写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

冬の暮れ

2004年12月05日 | 季節・自然・植物
 暖かい日の夕方、車で買い物に出かけての帰り道、市役所前の大きな通りを西に向かって走っていた。

「あっ!山が燃えてる」

 眼を凝らした。正面遥か向こうの山の端が、茜(あかね)色に燃え上がっている。

 冬の暮れは、秋にも増して陽が落ちるのは早い。5時を前に、夕日と今日はこれでひとまずお別れだ。

「じゃ、またあした」
短い別れの挨拶にしては、少し大げさな冬の暮れだった。
  (写真は、市役所前からの茜空)

針金自転車

2004年12月05日 | 生活・ニュース
 小学校の低学年の頃だった。夏休みのある晩、遠くにある隣町の学校で「映写会」があった。

 買ってもらって間もない中古の自転車に乗って、友といそいそと出かけた。見終わって外に出た。あるはずの自転車がない。

 泣きべそをかきながら、主催者の先生に連れられて家に帰った。まだ、自転車が大人にとっても貴重品の時代だった。

 10年も前、横浜の山下公園で針金細工の自転車を作っている芸人を見た。その時の記憶をたどって、私も小さなものを作ってみた。

 針金を曲げているとき、遠い昔、自転車を盗られた日の親父の優しい顔を思い出した。
(写真は、手作り針金自転車)

乗り過ぎ

2004年12月05日 | 季節・自然・植物
 昨夜、忘年会をやった後遺症で、遅く起きた今朝、日経新聞で面白い広告を見つけた。

 サントリーの「モデレーション(適正飲酒)広告」である。1986年から始まったそうで、過去の秀逸な作品がいくつか掲載されている。この写真は、1997年のものである。

「乗り過ぎた忘年会。」と銘うって、

「せっかくの忘年会。乗りがわるくては、意味がありません。
ただ、問題は乗り過ぎの場合です。飲み過ぎ、泥酔、記憶も
  どこへやら。ここはどこ、私は誰になりかねません。
   ほどよい酒、ほどよい乗りで、よい忘年会を。」

と書いてある。
 
 皆さん、乗りすぎてこの写真のおじ様のようにならないよう、くれぐれも気をつけてお召し上がりあそばせ。
 ♬遠くへ行きたい♬ おじ様以外は・・・私も反省しきり。

(写真は、12月5日の日経新聞広告)