共同通信社による、画期的な「両論併記」の続きです。
〈 小谷哲男教授の意見 〉
・法が制定された背景には、世界の警察官役から手を引こうとする米国を、引き止める必要性があった。
・米国が攻撃されても日本に守る義務がない「安保タダ乗り」論に、反論できる土台にもなった。
・数年内に起こると言われる、台湾有事への備えにも重要だ。
・米艦防護が可能となり、戦闘機への給油もできる。日本の領域外でも、支援ができるようになった。
・「切れ目のない対応」を掲げる安保法も、完璧ではない。昨年8月のアフガニスタンからの邦人輸送は、他国に遅れた。
・中東で民間船を守る護衛艦の派遣には適用できていない。
・台湾有事となれば、沖縄の米軍基地は当然ターゲットとなる。
・ウクライナ侵攻を見て中国は初期段階で、台湾や日本にある米軍基地をミサイルで破壊する必要性を得たはずだ。
・国際秩序は大きく変動している。安保法で認められたのは、限定的な集団自衛権だ。必要最小限の自衛力しか使えない。
・ロシアや北朝鮮の脅威を前にして、集団的自衛権を完全に行使し、日本を守るには憲法を改正することが望ましい。
小谷氏の紹介が長くなったのは、氏が具体的な事実を語っていたからです。植村氏の意見は、左傾の人物らしく紋切り型の抽象論のため、取り立てて紹介する内容がありません。「アメリカの戦争に巻き込まれる」と言うのは、61年前の安保騒動の時からのスローガンです。あの頃は、多くの若者がこのスローガンに熱狂しました。
しかし現在は、国際情勢を見れば分かるとおり、「アメリカの戦争に巻き込まれる」のでなく、中国、ロシア、北朝鮮の挑発を受け、日本が戦争の当事者になりつつあります。巻き込まれるのでなく、日本の戦争ですから、米軍の協力無しでは国が滅びます。小谷氏が米軍と戦う必要性を語るのは当然ですし、自衛隊の手足を縛る憲法を改正しなくてならないという意見も、危機感の現れです。
植村教授の抽象論は、使い古された左翼のスローガンで説得力がなく、危機感も色褪せています。ここで、両氏の意見より、もっと民意の力を感じさせる情報を3つ紹介します。
〈 1. 朝日新聞ネット 〉
「国民民主党が、憲法改正について議論する衆院憲法審査会の運営について、今国会から自民党が中心の「与党側」の幹事懇談会に参加することがわかった。改憲に向けて、自民党や公明党との共同歩調を強める。」
普段の朝日なら、口をきわめて国民民主党を批判するはずなのに、事実だけを伝えています。突然変異かと、目を疑いたくなる記事ですが、民意の力は共同通信社だけでなく、朝日新聞も変えようとしているのでしょうか。
〈 2. HUFFPOSTネット 〉
「国民民主党の玉木雄一郎代表は、11月7日、公式Twitterで「憲法の議論をするだけで袋叩きにするようなスタイルが、忌避されていることに気づかないと、野党が多くの国民、特に若い世代に支持されることはないでしょう」と、他の野党に対して、憲法の議論をすることの必要性を訴えた。
去年までだったら、口に出せない言葉です。立憲民主党や共産党は、「国民民主党は、自民党の補完勢力になった」と酷評していますが、「女性宮家」に賛成している国民民主党は、間違いなく反日左翼政党の仲間です。
〈 3. FNNプライムオンライン 〉 ( 維新の会 吉村氏の談話 )
「われわれ、維新の会は改憲勢力、改憲について賛成の立場だ。ただ、憲法改正は自民党が本気にならないと、憲法改正の国民投票までは絶対にたどりつかない。」
「自民党は憲法改正を党是と言いながら、実は、単に一部の保守層のガス抜きのためにやっているようなもの。実際本気で憲法改正をやろうと思ってないというのが僕の考え、見立てだ。」
「本気で自民党が憲法改正をするというのであれば、われわれも本気で付き合うが、単に自民党のやるやる詐欺に付き合うつもりはない。スケジュールを決めることをしっかりやらないと成り立たない。井戸端会議になる。」
「これまでずっと議論してきたわけで、自民党も維新の会もそれぞれ憲法改正の項目は出している。例えば、来年の参議院選挙に国民投票をやるというスケジュールを決めて、その先でもいいが、スケジュールをきちんと決めて、そこから逆算してやっていこうということを自民党はやらない。」
「結局、全員の合意がない限り進めるのはやめましょうというのが、基本的に自民党の姿勢。憲法改正について国民はまだ一度も国民投票をしたことはない。大阪では大阪府と大阪市を1つに合体させて、東京のような都政を敷くという大阪都構想を実現させるために住民投票を2回やった。われわれは死ぬ気で、必要だと思ってやってきた。」
「この死ぬ気でもやる覚悟が、自民党の憲法改正にはない。(改憲論議を)後押しできたらいいと思うが、ただこれは本当に自民党の本気度、そこをぜひ知りたい。」
強烈な自民党批判ですが、私の気持ちを代弁しています。国民の負託を得て、安定多数を確保しているのに、自民党議員諸氏には覚悟が見えません。右顧左眄し、辺りの様子を伺うだけで、国民の願いを叶えようとする本気度が見えません。
しかし維新の会の「大阪都構想」と、沖縄を独立させれば良いという橋下氏の意見に疑念があり、同会を保守党として考えるにはまだ時間がかかりそうです。
民意の力の動きと国民の審判の力が、日本を変えている状況を伝えるため、3つのネット情報を紹介しました。明日から、また江畑氏の書評へ戻ります。
国民民主は今までとは違い、「与党側」の幹事懇談会に参加することからしても、改憲に前向きな姿勢に感じます。
玉木氏自身も、「憲法の議論をするだけで袋叩きにするようなスタイルが、忌避されていることに気づかないと、野党が多くの国民、特に若い世代に支持されることはない」と、「従来型野党」に苦言を呈しています。
たしかに同氏がおっしゃる通り、野党もマスメディアも、「憲法の議論をするだけで」ヒステリックに「袋叩き」にするような傾向にあると思います。
が、これまでの同党の経緯を見ると、これらの発言も額面通りに受け取れない感がありますし、「脱・従来型野党」の路線に舵を切ったのも、掌返しに思えてなりません。
だから私自身も国民民主には何の期待もしていませんし、信用も支持もしていません。
それよりも刮目すべきは、維新の会・吉村氏の自民党への痛烈で辛辣な苦言だと思います。
おっしゃる通り、自民党は「本気で憲法改正をやろうと思ってない」と感じますし、「スケジュールをきちんと決め」ることも、本気度も感じられません。
「やるやる詐欺」というところは、自民党の本質をついていると思います。
実際、自民党は野党にそっぽを向かれないよう、テーマを「9条」から別の無関係の問題に置き換えるくらいです。
吉村氏の言葉通り、スケジュールをしっかり決めなければ、「井戸端会議」になってしまうだけです。
こうした批判の声を、岸田総理はじめ自民党諸氏はどうお感じなのでしょうか。
こうした苦言は、しっかり自民党に届いているのでしょうか。
そして自民党も、どれだけ「本気」で改憲しようと取り組んでいるのでしょうか。
における成田あいるさんのご見解には基本異論があり
ませんので、ここは国民民主党や日本維新の会につい
ての 芳しくないメディアの取り上げに触れたく思います。
安保法制の支持不支持、両論併記の共同通信や、国民
民主党見解に批判を差し挟まなかった朝日新聞やその
息がかかっているとされる HUFFPOSTの記事にし
ましても、最後はやはり購読量や視聴率を気にして
の風見鶏的配慮からではないかと 拙者などは愚考
する者です。
国民民主党と日本維新の会の姿勢変化を信じられる
レベルではないとのご見解も同意ですが、少なくとも
そうした所の露骨な批判を控えた辺りには、やはり
前述の配慮を感じない訳には参りません。
朝日は戦中の好戦的取り上げにつきましても「経営
も考えなければならなかった」などとの弁明をして
いる様ですが、形こそ違え 今回の事共もそうした
所が感じられてならない気がしている所です。国民
民主、日本維新の両会派の政見が、以前より国民的
支持を得そうとみた為に こうした記事を発したも
のと心得ます。著しく信頼性を損ねるは勿論ですが。
「憲法の議論をするだけで袋叩きにする」
戦後77年間、反日野党は、マスコミや学者たちとともに、「改憲論」を口にする人々を攻撃してきました。俄に国民民主党を信じる気になれないと言うご意見に、賛成します。
人でも、政党でも、信じるまでには時間の積み重ねが必要です。最初は風見鶏と見えても、風雪を耐えて不変であれば、本物です。
自民党は「憲法の議論をするだけで袋叩きにされる」側で、戦後77年間その最前線にいました。
臆病さはその裏返しで、自民党が見ているのは「民意の本気度」ではないでしょうか。俄にそうなっているだけの話なら、いつ何時変身されるかと言う不安があると思います。
維新の批判と同じく、私も自民党の「本気度」を厳しく言いますが、少し時間の助けもいるだろうと、一方ではそんな気持ちがあります。
自民党の本気度を高めるには、私たち国民も「本気度」を見せなくてなりません。頑張りたいと思います。
コメントをありがとうございます。感謝します。
メデイアの姿勢に関する貴重なご意見に賛同いたします。
「最後はやはり購読量や視聴率を気にしての風見鶏的配慮からではないかと、拙者などは愚考する者です。」
その根拠として、戦後の朝日新聞がした、信じられないほどの、情けない弁明を紹介されています。
「朝日は戦中の好戦的取り上げにつきましても〈経営も考えなければならなかった〉などとの弁明をしている様ですが、形こそ違え 今回の事共もそうした所が感じられてならない気がしている所です。」
社会の木鐸、弱者の味方と、大見得を切る朝日新聞社の実態を見せるたが二つの弁明でした。
1. 戦時中の好戦的記事への弁明
2.ペテン師吉田清治の記事取り消しへの弁明
( 別に、沖縄珊瑚礁のやらせ記事で、朝日の社長が辞任した時の弁明があり、本当は3件ですが、2件にしています。)
ご意見に賛同します。反日野党の変化同様、マスコミの変化につきましても、信じられるようになるには、時間の積み重ねが要りますね。
ウクライナを侵略するロシア、台湾と尖閣を狙う中国、盛んにミサイルを日本近海へ飛ばす北朝鮮。
この危機を前に、「憲法改正」の正論が言えないようでは、政党もマスコミも、国民のことを考えているとは言えないでしょう。
コメントを有り難うございます。