□ Henri Agnel / "ISTANPITTA - Danses florentines du Trecento"
♪ <script type="text/javascript" src="http://mediaplayer.yahoo.com/js"></script>Saltarello (a 6 temps)
♪ Chanconetta Tadescha
Release; 2005
Label; alpha (les chants de la terre)
Cat.No.; alpha510
Format: 1xCD
>> http://www.ciehenriagnel.com/
>> http://www.outhere-music.com/
Henri Agnel, cistre, ceterina, oud, arrangements & direction
Mickael Nick, quinton
Henri Tournier, flûte traversière (bansouri)
Djamchid Chemirani, zarb
Idriss Agnel, oud
Robin Davis, photo
14世紀の地中海を踏み鳴らした、吟遊詩人と舞踏の為の『イスタンピッタ』。フィレンツェで発見された写本を元に、モロッコ出身のフランス人作曲家、Henri Agnelの考察に拠り、現在或は伝統の器楽様式を織り交ぜて再現したアルバム。
新進ながら、その独自のコンセプトとトップランクのクオリティで、一躍フランスを代表する古楽レーベルとなった"Alpha Records"。その1ブランドとして打ち出した"Les Chants de la Terre (song of the earth)"は、俗に『アルファの白ラベル』と呼ばれ、民族伝統音楽における「口承と記譜の境界」のダイナミズムに光を当てるもの。そして、このテーマはまさに、かつて中東~欧州全土に渡って伝播されてきた中世舞曲を扱う作品の内容と符合している。
14世紀フィレンツェにおける楽器や演奏はこれほど洗練されてはいないだろうが、モロッコの伝統音楽をプロデュースしながら、北欧からインドに至るまでの様々な音楽様式を、東西の音楽家と交わりながら現地感覚で身に付けてきた彼だからこその加算減算が活きているし、何よりそれが中世舞曲そのものの自己相似性に通じている。
当時の先進国であったイスラム諸国をはじめ、東西南北の音楽のフラグメントを吸収・離散しつつ、それぞれのご当地ならではの手法で演奏されていたに違いないというエスタンピ。そのイディオムはJAZZにこそ通じる物だとアニェルは語る。
実際、今回の録音にはカントン(五弦ヴァイオリン)やシタール、ウドゥ(ブラジルの壷状の打楽器)、アタム(ペルシャの太鼓)をはじめ、各大陸から持ち寄られた多彩な楽器が用いられており、各地域の音楽様式と楽器構成が不可分であるかのような一部の固定観念が、「音楽」という姿勢とは無縁であることを強調する。
アニェルの言葉を要約すると、時空さえ隔てて尚「その時代を反映した」様式で奏でられてこそ、イスタンピッタが古代から現代に至るまで、その生命力溢れるリズムと旋律を轟かせ続けている由縁となるのではないか。
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□ Jordi Savall / "Istanbul"
♪ Taksim (Kanun, Vièle, Oud, Kemence et Tanbur)
♪ Lamento: Ene Sarére (2 Duduk)
♪ Der makām-ı Hüseynī Sakīl-i Ağa Rıżā (Mss. D. Cantemir 89)
スペインのカタルーニャ人音楽家、ヴィオール奏者としても最高の賞賛を得ながら、中世~ルネッサンスの埋没した伝統音楽や、古楽アンサンブルの研鑽に邁進するJordi Savall。Hesperion XXIによる演奏。
今作は、18世紀のモルダヴィア王子Dimitrie Cantemirの出版した「The Book of Science of Music」に基づいた東欧器楽演奏。アルメニアやセファルディ(スペイン系ユダヤ人) 由来のレパートリーを厳選し、当時のイスタンブールで親しまれていた音楽への憧憬を奏でています。
□ Valentin Silvestrov / "Sacred Works"
♪ Diptych: I. The Lord's Prayer
ウクライナの現代音楽家、 Valentin Silvestrovの宗教曲集"Sacred Works"。合唱はKiev Chamber Choir。うだるような猛暑に持って来いの幽玄な静謐さを湛えた一枚。古典転向後のシルヴェストロフの特色である『ロシア正教会の典礼音楽風』の色彩を帯びながら、どこまでも透明に格子を組み立てて行く、計算し尽くされた『反響の間』の美学。
□ Jeff Magnum / "Orange Twin - Filed Works Vol.1"
>> http://bit.ly/aRHkdh
ブルガリア民族音楽を世界に知らしめたきっかけであり、文芸保護の拠点となっているコプリフシティツァの民俗祭。カルト的ミュージシャンのJeff Magnumが取材した音源が再販。
□ ルーマニアの教会合唱音楽家といえば、ネグレアやゲオルゲ・ククのほかに誰がいただろう。。?あの独特なリズム融解は、ドイナ演奏の土壌があったからだろうか。
□ RARA IN HAITI / "STREET MUSIC OF HAITI"
>> http://bit.ly/bEBnrh
ハイチのカーニバル音楽『ララ』を収録した音源。サイケデリックで狂騒的な色合いが強いけど、それはアフリカの奴隷時代に直接的な起源を持つからだそうです。
□ ラトビア音楽と言えば、Rigaを拠点とした近代風コラールや民謡に代表される合唱曲を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、個人的にオススメしたいのは、バルト海の潮風と哀愁を漂わすフォークミュージック。有名どころではUgis Praulinsとか。
バルト沿岸の音楽は、ここ数年で相当数聴いて来たけれど、作曲家にしろ演奏家にしろ、やはりラトヴィアのものが最も琴線に触れる印象。近代史実の陰を背負った悲哀が堪らない。
□ カメルーンの歌手、WESが10年ぶりのアルバム。初期Deep Forestのノスタルジー http://www.wesmadikomusic.com RT @Music_Detected: Wes - new album "Melowe" Very deep forest like
□ Simon Whetham / "restricted access"
>> http://bit.ly/bJlg1d
エストニア工業地帯の廃墟が舞台のフィールドレコーディング作品 。アンビエントコラージュ風の楽曲。White Line Editionsレーベルが打ち出した、"GRAYSCALE"なるミニマル・サウンドアート・シリーズの第一弾。あのミニマル・レジェンド、Bernhard Günterが結成した実験レーベル、"trente oiseaux"のコンセプトにインスパイアされたものだとか。後続作にも期待です。
□ "THE WORLD ENDS - Afro Rock & Psychedelia in 1970s Nigeria"
>> http://www.soundwayrecords.com/catalogue/the-world-ends.html
1970年代ナイジェリアのafro-rockを特集したコンピ。"the World Ends"シリーズがsoundway recordsよりリリース。激動の内戦と民政化という世情を反映した熱気が滾る一枚。
□ Max Richter / "Infra"
♪ Infra 1
Max Richterによる舞踏の為の作品"Infra"がようやく着荷。ノイズやドローンを織り込んだオーケストラを駆使した「ポスト・クラシカル」といえば、今は北欧系エレクトロニカ勢のイメージだけど、やはり本場はドイツ。
□ 新調したシアターシステムでEnigma4を聴いた。凄い。世界観にとてつもなく奥行きが広がったよう。合唱の重厚感はともかく、低音域が「聞き取る」のではなく、空間震動を「感じ取る」ものになっている。これはEnigmaが使用しているマテリアルならではの効果。何より楽曲構成に符合している。
低音域は感じるものと言うのは、当たり前かもしれないですが、Enigma4の文脈では次元が違う。ベースやドラムではなく、まさしく超自然的な「震動音」として響いてくるようだ。そして違う楽曲に同じ素材を配合しても、Enigmaと同じようには聞こえないだろう。
"Enigma4"と書いてしまうと、別物の海賊版アルバムばかり引っかかってしまうようなので、一応但し書き。。Enigmaの4thアルバム、"the screen behind the mirror"です。因みに私のiPod Touchに同タイトルが刻印されています。