吐山田町の筋向い、国道369号線を挟んで東側の山裾集落、春明院の境内に立つ石仏さんです。
集落の奥まった高台に建つ「春明院」はこの地を治めた吐山日向守光政が天文7年(1583)、菩提寺として中興開山したと伝える。
現在小堂のみを残し無住と成って居るが、境内から見渡す吐山の景観には鄙びた田舎風情が凝縮している。
石仏は境内に入って直ぐの左手、一本杉の根元に小石仏と共に立っている。
不整形な背丈ほどの縦長自然石の正面上部に舟形を深く彫り沈め・・・
像高40~50cmばかり、蓮華坐に立つ中肉彫りの定形地蔵を刻み出している。
向かって左手、石材の頂部付近から舟形光背上部にかけてが大きく欠損・・・
その欠損部分には蔦が絡まり哀れと言うよりは、それなりの良い風情を醸し出して居ます。
石仏の表面には青白い地衣類がこびりつき、像容は良く解りませんが・・・・・・、四等身の頭デッカチ幼児体型の地蔵石仏は室町末期の造立かと思われます。
撮影2012.7.28