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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

1998年のニュージーランド研究旅行 その18 テパパの収蔵庫

2018年02月25日 | 昔の旅行
1998年のニュージーランド研究旅行 その18 テパパの収蔵庫
Research Visit to New Zealand, 1998. Part 18  Storage room of the Te Papa Museum

 空港から到着した20日の午後は、おせわになった学芸員の案内でバックヤードを見学した。鯨類化石は余り保管されていなかった。」

18-1 ヒゲクジラ類の頭骨化石 種類不明 1998.2.20.
A fossil of mysticete skull

 この鯨は、おそらくナガスクジラ科のものである。眼の位置の頭部中央が高くなっていること、外鼻孔の位置、吻部の比率どれをとっても、私の興味あるような古いタイプのヒゲクジラではない。時代を聞きもらしたが。中新世だろうか。
 現生の鯨の興味深い標本として、ヒゲ鯨類の胎児の骨があった。

18-2 ヒゲ鯨類胎児の頭骨吻部 腹側 1998.2.20.
Rostrum of a embryo of a mysticete

 この仲間では、初期に上あごの内側に歯の原基ができ、それの入る骨の溝が見られる。生れる直前ごろにその溝が広がって消失していく。その途中を示す貴重な標本である。

18-3 コセミクジラ頭骨 1998.2.20.
Skulls of pygmy right whales

 コセミクジラは南半球に生息するが、個体数は少なく、従って標本を見ることは難しい。この博物館には世界で一番多くのコセミクジラの骨が保管されている。特徴は下あごの骨で、他のヒゲ鯨のような棒状ではなく、ヘラ状に広がった特別な形をしている。

18-4 鯨類骨の保管室 1998.2.20.
Storage room for cetacean bones

 鯨類など大型の骨が保管されるので、大きな移動棚が設置されている。開館したばかりなので、まだまだ余裕がある。
18 Key words Wellington National-Museum Tepapa Cetacea Extant Fossil Mysticete Embryo Teeth Vanish Pygmy-Right-Whale Moving-shelf ウェリントン 国立博物館 テパパ 鯨類 現生 化石 ヒゲ鯨 胎児 歯 消失 コセミクジラ 移動棚

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