日々・from an architect

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沖縄へ(3) 知念按司の墓

2016-03-14 00:18:14 | 自然

沖縄本島南部の太平洋に面した南城市の知念城址から、通路も定かでない山中に分け入ると、崖地に寄り添ったささやかな知念按司の墓が現れる。訪れる人も少ないのか、通路らしき傾斜地の石や岩肌と、覆いかぶさってしまった樹木を掻き分け、根路銘さんの後をヨチヨチと上ってゆくと、琉球石灰岩断崖岸壁の裾に現れたのが「知念按司の墓」だった。

城址の一角に建っていた倒れ掛かった案内板には、地元では「按司墓」と呼ばれ、知念を収めた按司とその墓と伝えられていると記されていた。そして墓口には一枚の盾を乗せ、石積みで閉じているとある。
この史跡は知念村指定の史跡とのことだ。

墓の前庭部と墓の前の階段は石で組み立てられていて、他に類例のない(と言っても僕が見ていないからなのかもしれないが)形態で、断崖を見上げたあと、思わず眼を閉じて手を合わせ、ここに眠る人たちに思いを馳せる。振り返ると眼下に木々の間からの東南に太平洋が望める。
ここまで来る人も少ないようだが、神の宿る沖縄原風景の一端を見て取れたようで、足の痛いのもどこかへいってしまったような気がしてきた。

<広辞苑より 按司(あんじ:アンズ・アジともいい、古琉球の諸侯、領主、王家の近親などをいう)>



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