日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

素敵な絵本「だんご鳥」

2007-03-21 10:30:22 | 日々・音楽・BOOK
 
写真家飯田鉄さんの奥さん`飯田朋子`さんが、素敵な絵本を書いた。新日本出版社からの「だんご鳥」。絵を描いたのは多摩美OBの長野ともこさんだ。
作者紹介が書かれている。武蔵野美術大学油絵学科OBの朋子さんは、「子供の造形教室」を主宰している。でも児童文学同人誌連絡会「季節風」の同人だということは知らなかった。絵を描くのではなく文章を書くというのがこれで納得できる。

一昨年、飯田さんの写真展に現れた朋子さんはなんとも素敵で、この夫人在っての鉄さんかと思わず口をついたら、そのはにかむ様子にああいいなあ!と思ったものだ。
「だんご鳥」のちょっとハードボイルド風の文体がいい。僕好みだ。絵本にハードボイルド?まあ読んでみてください。

翔はこう言う。「ねえちゃんは、はっきりいってみんなとちがう。いつもニコニコ笑っている。そしてときどき悪魔に変身するんだ・・・」何処にでもあるような、それでいて家族ってこうなんだよな!こういう家族っていいなあ!と胸がキュとなるお話し。

送ってくれた飯田さんへの僕のお礼の返信のはがき。ちょっと格好よくこういいたい。「下記に記す」。

<鉄さんへのハガキ>
『冒頭の小見出し「梓ブランド」から、おやっと思った。梓は、登場するご夫妻の長女なのだ。翔はその弟。「ぼくは、親子の境界を越えて、勝手に自分の世界に浸ることにした」などという翔は、案外朋子さんの旦那、鉄さんをモデルにしたのかも・・・朋子さんの「鉄」感か。

まず登場した母さんは、多分飯田夫人。なんともおかしく魅力的。「翔、こっちがいいかしらねえ、まって、こっちがひきしまって見えるわよねえ」
母さんは、毛糸で編んだ細長い長方形の梓ブランドを首に巻いて、鏡台の前でとっかえひっかえ、ファッションショーをやっていた。
でも翔の父さんはちょっと鉄さんとは違うかも。
いやいや、もしかしたら鉄さンの本質そのものか?

などなど思い巡らしながら、途中でグッとくる涙をこらえてあっという間に読んでしまいました。この絵本の面白さが今の子供たちに理解できるのでしょうか?この絵本が今の子にわかるのでしたら、まんざら今の世も捨てたものではないと思ったものでした』

ところで「だんご鳥」ってのは、翔がつくったインコ。
「ヒバリだか、スズメだか変な鳥いっぱい」梓がお父さんのお店で働くことになったので「ショーウインドーに飾ろうとおもって」「冗談だろう」「本気だよ、夢の実現」なんでぼくのインコと関係あるわけ。猪突猛進の母さん。