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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

最後の蒸気機関車たち その96 2007年6月 大井川鉄道1

2015年03月25日 | 最後の蒸気機関車
最後の蒸気機関車たち その96 2007年6月 大井川鉄道1
The last steam locomotives in Japan. No. 96 (June, 2007), Oigawa Railways.

1975年12月に、定期運行する蒸気機関車牽引の列車はなくなった。その後の蒸気機関車を見るためには、各地にある「静態保存」・「動態保存」のものか、何ヶ所かのイベント等の運行を見るしか方法がない。前にも記したが、私はこういった保存された機関車を見に行くのは好まない。野生動物を見るのに、サーカスや動物園へ行くのは邪道というもの、ましてや剥製に等しい「静態保存」などは、悲しい存在でしかない。
 定年ごろに、全国の未乗車の鉄道路線を乗り潰した。その過程でいくつかの「生きている」蒸気機関車に出会った。そのころ鉄道に乗るために訪れたのであって、蒸気機関車に会うために訪れたことは一度もなかった。行ってみて、ちょうど機会があれば乗ったり、見たりした。以下数回はそのような「最近」の記録である。

 2007年、大井川鉄道(鉄は正しくは旧字鐵)へ乗車のために訪れた。東海道本線金谷駅に接続するこの鉄道は、千頭までの大井川本線39.5kmと、そこから先井川までの井川線25.5kmから成る。地図で見ると一続きだが、両者は全く別の線として機能している。規格が違うので通しの列車は無いし、料金も通しではなく別に計算して足したものになるそうだ。国鉄の蒸気機関車が運行をやめた1975年の次の年に蒸気機関車の動態保存を始め、現在も複数の機関車が在籍している。
 この線を乗り潰すのは簡単そうにみえるが、意外にてこずった。終点まで行ってくるには時間がかかるので、東京からも名古屋からも日帰りが困難なのだ。しかも、山崩れの危険があってしばらく運行をやめていたから、乗り潰しの中でも、比較的後まで残ってしまっていた。
 結局2007年に機会があった。このときは、東京から金谷へ向かった。ちょうどいい時間の蒸気機関車牽引の列車が利用できた。駅で井川までの切符を購入すると、「井川まで行ってくると、東京には帰れませんよ」という親切な注意があった。私は調べて知っていたから、もちろん了解した。
 ホームで列車を待っていると、電気機関車に牽引されてやってきた。古そうな機関車なので、後で調べて見ると昭和24(1969)年から使われているものという。


507 大井川鉄道の電気機関車 2007.6.1 E10-1 金谷駅
Electric Locomotive E10-1 of Oigawa Railways, Shizuoka Prefecture. Kanaya Station 2007.6.1

 間もなく発車。ここからは蒸気機関車を先頭に茶畑の中を軽快に走っていく。


508 大井川鉄道の蒸気機関車牽引列車
Train of the Oigawa Railways.

 対向列車は電車であるが古い形式のもので、そちらに興味のある方も多いだろうが、私はあまり知らない。


509N 大井川鉄道の電車


510 同上
509-510 Old electric trains of the Oigawa Railways

 このように、大井川鉄道は蒸気機関車ばかりではなく、電車など各種車両を現役として使いつづける貴重な線なのである。

2020.6.24 写真509を入れ替えた。番号の後に「N」が付いているのが改善した写真。

Trivial database of a retired curator, OK.

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