非国民通信

ノーモア・コイズミ

敗北を抱きしめて

2007-07-30 22:48:21 | ニュース


自民 110 →  83
公明  23 →  20
民主  81 → 109
共産   9 →   7
社民   6 →   5

 おそらく選挙には一度も行ったことがないであろう政治に無関心なお飾りアナウンサーが当選したのは意外でしたが、予想通りの自民党大敗でした。海千山千の自民党議員ですら「もういい加減にしてくれ・・・」と音を上げたと言われる赤城農水相の活躍が利いたのでしょうか? そして民主党の大勝も概ね予想通り、投票率次第ではどうなることかと思われましたが、結局は戦前の予想に近い形に収まったようです。

 2大政党制を煽るメディアは自民党と民主党の対決ばかりに焦点を当てて、ほかの政党のことを伝えていない、個人的にそんなことが自覚された選挙でもありました。自民党と民主党のパワーバランスについては事前にメディアから得た情報で予測されていたこと、結果に驚くようなものではありませんでしたが、しかるに左派政党は議席を減らす結果に終わりまして、こちらはかなりの落胆を感じさせる結果、予想外の結果でもありました。

 自民党と民主党のパワーバランスについては事前に情報を得られていたものの、左派政党の苦戦については恥ずかしながら情報収集不足だったようで、結果が出るまでは左派政党も議席を伸ばせるのではないか、そんな風に考えていました。残念ながらそれは甘い夢想に過ぎず、メディアが報じないその陰で左派政党は支持を失っていたようです。あれだけ自民党への失望が拡がっているのなら、自民党に敢然と対決してきた政党が支持を伸ばす、2議席くらい増やすことは十分に可能ではないかと思っていたのですが、結果は全く逆でした・・・

 自民党から民主党への票の流れは「とにかく変わればいい」という考え方の人々に拠るところも大きいでしょうか。何はともあれ、変わること、変えること、「改革」、そう言ったものを欲する人が与党ではなく野党第一党に投票したと言えそうですが、この辺は小泉純一郎の「構造改革」にその是非を問わず熱狂した層とも大きく重なるような気もします。同時にとにかく憲法を「変える」ことを主張している人とも重なる範囲は広いのではないでしょうか。いかに変えるかを問わず、「変える」ことそのものが目的となっている、そんな人たちが自民党と民主党のパワーバランスを変えたのかもしれません。

 前の参議院選挙でも民主党は自民党を僅かに上回りましたが、その結果が芳しいものだったかどうか? むしろ旧社会党や共産党などの左派政党が大幅に議席を減らした時期と自民党の暴走が始まった時期を考えると、この左派政党の衰退の方が深刻な問題のような気もしてきます。今回の民主党の「大勝」で今までにない強い権限を民主党が手にしたわけですが、選挙が終わったこの先も「対決路線」なるものをどこまで引っ張れるでしょうか。

 以前の記事にも書きましたが、共産党、社民党の政治的主張に近い人の数は決して少なくない、9議席から7議席、6議席から5議席に議席を減らしてしまうほどには少なくないはずです。過半数をとるのは難しくとも、両党共に11議席をとるぐらいの「主張の重なる人」はいると思うのですが、しかるに議席が伸びません。ならば一体、何を主張すればいいのでしょうかね?

 

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11 コメント

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Unknown (とおる)
2007-07-31 05:58:23
政権交代・二大政党が喧伝される中、少数政党が埋没するのは想定の範囲内でした。
それと、日本の場合、「負け組」に乗りたくないというのが、昔から多いようですよ。
「負け組」に乗ると、自分の票が死票になった気分になるらしいです。
だから、従来、与党の強さが在った訳で、逆に今回、民主への流れの一部を作り出したのでしょう。

個人的には、松下政経塾出身者やネオコン的議員も多い民主が勝っても、
自民に比べてマシになるとは思えないんですけどねえ。
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まったく同感。 (sasuratti)
2007-07-31 08:12:14
選挙区は仕方なく民主でも比例は社民共産のパターンが多いのではないかと思っていただけに残念。社民共産の主張に共感する国民はかなり多いはずなのになぜ票が集まらないのかホントに不思議。

それから、安倍自民党は年金と閣僚不祥事を敗因としたいようだが、首相の無能と右翼政策もリッパな敗因でしょ。それにふれないのはズルいよ。
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必要なものだと思うのですが (青の雑記帳)
2007-07-31 10:35:18
>あれだけ自民党への失望が拡がっているのなら、自民党に敢然と対決してきた政党が支持を伸ばす、2議席くらい増やすことは十分に可能ではないかと思っていたのですが、結果は全く逆でした・・・

まったく残念です。

東西冷戦時代の旧ソビエトが自国の労働者を救っていたのかどうかは定かではありませんが、反対勢力である西側資本主義陣営の労働者を救ってくれていたのは確かです。その東側の社会主義陣営が既に無い今、放っておけば強者の論理のみが支配してしまう自由競争、市場原理主義経済の仕組み中で、金儲けについての特別な才能があるわけでもないければ、親譲りの財産やらコネやら、〝世襲の地盤〝なども持たない、大多数の普通の人々が救われるためには、国政に影響力のある左派の政治勢力を持つことが必要だと思うのですが、そのことをまだ気づいていない人が多いのでしょうか。
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Unknown (うぺぽ)
2007-07-31 18:35:07
若者雇用<<<<政治とカネ<<<<超えられない壁<<<<<<<年金

と言ったところでしょうかね。若者の暮らしがどうとか年寄りからしたら退屈なものなんですよ。自分達を安全圏だと思い込み、高みの見物を決め込んできた年寄りどもが自分達に火の手がまわりだしたのであせったということが今回の真相ではないかと。

一票の重みも平等でないということもわかりました。

若者の一票<<<<年寄りの一票

ですね
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衆院はブロックごとに統一名簿を (焚火派GALゲー戦線)
2007-07-31 19:08:44
自宅のパソコンが壊れて他人のを寸借してなので、次にはしばらくお返事いたしかねるのを了承ください。

私のオリジナルでなくよそで拾ったネタですが考えるべきことと思ったので。

北海道、北信越、中国、四国は共産・社民とも連続して衆院比例で議席が取れていません。

そこで、この4地区は共産・社民が統一名簿で臨み、前2地区は共産を1位、後2地区は社民を1位とするのです。(中国では広島に勢力のある新社を加えてもよい。 当選不可能な順位でも掲載してもらえて選挙民にアピールする機会が与えられれば彼らは嫌と言わないだろう。) 「たかが。4議席」ですが何もしないよりは抵抗の姿勢をアピールはできましょう。
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Unknown (Unknown)
2007-07-31 21:11:33
>ならば一体、何を主張すればいいのでしょうかね?
二大政党制と小選挙区制、公職選挙法、メディアを改革することと民主党が第二自民党的だということをどれだけの国民が理解するかで、議席の変動が変わってくると思います。
現在自公政権の受け皿が民主党になっているのは何故か。何故社民党と日本共産党が受け皿にならないのか、そこが課題でしょう。日本共産党は人が良すぎます。二大政党制は反共装置=日本共産党を蚊帳の外に置く装置なのに、そのことを国民に知らせてイデオロギー闘争が弱いと思います。
具体的に言えば、朝までテレビで穀田さんはもっと押し出せば良いのに日本共産党の押し出しが弱すぎ。江田議員や田原発言で日本共産党の「功績」を認めているのに、二大政党制の問題点の解明が弱い。吉井さんも爆笑問題の番組に出ても笑っているだけで日本共産党の存在意義と二大政党制の問題点の解明が弱すぎ、総じて日本共産党の国会議員はテレビ出演がなれていないというか、テレビにおける宣伝活動の位置づけが弱すぎる。
また統一戦線についても、単なる社民党と共産党の統一戦線という政党の枠組みも、どの部分で政策協定と組織協定を結ぶか、どこの点で不一致点があるのか、それを国民の前に明らかにして、正々堂々統一戦線を組まなかったら、そこを自民党に攻撃され、分断され、国民の不信感を助長し、統一戦線は崩壊するでしょう。60年代から70年代の統一戦線運動の教訓と公民・社公合意=日本共産党排除の合意の教訓は何だったのか、そこを教訓化しない政党の枠組み論より政策的一致と不一致の国民的確認の必要があるでしょう。さもなければ同じことを繰り返していくことになり、そのうち国民から総スカンを食らうでしょうね。
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Unknown (非国民通信管理人)
2007-07-31 22:48:05
>とおるさん

 自分の中ではかなり結果が楽しみな選挙だっただけに、左派政党の衰退に大いに落胆しています。まぁ自民が民主に変われば、とりあえず「失策を重ねれば危ういことになる」程度の緊張感を与えることは出来ると思うので、それなりには評価しますけれども・・・

>sasurattiさん

 小選挙区ならばともかく比例ならば、議席は伸ばせるものと期待していたのですけれど・・・ あぁ、共産、社民に11議席があれば・・・

>青の雑記帳さん

 日本の共産党はソ連の共産党には完全に否定的のようですが、アレはアレで評価できる点はあったように思います(もちろん問題点はありましたが)。それが西側諸国の圧勝、「新」自由主義の一人勝ちとなって今に至るわけで、たとえ全面的に賛同できないとしても自らのアンチテーゼとなるような存在の価値がもっと認められるべきではないか、そんな風にも思いますね。

>うぺぽさん

 まぁ、同じ地域に住んでいれば一票の重さは違わないはずなのですが、問題の若者の投票率が上がらないのが頭の痛いところです。安全圏にいる人が高みの見物なら、危険地帯におかれている人は抵抗の放棄といったところでしょうか、若者の票が若者の雇用を訴えた政党に集中して欲しいのですが・・・

>焚火派GALゲー戦線さん

 PCが壊れたとは一大事ですね。特にエロゲーまである私には自分専用のPCは必須・・・

 それはさておき、共産・社民の選挙協力は真剣に検討して欲しいものです。民主党相手の場合と違って、政策にそう大きな隔たりはないはずですから。しかるに古くから政治にかかわっている人の間では、なかなかどうして遺恨のようなものがあるようで、何とか乗り越えてもらえないものかと。

>Unknownさん

 結局、自民党から民主党への票の流れも、政策を検討してのことよりも「とりあえず今回は別の政党に」的な発想から来ているのでしょうか、こういう考え方の人の関心を左派政党へと向けさせるのはなかなか難しそうです。テレビなんかは「普通の人」の関心を引く格好の媒体ではあるわけですが、残念ながら共産党はあまり目立てないまま、メディアの取り上げ方に拠るところもありますが、共産党側も積極的にメディア対策が必要なのかもしれませんね。本当は地道に政策を訴えることで支持を拡大できればいいのですが・・・
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Unknown (Green Monster)
2007-08-02 22:56:31
非国民通信管理人さん、こんばんわ。

とりあえず暴走列車にブレーキを掛けることが出来たのは良かったと思います。ただ民主党へは、自民党へのそれと同じくらいの注視が必要ですね。(民主党のマニフェストにある公職選挙法の改正案は、明らかに共産・社民・左派無所属の潰しを狙ったものでしょう。)

> 共産党側も積極的にメディア対策が必要なのかもしれませんね。
あまり傾倒しすぎると、単なるイメージ合戦、(小泉純一郎がやった)「郵政選挙」のようなハリボテ選挙運動になってしまうので、さじ加減が難しいところですね。メディア対策・メディア戦略に遅れをとっているのは間違いないので、何らかの対策は必要なのでしょうが。何か良い案はないものでしょうか。

追伸 >
別エントリでご紹介いただいた「ニラ茶」を読みました。還付制度そのものには問題ないと思いますが、法人税の減税分と相殺されているわけですから、国内インフラや社会システムのタダ乗りと捉えてもよいのかもしれません。さて、民主党はどれだけ財界の要求を突っぱねることができるのか。
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Unknown (非国民通信管理人)
2007-08-03 23:39:25
>Green Monsterさん

 なんとか自民党にNO!を突きつけられたのは良かったですが、民主党の動き次第ではそれも単なる流行り廃りのごときものになってしまいますから、これからの民主党の動きを注視せざるを得ませんね。一方の左派政党、特に共産党ですが、その政策や主張は支持を広げていると思うのですが議席は減少、正直なところメディア対策云々で小細工を労さないで欲しい、正面から堂々と政策を訴えて欲しいという思いもあるのですが、さりとて議席数を減らしてしまっては・・・と、忸怩たる思いであります。
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Unknown (TAMO2)
2007-08-07 23:57:49
以下のブログの7/26から1週間ほどの分析は参考になるのではないか、と思います。

http://kenuchka.paslog.jp/
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