毎日新聞の月曜日、社会面の片隅に「週刊漢字 読めますか?」と題して、毎週3つの漢字が書きだされる。毎回、季節や時の出来事に合わせた漢字の熟語が問題として出される。今週は「遮蔽」「端居」「竹夫人」の3問であった。ヒントは電気を使わず暑さをしのぐ方法だと書いてある。
「遮蔽」は読める、しゃへい。覆いをすることで、すだれや緑のカーテンで日光を遮ること。「端居」は「はしい」と読むことを知った。縁側など家の端に出ていること。夕方や夜にうちわを手に涼むこと。さて「竹夫人」は、たけふじん? 答えを見ると「ちくふじん」と読むらしい。意味は抱き籠。竹製または籐製の抱き枕で、中が空洞なので風通しが良い。夏の季語と書いてある。見るも聞くも初めての言葉である。
暑い夏、毎夜裸に近い恰好でごろりベッドに転がって寝ているが、未だかつて抱き枕など使って寝たことはない。そんなものを見たこともない。どんなものなのか、興味を持ってもう少し調べてみた。
「抱き枕とは、枕の一種とされるが、抱くようにして使用する大型のものを指す。古くから世界各国に見られ、筒状の布袋に綿やスポンジなどの弾力ある素材を詰めたものがある一方、竹籠のように中空の筒状になっているものもある。
横向きになって足をもたれさせて使用する。これにより、下側になる足に上の足の重量がかかりにくいようにして寝ることができる。中空の抱き枕を利用することで、掛け布団と寝床の間に空気の通り道ができ、放熱が促されて涼しく快適に寝ることができる。添寝籠ともいい中国では古くから用いられ、宋代に俗に竹夫人と呼ばれた」と書いてある。
この暑くて寝ぐるしい夜、涼を得るために抱いて寝るための竹製の籠を「竹夫人」と名付けるとは、古の中国人にも粋な人がいたものだ。さて、今夜の私は何を抱いて寝るか。今の世相への不平や不満ではなく、小さな志でも抱いて休むことにするか。しかし、これでは暑さをしのぐことは出来ないなあ。