写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

落ち葉焚き

2004年12月18日 | 季節・自然・植物
 今朝は、吐く息が白くなった。あんなに茂り、美しく紅葉した庭の花水木も今はすっかり葉を落とし、大量の落ち葉が幾重にも重なり合っている。

 今年の仕事を無事終えたと、無言で語っているようだ。正月を控え、足の踏み場のない庭を、大掃除することにした。

 一輪車で何回も運び出し、バーベキューコンロの上で火をつけた。枯れ葉はめらめらと燃え上がり、黒い羽根のように高く舞い上がる。

 水と炭酸ガスと光から生まれた葉っぱは、また水と炭酸ガスになって昇っていった。山盛り何杯もあった枯れ葉は、今やあとかたもなく我が庭から消えてしまった。

 自然界の輪廻転生を思いながら、しばし立ち昇る青い煙を見ていた。「あっ、この残り火で芋を焼こう」食い意地の張った、うつせみの私に帰った。
   (写真は、立ち昇る煙)