lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Mike Oldfield / "Music of the Spheres"

2008-03-29 14:13:49 | music6
Mots


Every planet and every star; even the whole universe has music within it that no-one can hear, this is what it would sound like if it was set free. This is Music of the Spheres.
              ーMike Oldfield.


□ Mike Oldfield / "Music of the Spheres"

Music of the Spheres (excerpt)

Release Date; 17/03/2008
Label; Decca
Cat.No.; B0010925-02
Format: 1xCD

>> http://www.mikeoldfield.com/


>> tracklisting.

PART 1
01. Harbinger
02. Animus
03. Silhouette
04. Shabda
05. The Tempest
06. Harbinger Reprise
07. On My Heart (feat. Hayley Westenra)

PART 2
08. Aurora
09. Prophecy
10. On My Heart Reprise (feat. Hayley Westenra)
11. Harmonia Mundi
12. The Other Side
13. Empyrean
14. Musica Universalis



Produced by Mike Oldfield and Karl Jenkins
Conducted by Karl Jenkins >> http://www.karljenkins.com/
Vocals: Hayley Westenra >> http://www.hayleywestenra.com/
Piano: Lang Lang >> http://www.langlang.com/landing

The Sinfonia Sfera Orchestra



名門クラシック・レーベルDeccaよりリリースされるMike Oldfieldのオーケストラ作品。"Adiemus"のKarl Jenkinsが共同製作、オーケストラの指揮を務めている。

思えばKevin Ayersのバックバンド時代の若き日のMike Oldfieldと、Nucleus、Soft MachineのメンバーだったKarl Jenkinsは一時期同じアパートに入居し、互いに音楽的な助言や交流もあった旧知の仲であり、この30年越しの邂逅には名状し難い感慨がある。


元々Mike Oldfieldは"Hergest Ridge"や"Ommadawn"において、現在のAdiemusに酷似したコーラス・メソッドを30年以上も前に確立し、初期の大作主義の大きな特徴となっている。"Tubular Bells"で幕を開けた初期三部作は、当時のレコードの片面当たりの収録時間の関係から、二部編成をとるのが慣例であった。CDの台頭によって編成の縛りは消え、後期になって原点回帰を計った"Amarok"や、"Tubular Bells II"以降においても、かつての二部編成に立ち返ることはなかった。

楽曲性の実質的な分割とは言いかねるが、この"Music of the Spheres"で再び"Part 1"、"Part 2"と銘打つことで、今更ながら彼なりのこだわりを、そこに汲み取れそうな想いがあるのも事実である。


全編オーケストラのみを用いた楽曲編成という試みは、実は1974年にMikeの友人であった現代音楽家、David Bedfordと共作した"The Orchestral Tubular Bells"で行われている。過去の音楽業界、そして現在に至って宇宙事業を塗り替えているVirgin Recordsを成功に導いた"Tubular Bells"(まさに世界を変えた音楽と言える)のオーケストラ版で、実は私はオリジナル版に先立ってこのCDを聴き込んでしまった。だから未だに"Tubular Bells"といえば、オーケストラ版を思い浮かべてしまう。

"Music of the Spheres"の楽曲については、正直ここで言葉を尽くして何かを語りたいという気持ちにはなれない。個人的ながら、とても複雑な感情を抱いてるのは確かだが、それは"The Orchestral Tubular Bells"を初めて耳にした時の印象と酷く似通ったものであることだけは断言できる。パーカッションやストリングスワークに所々Karl Jenkins独特の節回しが聴き取れるが、そんなに気になる程ではない。

Mike Oldfieldが近年、スタジオに籠りきりシンセ一本でアーティスト性を追求した姿勢は、ある意味では彼独特の純度の高い世界観を醸し出すことはあったが、イビサ・チルの後継に甘んじるような凡百のシンセ・ミュージックに組する薄っぺらいサウンドは、正直あまり聴きたくはなかった。


Karl Jenkinsの慈愛ともとれる多大なサポートを受けながら、かつてMike Oldfieldを取り巻いていた華々しい仲間達や環境は、今や何もかも変わってしまった。全宇宙の星々の共鳴を荘厳に奏でる"Music of the Spheres"の響きの裏側には何処か、心の襞に沁み入るような寒々しい情致や寂しさが感じ取れて、涙した。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿