9月11日(金)の新聞各紙に、神奈川県立近代美術館「本館」を鶴岡八幡宮に移譲、保存へ、と題した報道がなされた。「近美100年の会(略称)」を構築し神奈川県立近代美術館の保存を目指してきた僕のところにお祝いのメールなど頂いたが、新館と学芸員棟を解体すると付記されていて、釈然としない旨返信をした。
朝日新聞では、単に´老朽化のために`とされているが、神奈川新聞ではより詳細に「八幡宮の境内は67年に国の史跡に指定され、宗教活動や史跡にとって重要不可欠なもの以外は現状変更を認めない」とされたと付記されている。
「本館は調査した結果地下遺構を傷つけずに耐震補強工事が可能と判断された」とし、解体は県が行い、八幡宮は解体した跡地に、本館棟の活動と関連した建物の新設を検討していると記されているが、新館と学芸員棟を調査したとは書かれていない。
僕が所属するDOCOMOMO Japanからは、新館も選定建築物としてリスト化されているにもかかわらず、本館のみの要望書を提出、そうなると本館以外は壊しても構わないと受け取られかねないので追記する等対処してほしいと要請したが、何故か検討されなかった。
幹事長(元)として代表故鈴木博之東大教授ほか藤岡洋保東京工大教授(当時)など多数の幹事と共に100選など選定を取り仕切ってきた僕は忸怩たる思い、どうも釈然としない。
<写真:DOCOMOMOのリーフレット:150選までのもの。続けてこのブログ次号に、関わってきた建築の保存について執筆・連載してきた`建築とまちづくり`誌「建築保存物語」の`鎌倉近美`の稿を記載する>。