ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『 日本が軍事大国になる日 』 - 44 ( インド軍と、敵対する中国 )

2022-04-15 18:48:13 | 徒然の記

 1 週間ぶりに、江畑氏の書評へ戻りました。前回に続くインド軍の説明です。軍事力だけでなく、人口の多い国を大国とする意見もありますので、本論に入る前に世界の国別人口を、11位まで紹介します。平成20年の、国連人口基金( UNFPA ) のデータを参照しています。

  1. 中国 14億5千万人         2. インド   14億人     3. アメリカ 3億3千万人

  4. インドネシア 2億8千万人      5. パキスタン 2億3千万人 

  6. ナイジェリア 2億2千万人      7. ブラジル  2億2千万人

  8. バングラディシュ 1億7千万人    9. ロシア   1億7千万人

   10. メキシコ 1億3千万人       11. 日本   1億3千万人

 これらの国々が、世界の11位までの大国です。データを眺めますと、ここには大国と言われて良いはずのヨーロッパの国がありません。「人口が多ければ大国だ」と言う意見も、一つの見方にすぎないと分ります。国名を言うと差し障りがあるのでやめますが、最貧国と呼ばれている国が世界の上位にいます。

 世界の国の数は全部で、195です。これは日本が承認した国の数なので、北朝鮮と台湾とパレスチナが含まれていないため、198ヶ国と言うデータもあります。現在世界を掻き回している大国が、ロシアと中国とアメリカですから、このデータも当たっていると言えば当たっています。

 江畑氏の評価を紹介します。

 「インド軍は100万以上の陸軍兵力と、アジア第2位の空軍機保有数と、」「アジア唯一の空母保有国という点で、地域超大国としての地位を十分に確立している。」

 「インド軍は基本的に陸軍中心で、空軍がこれに続く。」「3度にわたるパキスタン戦争と、中国との国境紛争でその傾向は一層強くなった。」

 世界一の覇権国を伺っている中国が、インドへの敵対心を燃やすはずです。ミャンマー、バングラディシュ、そしてイランとの親密化政策で「インド包囲網」作ろうとしています。参考のためASEAN各国軍の下記比較データに、インド軍を加えてみました。

    イ   ン   ド  軍    陸軍 110万5千人  海軍 5万5千人  空軍 11万人

    インドネシア軍    陸軍  21万5千人  海軍  4万4千人  空軍 1万2千人

    シンガポール軍    陸軍   4万5千人   海軍   5千人        空軍     6千人

    マレーシア軍     陸軍  10万5千人  海軍 1万5千人   空軍 1万2千人

    フィリピン軍     陸軍   7万2千人   海軍 2万3千人  空軍 1万5千人

    ベトナム軍      陸軍 110万人        海軍 3万6千人  空軍 2万人

    タ イ 軍      陸軍   19万5千人  海軍  5万人        空軍 1万2千人

    ミャンマー軍        陸軍   37万5千人  海軍 1万5千人      空軍 1万5千人

 ベトナムの陸軍も110万人と大規模ですが、インド軍の方が装備が充実し、空軍と海軍はベトナムを凌いでいます。「平和の国インド」のイメージが、次第に薄れていきます。

 ではインドを敵視する中国軍は、どうなっているのか。ここで不思議な発見をしました。江畑氏はアジア諸国の軍隊につき、詳細な説明をしていますが、中国軍については何も述べていません。うっかり読み落としたのかと、何度も探しましたが、どこにもありません。戦車、戦闘機、軍艦など、型式や年代まで説明している氏が、中国軍に触れていないというこの不思議な発見に驚きます。

 インド軍の話から横道へ逸れますが、次回は中国軍の説明をします。

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