写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

松巌院山門

2004年12月14日 | 旅・スポット・行事
 これが12月なのかと思うような暖かさ、空は抜けるような蒼。件の従順な愛犬を連れて、藤生にある臨済宗「松巌院」へ行った。

 人に訊きながらやっとたどり着いた。民家から離れた山の中腹に、隠家のようにひっそりと建っている。

山門をくぐると一面に、スギゴケが密生している。さらに進むと、そこに山口県指定文化財である庭園があった。

 平庭式枯山水と池泉鑑賞式のふたつの庭園である。回遊散策が出来るようになっている。月渓和尚の作庭という。

「岩国にもこんなお寺があったのか」と思わせるような、瀟洒な庭園のある寺であった。

 山門に腰を下ろして来し方を見下ろした。院の庭園に劣らぬ瀬戸内の海が、紗を通して見ているかのように、遠く白く霞んで見えた。

 作庭もよし、自然もまたよし。両者を同時に堪能できた。
(山門から見る瀬戸内海)