日々・from an architect

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沖縄へ(3) 那覇市民会館存続要望書の提出

2013-03-15 18:20:13 | 沖縄考
2月13日(2013年)、DOCOMOMO Japanからの那覇市民会館(1970年金城俊光・金城信吉設計)の存続要望書を地元の建築家根路銘さん(正会員)と共に新築なった那覇市庁舎に赴き、翁長雄志那覇市長と市民宛に、『守禮之邦』への願い、として提出した。対応してくださったのは、佐久川馨市民文化部部長など4名の方々で、時折うなずきながら真摯に聞いていただいた。
その後沖縄県庁で記者会見に臨み、琉球新報、沖縄タイムズなどの地元紙の記者からの質疑応答など行った。各紙が短いとはいえ記事にして報道してくれたが、週刊タイムス住宅新聞(2月22日付)での、概要を伝えておきたい。

ー週刊タイムス住宅新聞の記事の概要ー
那覇市民会館は、日本の重要な近代建築物の一つとして歴史的・文化的重要性が認められ、2006年にドコモモジャパン125選に選定。県内では那覇市民会館と与那原町に建つ聖クララ教会の2つ。幹事・兼松紘一郎(氏)は「戦後の沖縄の近代建築として、モダニズムの聖クララ教会と沖縄の文化を近代建築の形にまとめた那覇市民会館、この2つがあってこそ意味がある。その建築がなくなることは、戦後築いてきた文化が失われてしまう」と会館の価値を訴えた。

そして、根路銘さんは「那覇市民会館は沖縄の現代建築の原点。街づくりにおいても沖縄らしさが求められるなか、那覇市民会館はそれにこたえてくれた建物。その建物が無くなることは沖縄の大きな損失になる。昭和、平成とこれまでの沖縄の文化を築き上げてきた大切な場所でもある。市民の皆様にも歴史的建築について考えてもらいたい」と呼びかけた。

<提出した要望書の形式など>
今回の存続要望書は根路銘さんが起草し、僕が取りまとめたが、沖縄の言葉を取り込み、宛先に「市民の皆様」としたことと、提出者として、鈴木博之代表と共に、地元の建築家根路銘さんの名を記したことは、何とか市長に汲み取ってほしいと願う僕たちの想いを伝える意味で画期的なことだと考える。

市長はこの建築を解体して統廃合される久茂地小学校の跡地に新築すると表明しているが、同時にこの`会館のあり方を検討する委員会`を設置して協議をさせている。

沖縄は、オスプレイや辺野古の自然環境破壊問題など数多くの課題を抱えているが、戦後多くの市民の力によって築いてきた建築文化を大切に継承し、ウチナンチュウの信条とともに、ヤマトンチュウの想いをも大切にしていく決意を新たにしてほしいと心から願うものである。

<DOCOMOMO Japanの許可を得て存続要望書を掲載した>


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