日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

正月に走る箱根駅伝

2009-01-04 12:16:51 | 建築・風景

箱根駅伝には様々なエピソードがあり、それが積み重なって伝説として伝えられるものもあるが、例え母校の学生が走っていなくても僕たちが惹き付けられるのは、そこに人生の縮図を読みとることが出来るからだ。しかしそうでなくたっていい。ただ必死で走る姿を見るだけでも楽しいのだ。
49,195キロを走るマラソンだって、コースを回るだけのF1だってレーシングカーを操って人が走るから心が打たれる。
歳を重ねた僕の思わせぶりな言い方なのかもしれないが、必死で走る姿を見る、それだけでもいい、そして誰にでも頑張って欲しいと願う。

それでも書いておきたいことがある。
今年の駅伝は、東洋大が初優勝をした。箱根の登りでなんと今井正人(順天堂大)の記録を越えて、東洋大1年生の柏原竜二が区間新を出した。新聞には怪物と書かれた。昨年の今井の見事な走りとさわやかな姿がまだ頭に残っていて、唖然とした。しかしそのときは東洋大が優勝するとは思ってもいなかった。

TVを見ていて辛かったのは、最終10区で農大の主将が抜かれてシード権獲得ができなかったことだ。故障が続いて走れなかったがそれでも主将に選ばれる。彼の苦渋と人生を併せて考えてしまう。でもその姿はいつまでも人の心に残り僕たちを励ましてくれるだろう。

明大がシード権を得た。
東洋大の優勝より、早稲田が勝てなかったことより、昨年の覇者駒大がシード落ちしたことより、日大のダニエルが20人抜き、でも山梨学院大のモグスがもっと早かったことより、何より母校明大がシード権を得たことに驚いた。43年ぶりのシード権、古豪復活とTVで誰かが云ったが、昔は強かったのだろうか。`箱根へ`という駅伝部復活サポート要請が先輩から来たことがあったが、チームが組めなかったこともあったのだ。

世話人をやっている宝井馬琴さんの会へ駅伝部の監督が出席して校歌の音頭をとってもらったことがある。昨年の箱根駅伝リタイアで意気消沈したあとで、監督を励ます会になったりした。
今回はラグビーがなんと全国大会に出られなかった。ありえない思いだが、それでもなぜか早稲田には勝った。その早稲田が10日に決勝を戦う。何たることぞ!

駅伝を見ていて思ったことがもう一つある。青山学院が繰り上げもなく「たすき」を継いでゴールしたことを喜んでいる。33年ぶりだそうだ。シード落ちなんて関係ない。予選を突破して箱根を走ったアンカーとその仲間たちの笑顔がさわやかだ。
若者はいい。初春の快晴のようにさわやかだ。そしてその若者を率いる指導者がいる。まだ日本は大丈夫だとホッとした。

<写真 快晴>