先だっても茅葺き民家で紹介した「都祁南ノ庄」の歓楽寺には多くの石造物が残されており、中でも覆い堂内の三体並んだ地蔵石仏に目が奪われる。
高野山真言宗「歓楽寺」は南ノ庄集落の背後に有る小山の上にある鄙びた佇まいを良く残す山寺、創建年代や由緒については不明ですが戦国時代に焼き討ちに遭った様です。
覆い屋の三体の地蔵石仏・・・・、中でも一番に目を惹くのは中央の地蔵菩薩立像。
板石状の高さ約1mの花崗岩に覆輪蓮華坐に立つ像高約80cmの定形地蔵を半肉彫りで刻み出して居る。
童顔で理知的な眼差し、すらっとした体躯もよく整って居るが・・惜しくも胸元で上下に断裂。
頭部には浅く円頭光を刻み出し、像の右には鎌倉時代後期、元亨二年(1332)の銘が有り、都祁地域では最も古く最も美しい石仏だとされて居る。
向かって左側の室町様式をよく表した地蔵石仏、ちょっとずんぐりの四等身、尊顔は生憎のほぼ、のっぺらぼう・・・。
右側の一体も同様に室町様式の定形地蔵立像です。
撮影2012.2.22