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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Les Chants de la Terre - traditional / art music.

2010-07-31 22:33:22 | art music
Istanpitta



□ Henri Agnel / "ISTANPITTA - Danses florentines du Trecento"

♪ <script type="text/javascript" src="http://mediaplayer.yahoo.com/js"></script>Saltarello (a 6 temps)
Chanconetta Tadescha

Release; 2005
Label; alpha (les chants de la terre)
Cat.No.; alpha510
Format: 1xCD

>> http://www.ciehenriagnel.com/
>> http://www.outhere-music.com/


Henri Agnel, cistre, ceterina, oud, arrangements & direction
Mickael Nick, quinton
Henri Tournier, flûte traversière (bansouri)
Djamchid Chemirani, zarb
Idriss Agnel, oud
Robin Davis, photo




14世紀の地中海を踏み鳴らした、吟遊詩人と舞踏の為の『イスタンピッタ』。フィレンツェで発見された写本を元に、モロッコ出身のフランス人作曲家、Henri Agnelの考察に拠り、現在或は伝統の器楽様式を織り交ぜて再現したアルバム。


新進ながら、その独自のコンセプトとトップランクのクオリティで、一躍フランスを代表する古楽レーベルとなった"Alpha Records"。その1ブランドとして打ち出した"Les Chants de la Terre (song of the earth)"は、俗に『アルファの白ラベル』と呼ばれ、民族伝統音楽における「口承と記譜の境界」のダイナミズムに光を当てるもの。そして、このテーマはまさに、かつて中東~欧州全土に渡って伝播されてきた中世舞曲を扱う作品の内容と符合している。



14世紀フィレンツェにおける楽器や演奏はこれほど洗練されてはいないだろうが、モロッコの伝統音楽をプロデュースしながら、北欧からインドに至るまでの様々な音楽様式を、東西の音楽家と交わりながら現地感覚で身に付けてきた彼だからこその加算減算が活きているし、何よりそれが中世舞曲そのものの自己相似性に通じている。


当時の先進国であったイスラム諸国をはじめ、東西南北の音楽のフラグメントを吸収・離散しつつ、それぞれのご当地ならではの手法で演奏されていたに違いないというエスタンピ。そのイディオムはJAZZにこそ通じる物だとアニェルは語る。


実際、今回の録音にはカントン(五弦ヴァイオリン)やシタール、ウドゥ(ブラジルの壷状の打楽器)、アタム(ペルシャの太鼓)をはじめ、各大陸から持ち寄られた多彩な楽器が用いられており、各地域の音楽様式と楽器構成が不可分であるかのような一部の固定観念が、「音楽」という姿勢とは無縁であることを強調する。

アニェルの言葉を要約すると、時空さえ隔てて尚「その時代を反映した」様式で奏でられてこそ、イスタンピッタが古代から現代に至るまで、その生命力溢れるリズムと旋律を轟かせ続けている由縁となるのではないか。




□ my twitter log storage - :: music ::


Istanbul



□ Jordi Savall / "Istanbul"

Taksim (Kanun, Vièle, Oud, Kemence et Tanbur)
Lamento: Ene Sarére (2 Duduk)
Der makām-ı Hüseynī Sakīl-i Ağa Rıżā (Mss. D. Cantemir 89)

スペインのカタルーニャ人音楽家、ヴィオール奏者としても最高の賞賛を得ながら、中世~ルネッサンスの埋没した伝統音楽や、古楽アンサンブルの研鑽に邁進するJordi Savall。Hesperion XXIによる演奏。

今作は、18世紀のモルダヴィア王子Dimitrie Cantemirの出版した「The Book of Science of Music」に基づいた東欧器楽演奏。アルメニアやセファルディ(スペイン系ユダヤ人) 由来のレパートリーを厳選し、当時のイスタンブールで親しまれていた音楽への憧憬を奏でています。




V_sacred_works



□ Valentin Silvestrov / "Sacred Works"

Diptych: I. The Lord's Prayer

ウクライナの現代音楽家、 Valentin Silvestrovの宗教曲集"Sacred Works"。合唱はKiev Chamber Choir。うだるような猛暑に持って来いの幽玄な静謐さを湛えた一枚。古典転向後のシルヴェストロフの特色である『ロシア正教会の典礼音楽風』の色彩を帯びながら、どこまでも透明に格子を組み立てて行く、計算し尽くされた『反響の間』の美学。




Jeffmanum

□ Jeff Magnum / "Orange Twin - Filed Works Vol.1"

>> http://bit.ly/aRHkdh

ブルガリア民族音楽を世界に知らしめたきっかけであり、文芸保護の拠点となっているコプリフシティツァの民俗祭。カルト的ミュージシャンのJeff Magnumが取材した音源が再販。




□ ルーマニアの教会合唱音楽家といえば、ネグレアやゲオルゲ・ククのほかに誰がいただろう。。?あの独特なリズム融解は、ドイナ演奏の土壌があったからだろうか。




Rara_coverlowres

□ RARA IN HAITI / "STREET MUSIC OF HAITI"

>> http://bit.ly/bEBnrh

ハイチのカーニバル音楽『ララ』を収録した音源。サイケデリックで狂騒的な色合いが強いけど、それはアフリカの奴隷時代に直接的な起源を持つからだそうです。




□ ラトビア音楽と言えば、Rigaを拠点とした近代風コラールや民謡に代表される合唱曲を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、個人的にオススメしたいのは、バルト海の潮風と哀愁を漂わすフォークミュージック。有名どころではUgis Praulinsとか。

バルト沿岸の音楽は、ここ数年で相当数聴いて来たけれど、作曲家にしろ演奏家にしろ、やはりラトヴィアのものが最も琴線に触れる印象。近代史実の陰を背負った悲哀が堪らない。




□ カメルーンの歌手、WESが10年ぶりのアルバム。初期Deep Forestのノスタルジー http://www.wesmadikomusic.com RT @Music_Detected: Wes - new album "Melowe" Very deep forest like





Restricted_access

□ Simon Whetham / "restricted access"

>> http://bit.ly/bJlg1d

エストニア工業地帯の廃墟が舞台のフィールドレコーディング作品 。アンビエントコラージュ風の楽曲。White Line Editionsレーベルが打ち出した、"GRAYSCALE"なるミニマル・サウンドアート・シリーズの第一弾。あのミニマル・レジェンド、Bernhard Günterが結成した実験レーベル、"trente oiseaux"のコンセプトにインスパイアされたものだとか。後続作にも期待です。




Tworldsend

"THE WORLD ENDS - Afro Rock & Psychedelia in 1970s Nigeria"

>> http://www.soundwayrecords.com/catalogue/the-world-ends.html

1970年代ナイジェリアのafro-rockを特集したコンピ。"the World Ends"シリーズがsoundway recordsよりリリース。激動の内戦と民政化という世情を反映した熱気が滾る一枚。




Infra

□ Max Richter / "Infra"

Infra 1

Max Richterによる舞踏の為の作品"Infra"がようやく着荷。ノイズやドローンを織り込んだオーケストラを駆使した「ポスト・クラシカル」といえば、今は北欧系エレクトロニカ勢のイメージだけど、やはり本場はドイツ。




Enigmascreenbehindthemirror

□ 新調したシアターシステムでEnigma4を聴いた。凄い。世界観にとてつもなく奥行きが広がったよう。合唱の重厚感はともかく、低音域が「聞き取る」のではなく、空間震動を「感じ取る」ものになっている。これはEnigmaが使用しているマテリアルならではの効果。何より楽曲構成に符合している。


低音域は感じるものと言うのは、当たり前かもしれないですが、Enigma4の文脈では次元が違う。ベースやドラムではなく、まさしく超自然的な「震動音」として響いてくるようだ。そして違う楽曲に同じ素材を配合しても、Enigmaと同じようには聞こえないだろう。


"Enigma4"と書いてしまうと、別物の海賊版アルバムばかり引っかかってしまうようなので、一応但し書き。。Enigmaの4thアルバム、"the screen behind the mirror"です。因みに私のiPod Touchに同タイトルが刻印されています。


rubbish talk_6.

2010-07-31 22:31:22 | ニュース
人間の観念に基づく総ての振る舞いは、
非現在・非自己の形象として永遠に連なる時間の連続面に
自らを組み入れることに他ならない。

食事や生殖行動、呪術と科学、
古代の壁画から現代の芸術に至るまで、
あらゆる次元における「人」の痕跡は幾億の層を重ねながら
巨視的な「普遍性」の形成と並進対称な相同を為していく。




Oceansimage

□ 映画『Oceans』視聴

フランスの海洋ドキュメンタリー映画。
BBCシリーズとは対照的に『感傷性』を重視した内容ですが、動きやダイナミズム溢れるカメラワークで捉える環境・生態系映像は圧巻。

ただ、人間の脅かしている生物多様性への負荷を象徴するのは良いが、それは人間社会が共有する倫理的問題、不当性とは別の次元にあるということは自覚しておきたい。




□ 学力と貧困の力場

全国学力調査、「論理的理解、応用力不足」と真に受けるのは簡単だけど、出題の目的と、解答のばらつきから得られるパラメータの評価や相関に、どの程度の正当性が有るのか、更に基準がオープンになっているかなど疑問。小中学生の学力が及ぼすソリューションの文化レベルに初期値以上の意味はない。

逆に、日本社会がその「初期値」の呪縛に浸っているからこそ、子供の学力低下が必要以上に現実として深刻になるのかもしれない。リカバリー性が不当に抑圧されている反映でもある。そしてそれは、富の分布や権力構造の保持とフィードバック関係にある。




□ 本当に誤用?

言葉の誤用について、書き手はしっかりと正しい意味で用いているのに、読み手の方が誤用だと思い込むケースは少なくない。例えば「恣意」のような、正しくても誤用でも見た目の文脈が違和感なく成立してしまうような語は要注意だ。誤用だと勘違いされた上に、主張の解釈も歪曲してしまう。


一例として、「恣意的にサンプルを採る」と同義な文脈において最も起こりやすい。読み手が「誤用に目を光らせている」風潮が、ある領域では逆効果になっている例。

また、「作為的に選択されたサンプルだ」という意味の文脈を合成する時、「恣意的に選択されたサンプルだ」では誤用だけど、「恣意的なサンプルから選択された」は元の意味を保存する。


※ 恣意=「思いついたまま」「自分勝手な考え」「任意に(ランダムに」




□ 無料公演なのに「著作権料を」 JASRACにオケ当惑

>> http://www.asahi.com/showbiz/music/NGY201007210024.html

「団員に給料を払っており、実演家(団員)は報酬を得ていると判断できる。内容は同じとされても、『音楽を利用する主体』という形式的な点で判断せざるを得ない」 (JASRAC)


Jasracがプロ・オーケストラの慈善公演に著作権料を請求した問題。その主張の根幹である「音楽を利用する主体」の解釈が、(良い悪いでは無く)純粋に興味深い。これは団体間の話し合いだけで収束させるべきではなく、徹底的に検定して法的資源として欲しい。


個人的には、jasracの主張は、法解釈的にも論理的にも無理あり過ぎだろとは思います^^; 批判の風潮とは切り離しても、「承服できない」のは当然でしょうね。そして、組織として社会として、そんな事例を積み上げてきたことの何処に問題があるのか。公共の利益の為に検証されてきたとは思えない。


今回の争点を明かすと、Jasracにおいてはプロ・オーケストラ自身の主催による活動に限り、「特定公益法人としての法人格を認めない」という、実にアグレッシブな法解釈の是非が問われるでしょう。