ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

国民の審判 - 2 ( 立憲民主党、日弁連、共産党の憲法論 )

2022-04-10 13:54:23 | 徒然の記

 今回は、共同通信社の2件目の記事です。  

 〈 2.   3月29日 「立民〈憲法集会〉を初開催」 〉

 記事を読んで、何が書いてあるのかを理解できる読者は、ほとんどいないはずです。「ねこ庭」で憲法改正を何度も取り上げてきた私でも、何がどうなっているのか。記事からは、正確に読み取れません。

 自民党が提案する衆議院の「憲法審査会」に、野党は出席を拒否していますから、自民党は「九条」を引っ込め、別件を出し野党の歩み寄りを求めました。主眼は九条の改訂なのに、いつの間にか「緊急事態発生時の議員任期延長問題」や、「緊急事態を判断するのは、首相か内閣か国会か」と、別の問題にすり替わっています。

 仕事に忙しい多くの読者には、おそらく分からないだろうと思いつつ、3月29日の記事を紹介します。書き出しの文章です。

 「立憲民主党憲法調査会は28日、党が掲げる〈論憲〉に理解を求める対話集会を、オンラインで初めて開いた。」

 ここだけ読みますと、立憲民主党には「憲法調査会」が党内にあり、前向きに議論しているように見えます。コロナ下なので、オンラインを使ってまで集会をしていると誤解します。

 衆議院での改憲論議を「一切不要」と否定しているのは共産党ですが、後ろ向きなのが立憲民主党と公明党です。同党の奥野総一郎氏が、改憲について記者たちに質問され、渋々答えていました。

 「今は緊急時だから、国民の関心も高い。」「なかなか背は向けられない。」

 審議拒否を続けている訳にいかないという姿勢を、やっと示した程度です。次に続く記事が、相変わらず同党を誤解させます。

 「憲法は国家権力を縛るために制定されたとする、立憲主義に基づき、」「憲法を論議する〈論憲〉の姿勢を説明。」「自民党主導の改憲論議を、牽制する狙いがある。」

 立憲民主党の憲法解釈は、自由な討議を国会でしようとする自民党の提案を否定するものです。この解釈を前提にする限り、共産党と同じで「改正論議は一切不要」と拒絶することになります。だが共同通信社の小さな記事で、読者はそのようなところを読み取れません。

 「自民党主導の改憲論議を、牽制する狙いがある。」という 1 行で、同党のかたくなな姿勢を説明したつもりなのでしょうが、「女系天皇」の報道と同じ説明不足の記事です。共同通信社は、立憲民主党を支援しているつもりなのか、枝野幸男氏の意見を伝えています。

 「民主党政権で官房長官として、東日本大震災や東電の福島原発事故に対処した経験を振り返り、」「憲法の縛りによって、したいと思ったことで、できなかったことは一つたりともなかった、と強調。」「自民改憲案4項目の、緊急事態条項の新設は不要との認識を示した。」

 憲法の縛り以前に、原発事故の際、枝野氏は出すべき情報を公開せず、事故処理を遅らせ、被害を拡大させ、国民を混乱させた人物です。原発事故を前にして、「慌てないでください」「落ち着いてください」としか発表できかった無能な官房長官に、憲法を語る資格があるのでしょうか。

 避難する住民を収容する大型施設の即時解放や、住民救出のための自衛隊の緊急出動など、政府としてやるべき決断を何もしていないのですから、憲法の縛りに抵触するはずがありません。

 あの時国民がどんな思いで事故を見つめ、津波に飲まれる人々の映像に胸を潰していたか。知らない共同通信社でないはずなのに、国民が忘れているとでも思っているかのように、枝野氏を助ける記事を書きます。

 「自民党を念頭に、〈憲法は権力を縛るルールだ〉〈権力を持つ側が改憲を訴えるのは、好き勝手にさせろ〉と、言っているに過ぎないと批判した。」

 この叙述が、記事の最後に来ています。立憲民主党の議員は判で押したように、〈憲法は権力を縛るルールだ〉と言います。彼らは政府を権力としてだけ捉え、国民に対立する壁でもあるかのように語ります。巨大な権力を持つ政府が、弱い国民を勝手に支配しないように縛るのが、憲法であると考えています。

 息子たちと、「ねこ庭」を訪問される方々に、興味深い事実を紹介します。

 〈 日本弁護士連合会  ( 日弁連   ) による「憲法」の説明 〉

 「憲法は、国民の権利・自由を守るために、国がやってはいけないこと(またはやるべきこと)について国民が定めた決まり(最高法規)です。」

 「国民が制定した憲法によって、国家権力を制限し、人権保障をはかることを〈立憲主義〉といい、憲法について最も基本的で大切な考え方です。」

 「国民の権利・自由を守るため国に縛りをかけるという役割をもっている憲法が、簡単に変えられてその縛りが緩められてしまうようでは困りますから、通常、立憲主義の国では、憲法を変えるには、普通の法律を変えるより厳しい手続が必要とされています。」

 共産党が支配する日弁連は、国内最強の反日左翼団体の一つで、国連を舞台に中国、韓国政府と手を組み、日本攻撃活動をしています。「南京事件」「慰安婦問題」「徴用工題問題」「女性宮家問題」などを、国連人権委員会で提起し批判、攻撃しています。

 つまり立憲民主党は、日弁連と同じ憲法解釈をしている党です。ということは、共産党と同じ考えの党だということになります。偏ったブログにしないため、次回は法務省による「憲法」の説明を紹介します。

コメント (6)
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