日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

必読書 『私の「戦後70年談話」』(岩波書店刊)を 読んでほしい!

2015-09-09 14:01:46 | 生きること

台風18号が愛知県に上陸、電車の運行を気にしながら、妻君は人間ドックへ、併せて早起きした僕はいつものように町田でロマンスカーに乗りかえて新宿に、わずか3分遅れで到着。雨も小降り、ところが中央公園に踏み込んだ途端、暴風雨となって膝から足元までびしょ濡れになった。PCを開いて建築誌に連載している書きかけのエッセイに手を付けるが、報道された自民党の総裁選のことがちらついて、ついつい考え込んだりしてしまう。

10日程前にふと思って購入した岩波書店刊の、『私の「戦後70年談話」』を拾い読みしてきたが、昨日その中の数編を抜き刷りにして親しい友人に手紙を添えて送付、沖縄の若き友に読んでほしいともう一冊購入して、宅急便で発送した。

岩波編集部の`はじめに`にはこう書かれている。
「…戦争体験を持ち、各界で活躍されている1940(昭和15)年以前生まれの41人の方々に、自身の戦中・戦後体験や戦後日本社会の歩みをどう見ているか…等々…次の世代に伝えたいことを語っていただいた」。

赤紙で召集された父をフィリピンで亡くした僕は、1940(昭和15)年の早生まれなので、1939年に生まれた連中と同級生、小学校に入学したのは昭和21年の4月なので、戦後の第1期生である。そして戦前の教育を受けていないことを僕の拠り所としてきた。
しかしこの本を読んで、嘗て先輩の話に出てくる、墨を引いた教科書や一変した先生の態度に、「人の生きること」への人間の奇態な実態・実感がなくてよかったと思っていた僕自身の持つ価値観のようなものが、さてどうだろうかと?考えることにもなった。

41人の方々のどれを読んでも感じるものがあるが、例えば、なんと80歳になられた脚本家、演出家でもあるジェームス三木氏の「若者たちへ」は、こう始まる。

若者たちに遺言しておく。戦争を起こすのは国家ではない。国家に成りすました「時の政府」である。・・・・