非国民通信

ノーモア・コイズミ

マシな仕事をしようぜ

2008-04-29 22:36:16 | ニュース

世論調査結果、面接とネット利用では大きな違い(読売新聞)

 世論調査の方法で面接聴取とインターネットを利用した調査とで、結果に大きな違いが出ることが、内閣府の比較調査で分かった。

 2007年7月に実施した「国民生活に関する世論調査」(面接方式)と同時期に、同じ質問項目をインターネット方式で行い、比較したもので、自由時間の過ごし方への回答をはじめほとんどの項目で回答が異なっていた。

 何を今さら、という記事です。そんなものは常識だろう、というような内容を「内閣府の比較調査で分かった」と、新事実のように言われても、ねぇ? でもインターネットを利用した世論調査というのも市場規模としては馬鹿にならないもので、こうした産業に携わる企業やそれと癒着した人々からすれば、インターネット調査の信頼性を損ねるような調査結果の発表は一大事なのかも知れません。以前にこうしたインターネットを介したアンケート調査を生業にする会社の面接を受けに行ったことがあるのですが、面接聴取とインターネット調査の違いについて話したら採用面接を途中で打ち切られました。たぶん業界としては両者の違いは「触れてはならないもの」なのでしょう。

 それよりツッコミどころはこちら。

 今回の比較で最も開きが大きかった「自由時間の過ごし方」に関する質問(複数回答)では、「パソコンや携帯電話での情報の閲覧」が、ネットでは78・1%に対し、面接では21・6%にとどまった。

( ゜д゜)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゜д゜)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゜ Д゜) …?!

 いや、わざわざネットを使って世論調査に参加するような人がPCや携帯電話を好み、わざわざ外出して世論調査に協力するような人はその反対の傾向を持つ、そんなものを今さら発表されても困ります。というか、インターネットを使ってインターネットの利用状況を調査しているのと同じでしょう? ネットでアンケートに回答する人はネットの利用率が高い、真顔でそんなことを言われても、どうリアクションしろというのでつか? せっかく何か発表するなら、もう少し意味のある情報を出すべきです。もっとマシな仕事をしろよと……

【政論探求】聖火リレーに見る「国家像」(産経新聞)

 26~28日、長野、ソウル、平壌で北京五輪の聖火リレーが行われた。比較してみると、なるほど国柄の違いはあるものだ。

 ソウルではあちこちで激しい衝突が起き、報道陣に負傷者も出た。中国人留学生1万人以上が押しかけたという。

 長野と同様、警察当局の完全護衛のもとで行われたが、負傷者4人、逮捕者6人の長野のほうが平穏だったような印象を受ける。日本の警察当局はこの種の警備能力が高いということか。

 この先は産経新聞らしい超展開が始まるのですが、それはさておき日本の聖火リレーは割と穏やかでしたね。沿道から聖火ランナーの姿が全く見えないほどの分厚い警察の盾に囲まれて、多少の騒動はあったもののフランスやアメリカ、オーストラリアや韓国に比べれば粛々と進んだくらいです。この辺のおとなしさは警備能力の高さに由来するものなどではなく、この社会が「自ら抗議すること」を白眼視する社会だからだと、私なんかはそう思うわけですが、どうでしょうかね?

 日本はストライキやデモが死んだ国です。こうした自ら立ち上がって抗議するような行動が世論の支持を得ることはなくなって久しく、主張の善し悪しを問わず、声を上げることそのものが否定的に見られているわけです。それでも人権を重んじる立場の人が長野でも抗議に出たものの、決して広範な支持を集めたものではありませんでしたし、これ幸いと中国非難に盛り上がっている人々はネット上で勇ましいことを言うだけ、自分から行動を起こすような人はいません。国柄の違いは警備能力の差ではなく、自ら行動することへの意識の差です。

聖火リレー、混乱が「自由」の指標 (産経新聞)

 今月1日に北京を出発した聖火は平壌で、ようやく歓迎ムード一色の中に迎えられた。親中国の独裁国家で聖火リレーが成功するのは当然だといえる。これまでの道のりを振り返ると、言論・表現の自由を保障している先進国でこそ混乱する傾向が浮き彫りとなっている。

 チベット騒乱弾圧後に始まった聖火リレーはギリシャの採火式で乱入騒ぎが起こり、ロンドンで大規模な抗議にさらされた。パリでは中断し、米サンフランシスコではルートが突然、変更された。人権を重視する欧米の民主主義国での混乱は、誰もが意見を表出できる自由がもたらした結果だったといえる。

(中略)

 キャンベラ、長野、ソウルでは抗議する市民団体などに対し、愛国心にかられた中国人留学生らが沿道を埋めるという状況となった。この特異な光景もまた、表現の自由が尊重された結果である。

 産経新聞でまともな記事を書いていると朝日新聞にヘッドハンティングされるという噂ですが、この記事を書いた人はどうなるでしょうか? 混乱が「自由」の指標だそうで、私もそう思います。政府及び社会が、その支配する側の意思とは反する意見の表明や抗議を受け容れるからこそ、こうした混乱も起こるわけです。で、産経新聞の偉い人の報じたところに拠れば、ソウルに比べると長野の方が平穏と言うことですが……

 

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2 コメント

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Unknown (ノエルザブレイヴ)
2008-04-29 22:46:54
産経の記事二つを読むと何か「始球式の球をホームランにされた」感じがします。
いつものように「日本人は朝鮮人より偉い!」とやろうとしたら「韓国のほうが自由だ!」と結果としてはなったように見えますからね。
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Unknown (非国民通信管理人)
2008-04-29 23:46:53
>ノエルザブレイヴさん

 何かにつけて規律を訴える割に、報道に一貫性がないのが産経新聞ですから。まぁ多少は足並みが乱れていた方が民主的に見えますが、産経新聞の主張に沿うと産経新聞の主張が覆されるという……
返信する

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