した。
未収額は06年度、必要額の0.22%にあたる250万円。千葉県全体だと0.7%(県教委の05年度調査)なので決して多くはないが、年々増え続けている。それに歯止めをかけるのが目的だ。
(引用元には「年々増え続けている」とありますが、過去の未納に関するデータを見たことのある人はいますか?)
千葉県市川市では給食費の未収額が全体の0.22%なのだそうです。すごいですね。回収率99.78%ですよ。完璧です。会社で働いたことのある人なら当然わかりますよね? 請求額の99.78%の回収がどれだけ凄い数値かって? この回収率の凄さが実感できない人は社会人としての常識がないですね、はっきり言って。
私の現在の勤務先は幸いにして10年以上連続して増益の一部上場企業ですが(私は正社員じゃありませんし、1年ちょいしか勤めていないのでどうでもいいことですけれど)、売掛金の未収額は常時2%程度あります。この水準の維持でも結構大変なことで、以前は回収率が96~97%程度だったのが業務改善の結果で今期ようやく98%を達成したわけです。もちろん上からの要求は常にエスカレートするもので、一つ目標を達成すればさらに次の目標を課される、3年間で回収率を98.5%にまで引き上げるよう目標が設定されています。とはいえ現場の声としては98%が限界、これ以上は打つ手がないとボスも半ば諦めているレベルです。
業種にも拠るかも知れませんが、未収金を2%以下――回収率98%超は同業他社の中では高い方だと思います。しかし上には上がいるもので、驚愕の未収金0.22%――回収率99.78%を達成しているところもあるわけです。それが千葉県市川市というわけで、いやはや素晴らしい数値です。未収金削減、回収率アップを指示されている部門の一員として、この市川市の完璧とすら言える回収状況はまさに「おみそれしました」と言うほかありません。この市川市の完璧な仕事ぶりに我々は何かを学ぶ必要があるのかも知れませんね。
実際、企業経営で考えれば未収金を0.22%に抑えた、回収率99.78%を達成したなんてことがあれば成績優秀部門として社長から表彰されるレベルなのですが、しかるに市川市では「正常な運営に支障をきたす」そうです。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
0.22%で運営に支障? 例えばそう、1食あたりの予算を200円としましょう。未収によって予算が0.22%減ったとした場合、どうなるでしょうか? 今まで200円の予算でやりくりしていたものが、未収のために199.56円でやりくりしなければならない計算になります。これで運営に支障って、どういう運営をしているの?
回収率99.78%は上場企業も羨む完璧無比な仕事ぶりなのですが、その神業とも言うべき回収率を以てしても「運営に支障をきたす」とは、一体どういう組織なのか甚だ疑問です。僅か0.22%の未収金で傾くような会社があるとしたら、よほどヤバイ会社と言いますか、半年以内で倒産するレベルです。こんな会社に金を貸してくれるのは新銀行東京くらいです。
未収金を0.22%に抑えているその回収能力に関しては上場企業を遥かに凌駕する市川市ではありますが、その僅か0.22%のために運営に支障を来す辺り、経営状態は非常にマズイようです。回収するところまでは完璧なのに、そこから先がとんでもなく無能のようです。企業を基準とすると、非常にバランスが悪いと言いますか、はっきり言って欠陥品です。請求したものを回収する、その部門だけが秀でていても他がダメなら全部ダメです。しかも、どこが問題なのかを見誤っているようだとなおさら……
編集している方のマメさと的確でシニカルな視点に敬意を表しますわ
サンケイや花岡氏等極右メディア・ジャーナリストの項はもっと笑えます
そうですねぇ、サービス残業させている限り人件費はタダですから、それで徴収率が上がっているところもありそうです。国民年金や国民健康保険の未収率と比べれば、まさに天文学的な差がありますものね。
>kamaさん
ちなみにアンサイクロペディアの朝日新聞の項では、その報道姿勢を「読者第一主義」と書かれていました。今回も読者のニーズに沿った記事かも知れませんが、ジャーナリズムの観点から言えばゴミですね。仰るとおり、選択の余地のない義務に対して支払いを要求するのではなく、公教育の全面的な無料化を主張した方が筋は通ると思うのですが……
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E
「読者第一主義」とは、読者の真に欲している情報を伝える、ないしは、読者の望む(もしくは望んでいるであろう)紋様を綿密に予測した上で構成する、ということである。つまりは現代の企業活動に不可欠となった市場のリサーチ、およびマーケティングというものである。まだ資本主義が未成熟であった大正期よりこの手法を活用して紙面を作成していたことは驚愕に値する。
(最近のアサヒは新自由主義マンセーなんで全く期待はしていませんが、サンケイ・ヨミウリよりはまだマシって話で)
それより義務教育なんだから給食費なんぞ全額無料にせぇや。とか主張した方が前向きだと思うんですがね。
教員に回収させるわけですが、
教員の給与体系は残業手当が存在しない
『定額使い放題プラン』です。
残業手当が発生する行政職の未収率
(年金とか保健とか)と比較すれば、
その差は歴然ですな。
利益を乗せているから95%程度の回収率でも「維持できる」のならSpinさんの調理論も成り立つかも知れませんが、実際は95%程度の回収率でも利益は上げられるものです。維持するだけが目的なら利益を乗せなくとも99.78%もの回収率があれば全く問題ありませんね。数値に弱いと理解できないでしょうか?
あるいは、「義務だから」と強制的に指定された場所へ行かされて、強制的に指定された食事を出されて、それに対して代金を請求される、その場で払えなかったら犯罪? それはどこの国の話ですか?
またSpinさんは会社勤めの経験がないからご存知ないのかも知れませんが、債権回収できない原因が倒産にあるケースは多くありませんよ。そして仮に倒産であったとしても、相手が倒産したから「ザマァミロ」で片が付く話ではなく、未収金は未解決のままです。相手が「社会的な責任取らされてる」なんてのは経営面では全くどうでもいい話なのですが、相手を罰することが何より大事だと、そう思ってやしませんか?
>貝枝五郎さん
ちなみに市川市は(公表されている限りでは)負債らしい負債もない超優良経営の自治体でもあります。僅か0.22%の回収の遅れでどうにかなることなどあり得ないのですが、それでも危機を煽るのがお好きなようで……
おたくの会社の請求額には、きっちり利益がのっかてませんか?
給食費には利益なんて乗ってないでしょう。
未納があっても大丈夫なように、内部留保できる金額設定にしなさいって?
まぁ、いずれにしても、飲食店で金払わずに飲み食いしたら無銭飲食で立派な犯罪じゃないですか。
それは、経済的に厳しい人にとっても同じ条件。
お宅の会社が債権回収できなかったお客様は、倒産して社会的な責任取らされてるわけですから、給食費払わない人だけお咎めなしってのはおかしくないですか?
正直、ここまで完璧な徴収率を誇っているケースは滅多にないような気がするのですが、問題にしたい人にとって見ればどうでもいいのでしょうかね。一つの学校に何百人と子どもがいて、仰るようにその保護者の中には問題のある親も当然になければおかしいはずですが、にもかかわらず一人たりとも未納者のいない学校が6割を占めるとか。ここまで未納者が少ないと、むしろ「給食費だけはなんとしても払わねば」という意識が根付いている結果にも見えるのですが、なぜか報道は全くの逆、新聞記者も全くの馬鹿ではないでしょうに、それでも間違った印象を与えようとする、良心の呵責はないのでしょうかと、そんな風にも思います。
>第三十二軍参謀長さん
このレベルだと、
回収できた給食費<(越えられない壁)<回収のために投じた追加費用
こんなところですかね?
>ノエルザブレイヴさん
結局この辺も「読者のニーズ」に答えるための記事なのかも知れませんね。東京都に隣接し50万近い人口を抱える巨大な市であるにもかかわらず未納額は僅かに250万円と、非の打ち所のない状態にもかかわらずこの始末ですから。それでもこうした論調になってしまうのは、何か理由をでっち上げてでも他人を非難したい、罰したいという思いの強さが現れている、そう言わざるを得ないところがありますね……
「あばたもえくぼ(数で見ると凄いが割合では僅か)」「万物は表裏一体(未収率の裏が回収率)」という言葉を頭に入れたほうがいいのではないかと(しかも数字自体はかなり優秀なのですから)
回収できた給食費 << 回収にかかった費用
って事になりかねないと思うんですけどねぇ。
一歩間違えば、税金の無駄使いにしか思えない事を自慢するとは……。
ていいますか、年々増えているって、増えていてこの率では、統計学的に果たして意味のある数字かどうかも疑わしいように思えます。
たぶんこれって、未納の額そのものよりも、モラルを問うているのではないかと思いますが、正直、公立学校の生徒の親なのですから、暴力団もいれば性格破綻者もいて、夜逃げ中の親もいるはず。精神病院に入院中の親もいれば、子供を虐待している人だっています。それもこれも含めてこの数字なら、ほぼ極限といっていいのでは。
教育委員会の方もそうですけど、この記事を書いた朝日新聞の記者の方は、この未納率を本心ではどのように考えているのか、聞いてみたいですね。この間の、「救急車がタクシー代わりに使われている」という記事と同じです。