
家族性特発性基底核石灰化症(IBGC;いわゆるFahr病)は両側基底核やその他の部位に石灰化を呈する疾患で,ジストニア,パーキンソニズム,失調,認知障害,行動異常などを呈する.遺伝形式は常染色体優性遺伝形式が考えられている.遺伝子座位は1999年に多世代にわたる大家系での検討から14qに連鎖することが報告されている(IBGC1 locus; 原因遺伝子は未同定).2002年には2つ目の家系での連鎖解析が行われているが,IBGC1 locusへの連鎖は否定されている.
今回,UCLAより新たに6家系のFahr病の連鎖解析が報告された.家系の由来は,北米3家系,ドイツ・中国・スペインが各1家系ずつであった.臨床症状は痴呆・舞踏病を主徴とする家系のほか,パーキンソニズムを主徴とする家系,めまいを主徴とする家系と均一ではなかった.また家系図を見る限り,常染色体優性遺伝形式が考えやすいが,優性遺伝にしても罹患者の割合が高すぎる印象がある.結果として6家系中IBGC1 locusに連鎖したのは1家系のみで,IBGC1 locusはIBGCの原因遺伝子座位としては頻度が高いわけではないことが明らかになった.すなわちIBGCのgenetic heterogeneityが明らかになったわけだが,その臨床像の多様性を考えると納得できる結果とも言える.
Neurology 63; 2165-2167, 2004
今回,UCLAより新たに6家系のFahr病の連鎖解析が報告された.家系の由来は,北米3家系,ドイツ・中国・スペインが各1家系ずつであった.臨床症状は痴呆・舞踏病を主徴とする家系のほか,パーキンソニズムを主徴とする家系,めまいを主徴とする家系と均一ではなかった.また家系図を見る限り,常染色体優性遺伝形式が考えやすいが,優性遺伝にしても罹患者の割合が高すぎる印象がある.結果として6家系中IBGC1 locusに連鎖したのは1家系のみで,IBGC1 locusはIBGCの原因遺伝子座位としては頻度が高いわけではないことが明らかになった.すなわちIBGCのgenetic heterogeneityが明らかになったわけだが,その臨床像の多様性を考えると納得できる結果とも言える.
Neurology 63; 2165-2167, 2004
