写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

良いお年を!

2008年12月31日 | 生活・ニュース
 このブログにいつもお立ち寄りいただきました皆さん、1年間本当にありがとうございました。コメントに励まされながら書き続けることが出来ました。

 来年も、こんなエッセイですが、楽しいことを見つけながらまた書いていきたいと思っています。

 皆さんにとりまして、来年はより輝かしい年となりますよう願っています。どうぞ良い年をお迎え下さい。

 これを書いている今、「カッチカッチ」と拍子木の音が聞こえてきました。毎年年の瀬の3日間、地元の消防団が夜回りをしてくれています。

 今年も気が付かないところで、いろいろな人たちが社会を支えてくれていたことに気付かされます。

 来年は私も、ほんの少しでもいい、地域社会の支えとなるようなことにもう少しまじめに取り組んで行きたいと思います。

 それにしても今見ている「NHK紅白」、見ていても知っている歌は殆んどありません。それでもチャンネルは紅白。長年の生活習慣病でしょうか?

 あと3時間で2009年。「希望を失った時に人は老いる。希望の光を捉える限り人は老いない」と言います。来年に大きな希望をもって、除夜の鐘を聞きたいものです。

 もう1度、みなさん良いお年を!
  (写真は、静かな大晦日の「吉香公園」)

あとは大晦日

2008年12月30日 | エッセイ・本・映画・音楽・絵画
 日ごろの怠慢がたたり、連日体力勝負の年末の大掃除がやっと終わった。私の担当は家の内と外回りの清掃だ。

 外壁の洗浄、花水木とケヤキの落ち葉の掃除と枝の剪定。2階寝室と書斎の掃除。すべてのガラス窓の拭き掃除。徹底的なトイレ掃除。

 風呂場のタイルの目地の汚れは、ここ数年来の解決困難な課題であったが、今年は新規に導入した高圧洗浄機でやってみると、新品同様の真っ白い目地に変身してくれた。これには驚くばかりであった。

 ハートリーも正月用の髪型にトリミングもしてもらい、今までと違っていいとこのお坊ちゃんのような顔をして、動きも気持ち上品にふるまっている。

 奥さんも帰ってくる二人の息子たちのための用意は、尽きることなく今も何やらやっている。「無償の愛」を、また目の前で見せてくれる。

 年末の力仕事が一段落すると、私には大きな別の仕事が待ってくれている。岩国エッセイサロンの会員の、この1年間の活動の集大成である同人誌「花水木」第3号を編集し、年明け早々に印刷屋へ持っていき、製本をする仕事である。

 会員は19名、今年の新聞投稿掲載数は104編。昨年の78編に比べると大きく飛翔したことが分かる。会員の前向きな姿勢にただただ感心するばかりである。ページ数も昨年の150ページに対して180ページとなっている。

 一応仕上げたつもりの原稿を、年末年始の騒々しいテレビの音を聞きながら、もう1度最後の校正をやり、新年5日には印刷屋に持ち込むことにしている。

 今年で3回目の年末の作業。昔は思ってもみなかったが、年末の私の充実した時間がこうして過ぎていく。会員の皆さんの喜ぶ顔を想像しながら……。
  (写真は、出来上がった「花水木の原稿」)

トンネルの先

2008年12月26日 | 生活・ニュース
 暮れようとしているこの1年を振り返ってみると、「終わりよければすべてよし」の逆を行き「終わり悪ければすべて悪し」の感が強い。

 ねじれにねじれた政治、100年に1度と言われる大恐慌の経済、昨年より続く偽と首切りの社会。わずかに明るい学芸・文化・スポーツ界。

 新聞やテレビの報道は、暗いニュースはさらりと流し、もう少し明るいニュースを探し出して読者・視聴者に元気を出させる工夫はないものかと思う。

 そんなことを思っていた先日、錦川清流線に新しい車両がお目見えし、披露をかねて岩国から終点の錦町まで通常は1000円位のところをなんと100円でサービス乗車させてくれた。

 清流線が目の前を走る所に住んでいながら、自慢ではないが今まで1度も乗ったことがない。罪滅ぼしにもならないが、今回初めて乗ってみた。

 いつもは錦川をはさんで清流線と反対側の国道を走りながらカラフルな車両を眺めていたが、この日ばかりは車両に乗って走る車を眺めた。

 高い位置から見るからだろうか、日本一と称されている澄んだ錦川がより美しく見える。過去何度も見たはずの周りの景色も、見る位置が変わると全く違って新鮮に見える。

 車両の最後尾の窓から、後方に去って行く景色を見ていた時、ゴォーという音とともに真っ暗闇のトンネルに入った。

 幾つものトンネルに入るが、必ず抜け出して明るい陽が差す野原に出る。闇を通り過ごせば必ず明かりが戻る。山があれば谷がある。

 朝の来ない夜はない。冬来たれば春遠からじ。好景気もあれば不景気もあろう。大不況の今は、希望を胸にじっと闇を通り過ぎるのを待つしかない。

 突然「お父さん! さあ、お掃除!」。おっと、こんな感傷に浸る暇はない。昨夜から2階の大掃除を言いつけられていた。朝の来ない夜はない。年の瀬、奥さんから言いつけのこない朝はない。
  (写真は、錦川清流線の「トンネルの中」)

ドルチェ グスト

2008年12月24日 | 食事・食べ物・飲み物
 セブンイレブンに立ち寄り、あるものを買って出ようとした時、カウンターの端に可愛い形のものを見つけた。そばには「試飲希望の方はどうぞ」と書いてある。

 「まるでマジック! カプセル式”ホーム バリスタ”システム 好評発売中」と書いて「ドルチェ グスト」と名づけたネスレ製のエスプレッソ・メーカーを売り出していた。

 書いてあることが理解できない。カプセル式と云うのだから、コーヒーの挽豆がカプセルに入っているものをセットする方式のようだ。

 バリスタという意味が分からない。パンフレットを読むと「バリスタとはイタリア語でバール(bar)でサービスをする人という意味で、エスプレッソをいれる人のこと」と書いてある。

 この器械によりイタリアの街のバリスタがいれるような美味しいカフェ・ バラエティが、最大14気圧のポンプで抽出されて手軽に楽しめるという。

 さてそのバラエティはというと、レギュラーコーヒーはもちろんのこと、エスプレッソ、カプチーノ、ラッテマキアートの4種類のカプセルが別売されている。

 ラッテマキアートの試飲を申し込むと、愛想のいいお嬢さんがそのカプセルを器械にセットしてスイッチを入れた。

 スチームでなめらかに泡立てられたミルクに、コーヒーカプセルから抽出されたエスプレッソが注がれ始めると、店中にカフェの香りが立った。

 飲んでみてもおいしい。簡単・手軽・本場の味。イタリア旅行の自由時間の時、ふと立ち寄った小さなバールで飲んだエスプレッソの味を思い出した。

 この器械が欲しい。セブンイレブンでしか販売されていない。14,800円。新聞投稿の原稿料の積み立てで買えない額ではないが年金生活の身、「贅沢は敵」の根性が身にしみついていて、「買う、買わない、買う、買わない」と夜な夜な検討中である。そしてクリスマスイブ、我慢できなくて買いに行った。
  (写真は、キュートな顔立ちの「ドルチェ グスト」)

試 算

2008年12月23日 | エッセイ・本・映画・音楽・絵画
 この年末で「岩国エッセイサロン」の活動は丸3年となる。この1年間、毎日新聞・朝日新聞・読売新聞・中国新聞に会員19名のエッセイ掲載総数は現在でちょうど100編にも上っている。

 エッセイが新聞に掲載されると、各新聞社がどれほどの経済的な負担を強いられているのかを試算してみた。

 毎日新聞山口版の「はがき随筆」に1回掲載されたとする。文字数は250字だ。県内での発行部数は15万部。文字数の総計は250字*15万=3750万字となる。

 これを文庫本の冊数に換算してみる。250ページで500円くらいの標準的な文庫本は1ページ当たり約500字。1冊当たりで12.5万字。

 すなわち、1回掲載されると文庫本に換算して3750万字/12.5万字=300冊分を出版してもらったことに相当する。金額としては500円*300冊=15万円となる。

 同じように中国新聞の「広場」に1回掲載されたとする。文字数は500字。発行部数は70万部。文字数総計は3億5000万字。文庫本に換算して2800冊。金額としては140万円にも相当する。

 こんな計算をしてみると、「投稿したエッセイが今日の新聞に載ったぞ」と単純に喜んでばかりおれないような気持ちになった。

 あくまでも文庫本として出版した場合のことではあるが、新聞社に多大な費用を負担してもらっていることがよ~く分かる。

 費用のこともさることながら投稿者としては、大量の文庫本を出版したことにもなっている。たった1回の掲載でこの金額・冊数である。5回・10回もの掲載となると、家が建つほどの金額になる。

 今夜からは各新聞社の方に足を向けては寝られない。中国新聞社は東の広島、その他は西の福岡。とすれば北枕ではまずいし、今夜からは南に枕を置いて寝るしかないが、寝相に自信はない。
(写真は、毎日新聞250字の「はがき随筆」)