☆・。.・☆写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 愛犬のハートリーと共に瀬戸内の岩国から…… 茅野 友

カヌー三昧

2017年08月31日 | スポーツ・山登り・釣り・遊び

 数日前、岩国時遊塾のメンバーのUさんから「カヌー遊びをしませんか」という誘いを受けていた。2年前に、初めてカヌー遊びに連れて行ってもらったことがあり、「是非、また連れて行ってください」と約束をしていた。

 Uさんは、学生時代にはヨット部で腕を鍛えていたが、40代に入ってからは川遊び用のカヌーを買い、退職後も時に遊んでいるアウトドアー派の男である。朝10時、約束していた錦帯橋の河原で落ち合い、車を走らせて錦帯橋の上流18㎞にある川の流れが緩やかで波の立たない瀞場に着いた。

 河原に荷物の一式を運び、さっそくカヌーを組み立てる。とは言ってもこのカヌーは、インフレータブルカヤックといい、空気を入れて膨らますタイプのカヤックなので、電動や、足踏みの送風機で空気を送って膨らませる。二人乗り仕様なので結構な時間がかかった。

 川の向こう岸は断崖になっているが、20mくらい上には錦川清流線が敷設されており、時折走るディーゼルカーが観光客用に速度を落として走る風光明媚な場所であった。組み立てが終わると、まずは私が一人乗って漕ぎ出した。まるでミズスマシのようにすいすいと滑るように進む。清流錦川は、名の通りあくまでも透明で川底までよく見えるが、アユは見えない。

 川を上ったあと下っているとき、ちょうどディーゼルカーがやってきて速度を落とす。手を振ると乗客も手を振ってくれて交歓した。Uさんと交互にカヌーを楽しんだ後、ノンアルコールビールを飲みながら昼飯のむすびをほお張った。

 年甲斐もなく久しぶりのカヌーでの川遊びであったが、川の水温は浅瀬ではぬるいものの、深い所はもう冷たい。そういえば今日はもう8月の終わり。明日からは9月。錦川も秋の色が少しずつ濃くなり始めているようだ。 

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問 診

2017年08月30日 | 生活・ニュース

 3カ月に一度、広島の病院へ定期検診で通っている。朝7時に家を出発し、8時半に採血をすませた後、2つの科で診察をしてもらう。その間、待合室で新聞を読んだり、スマホを見ながら順番を待つが、予約時間通りに診察を受けることは少なく、いつも30分から1時間ばかりは遅くなる。

 待合室はどこも高齢者でいっぱいだ。最初の科の待合室に座っているとき、車いすに乗った私と同年配の男が、娘さんであろうか、よく似た女性に押されてやってきた。初診であろう、看護師さんが診察室の前でバインダーに挟んだ問診票を手に問診を始めるのが聞こえる。

 いろいろ聞き始めた中で「仕事を始めたのは何歳からですか」「16から」「どんなお仕事でしたか」「旋盤……、鉄工所に勤めとった」「その間、有機溶剤を取り扱ったことはありませんか」「……」「分からなければ結構ですよ。お酒は飲んでいますか」「今は飲んでいない」「昔は飲んでいたのですか」「飲んどった」「何歳から飲んでいましたか」「16から……」。「!!!、どのくらいの量ですか」「ビールを5本くらい」。

 待合室に座っている人は、聞こえないふりをしながら皆さん笑いを押し殺している。問診をしている看護師さんも少し戸惑った様子で、周りを見回しながら苦笑いしている。この患者、見たところは顔色もよく病人らしくは見えないが、足が悪いようであった。

 16歳から、お酒をたしなみながら働いてきたのであろう。問診とはいいながら、多くの人の前で正直に自分の経歴を話したが、問診の内容は個人情報であり、もう少し配慮した場所で聞いてあげる方がよいのではと思いながら、当の私も笑いながら聞いていた。16歳からお酒を飲んでも咎められない頃が、その昔、確かにあった。

 

 

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小さなボランティア

2017年08月28日 | 生活・ニュース

 出先から帰ってきて一休みをしていた昼過ぎ、電話のベルが鳴った。3年前に開設した岩国時遊塾のメンバーの一人である開業医のGさんからであった。Gさんは私より一周り若い。といってももう60数歳。時に平日の正午を過ぎたころ「今から伺ってもいいですか?」と電話をしたあとやって来る。

 午後の診察開始は2時半だといいながら、ちょっとした話のネタとナッツか何かコーヒーを飲むときのつまみを持ってきて、約1時間半ばかり、昼休みの雑談をして仕事に帰っていく。大きな体に似合わず小まめといおうか、小回りの利く話し好きの男である。

 迎える私はというと、新聞を切り抜いておいたりしてGさんが興味を引きそうな話題を常日頃から用意して待っている。かといって固い話ばかりではなく、スポーツ、芸能、アウトドア、DIY、旅行に地域の歴史と幅広い話で時間を過ごしている。

 Gさんが月に1回強、我が家にやって来る訳をきちんと質してみたことはないが、開業医とあれば仕事柄、日々の話し相手といえば患者と看護師どまり。院内では、笑いながらのバカ話などができる雰囲気はなかろう。そんな中、何の屈託もなくバカ話ができる相手として私が選ばれているということだと心得ている。

 この日やってきた理由は、分厚いガラス板の棚でできている本立てを持っているが、そのガラス板を支える金具が錆びているので、きれいに磨きたいが、どうすればよいかというものであった。支持金具を見ると、薄い鉄板にクロムメッキをしたものであるが、片面だけ錆がひどい。

 液体の錆落としで磨いてみるがきれいにならない。目の細かな800番のペーパーでこすってみると思いの外きれいになった。「この方法がいい」ということで、持ち込んだ30個くらいある金具と一緒に、提供した1枚のペーパーを持って帰った。

 今までにも数度、このようなDIYもどきの作業を持ち込んでくるが、都度結果で答えを出してきた。お医者さんは、病気は直せるがこんなことは私の方が上手。それぞれが得意を生かして生きている。こんなことも小さな小さなボランティアだと思い、頭と腕が錆びないように日ごろから準備をしている岩国時遊塾がある。

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他生の縁

2017年08月23日 | 季節・自然・植物

 銀行振り込みの手続きを済ませているにもかかわらず、後期高齢者健康保険料の第1期分が振り込まれていないとの督促状が届いた。市役所に電話をしてみると「第2期分からは銀行振り込みで、第1期分はコンビニなどで振り込んでください」という。

 支払期限は数日後に迫っている。夕刻、慌てて近くのセブンイレブンに出かけた。車を止めて入り口に近づいたとき、傘立ての陰で「ジィジィジッ」とうめくような小さな声が聞こえてきた。なんだろうと思いかがんでみると、セミが1匹這いつくばっている。

 振り込みを終えて店を出るとき、もう一度セミを見たが、飛び立つような素振りはなく、入るときに見たままの姿で少しも動いていない。拾い上げて裏返してみると、鳴くこともないまま手足をゆっくりと動かす。「こんな暑い所ではかわいそうだ。庭の涼しそうな草むらにでも置いてやろう」と思い車に乗せて連れて帰った。

 一夜明けた朝、新聞を取りに出たついでに、少し気になっていたセミの様子を見に草むらを覗いた。前日置いていた場所にそのままの状態で伏せている。そっと拾い上げ、左右に小さく揺すってみるが何ら反応はない。セミの手足を触ってみても動かない。死んでいる。

 このセミの最期にこそ立ち会うことはなかったが、「袖振り合うも他生の縁」とでもいおうか、孤独死したセミを菜園の隅にそっと埋めてやった。立ち上がって耳を澄ませてみたが、あれほどやかましかったセミの声も、遠くから1匹のツクツクボウシの声が聞こえるばかり。そういえば今日(23日)は処暑、「暑さがおさまるころ」となり、夏も終わりに近づいた。
 

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早すぎた見限り

2017年08月21日 | スポーツ・山登り・釣り・遊び

 夏の全国高校野球の熱戦が、炎天下、連日甲子園球場で繰り広げられている。見も知らぬ高校生がプレーする高校野球なのに、これほどまでに観る人を引き付ける理由の一つとして、最後の最後まであきらめない姿勢だと思っている。

 つい先日には、優勝候補であった大阪桐蔭が仙台育英との対戦で、守る桐蔭が9回裏2アウトのとき、1塁手が野手からの送球をベースを踏みそこねて同点とされ、直後逆転されて敗退した。桐蔭は勝利目前で敗れ去った。このような結末のことを「筋書きのないドラマ」とはよく言うが、育英はまさに最後まであきらめずに戦った結果であった。

 高校野球ではこんなことはよくあるが、プロ野球となるとリーグ戦でもあるし、選手は大人なので、序盤で大量点を取られたような試合や、相手投手の調子が抜群に良くて三振の山を築いているような日には、早々にあきらめムードが漂う戦いぶりが目につくことがある。

 ところが、昨夜(20日)のカープ対ヤクルト戦である。カープの若き岡田投手が5回に満塁ホームランを打たれ、7回にも追加点を入れられて5対1となった。カープの5番・松山は調子がよく、この日もホームランを打っていたが、4番・鈴木誠也が肝心な時に全く打てない試合が続いていた。

 そんな敗色濃い試合を我慢強くテレビ観戦していたが、7回が終了した時点でテレビを消して風呂に入った後、「そうはいってももしかして」とのかすかな望みを抱いてベッドに横になってラジオのスイッチを入れた。するとどうだろう。カープは8回の裏にホームラン2本を含む連打で同点とし延長戦に持ち込んだ。

 あとはまさに「筋書きのないドラマ」さながら、10回の裏、2アウト後、あの鈴木誠也が2塁打を放ち、それまで全く当たっていなかったエルドレッドがサヨナラヒットを打って大逆転でカープが勝利した。

 7回が終わった時点で、この日の試合を見限った私は、カープの選手の心に、高校球児のような純な最後まであきらめない精神が宿っていることに気が付かなかった。さすがカープの選手、高校球児に「最後まで決してあきらめないこと」を態度で教えてくれた試合であった。

 



 

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