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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

最後の蒸気機関車たち その97 2007年6月 大井川鉄道2

2015年04月05日 | 最後の蒸気機関車
最後の蒸気機関車たち その97 2007年6月 大井川鉄道2
The last steam locomotives in Japan. No. 97 (June, 2007), Oigawa Railways.

 蒸気機関車の牽く列車内は、子供たちも多くてにぎやか。乗員による解説や記念品の販売などもある。
 列車は千頭に到着。乗客が機関車前で記念写真を撮る。私も撮影。


511N 大井川鉄道 2007.6.1 C10-8 千頭駅
511 Steam locomotive, C10-8 of the Oigawa Railways at Senzu Station.

 C10型機関車は、国鉄で昭和5年(1930)から使い始められた小型機関車で23両作られたが、C11型に置き換えられて、1962年までに廃車となった。この8号機も一度廃車となったが、岩手県宮古市のラサ工業でしばらく使われ、その後大井川鉄道に譲渡されたという。このラサ工業、肥料を中心としていろいろな鉱産物などを扱う会社で、ラサというのは沖大東島の別名。沖縄県に属する(といっても、琉球列島からはるかに東に離れた)無人島で、島全体がリン鉱石でおおわれていて、かつて大量に採掘された。現在もこの島はラサ工業の所有だという。そういえば、2013年9月に南大東島の「砂糖列車」を観光的に再開する、という新聞記事があった。それができたら、訪れるのはずいぶんむつかしそう。研究しておこう。
 そんなわけで、この「最後の蒸気機関車」シリーズの扱う期間には、すでに国鉄のC10型はなかったから、登場しなかった。後継機のC11との外見上の大きな違いは排煙板がないことであるが、置き換えられた理由は、C11は軽量化されているために、条件の悪い支線にも入ることができとこと。

512N 大井川鉄道 2007.6.1 C10-8 千頭駅
512 Steam locomotive, C10-8 of the Oigawa Railways at Senzu Station.

 千頭駅で井川線の列車に乗り換える。ここの見ものは、日本で唯一のアプト式の鉄道の部分である。井川線がダムの建設で大幅に路線変更を余儀なくされた時に、急傾斜に対応するために作られた部分がアプト式になっている。信越本線に1963年まで存在したが、その後1990年に井川線のアプト式の設置まで長い間日本にはアプト式などのラック式鉄道はなかった。ちなみに、横川の碓氷峠鉄道文化むらには「あぷとくん」なる園地内鉄道があるが、アプト式ではない。
 井川線全部がアプト式なのではなく、途中の「アプトいちしろ」から「長島ダム」までがそうなっていて、この部分専用の電気機関車が麓側に連結される。電化されているのもこの部分だけで、他はディーゼル機関車が牽く。 

513 大井川鉄道 2007.6.1 アプト式機関車の接続
513 Apt system of the Oigawa Railways

 機関車を付けるところを撮りに行くと、親切に見せてくれる。中央のラックレールは、私としては初めて見るもので、物珍しい。

2020.6.24 写真を入れ替えた。番号の後に「N」が付いているのが改善した写真。

Trivial database of a retired curator, OK.

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