名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

諫早開門差し止め命令-長崎地裁決定

2013-11-13 21:55:20 | Weblog
2013.11.13(水)
 長崎県の国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門調査を実施すれば、農業などに被害が出るとして、干拓地の営農者らが開門差し止めを申し立てた仮処分で、長崎地裁は12日、差し止めを認めるという決定をした。
 地裁は「営農者らの権利を侵害する可能性が高い。開門調査の公共性、公益性は高くない。」とまで言い切った。
 これは一体、国に5年間の開門調査を命じた福岡高裁の確定判決との矛盾をどう理解しようというのか。
 同じ問題で確定判決があるのに、それと矛盾する判断がそもそも許されるのか。こんな決定があると、開門賛成派(漁業者)と開門反対派((営農者)のいさかいを煽るだけだ。今回の地裁決定は、高裁確定判決の柱となった「開門しないことによる業業被害」を主張しなかった国の不手際を指摘しているが、そもそも国(農林水産省)自体の本音は開門したくないのではないか。開門は、国策であるこの干拓事業を否定することである。地裁決定は高裁決定を覆すための国の手の込んだたくらみであり、地裁はその罠にひっかかったとしか言いようがない。
 コメの減反政策で、食糧自給率を際限なく下げておきながら、一方で自然環境の破壊をし、漁業者の生活権を奪って農業者との対立を煽っている農林水産省官僚の悪辣振りにはほとほとあきれる。