ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

美しすぎて

2010年04月26日 | 思うこと
人生には、いろいろなことがあるものです。みんなそれぞれいろいろなものを抱えて生きているのだと思います。

昔の人も現代に生きる人もいろいろ抱えて生きています。突然、大きな岩がドカン!とやってきて私たちにのしかかろうとします。ひどく動揺し、つぶれそうになりながら、なんとか持ちこたえます。いくつかの大きな岩が一度にやってくることもあり、「もはやこれまで」と感じることもありますが、たいていの人間は、なんとか持ちこたえて生きています。ベートーヴェンもそうだったと思います。

ベートーヴェンのソナタ28番の第1楽章、美しすぎて悲しいです。ベートーヴェンの後期の作品は、「苦しみの中から歓喜にいたる」ですけど、この曲の少なくとも1楽章は、歓喜にまで至らず、切なくなるほど、慰めに満ちた会話だと感じてしまいます。これは、私の生きてきた人生も影響しているでしょうか・・・。自分の人生を重ねて演奏することが、まったく同じ音符を演奏するクラシック演奏の醍醐味かも知れません。
コメント
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