奥さんを園芸店に乗せて行った折、並べてある草花を眺めている時、我が家でもエコにつながる「緑のカーテン」をやってみようという気になった。
つる性の花といえば真っ先に朝顔が浮かぶ。何種類もの中から紙袋に入った2種類の朝顔の種を買って帰った。
2個の長方形のプランターに、袋の裏側に書いてあるとおりに土の中に2粒ずつ浅く埋め、たっぷりの水を与えておいた。
数日後の朝、「お父さんの朝顔の芽が出ましたよ」という。子供のころの夏休みの宿題以来、60年ぶりにしゃがんで観察してみた。
ほんのちょっと手助けしただけで、乾いた種から双葉が出てきた。小さくか弱い命をじっと眺めた。
それから3日後、埋めた種のほぼ全てから芽が出てきて5㎝くらいに伸びている。「間引いてやらないと…」との的確な指示が出た。
「間引きとは、苗を密植した状態から少数の苗を残して残りを抜いてしまう作業のこと。通常は弱いもの、細いものを抜き取るが、この作業を行わない場合、それぞれの植物はやせ細ってしまい、作物として使い物にならなくなる」とある。
言葉は知っていたが間引くという作業は初めての経験だ。「さてと…」と間引く苗を物色するのだが、せっかく生えてきたものを間引く段になると悩ましい。
「すまんな」とつぶやきながら、各々の2本ずつ出ている双葉の1本をそっと引っ張ると、少しの抵抗はあるものの仕方なさそうに素直に出てくる。
その根っこを見ると、長く細く白く伸びている。こんな小さなものが、今から生きていこうとして精一杯根を張っていたのに。他が強く生き残るために自らが去っていく。
今の世の中、どこの世界でもこんなことはある。しかし、今生き残ったものでさえ確実に明日があるかどうかは分からないが、去って行ったやつの分まで頑張ることが使命だと、昔間引かれた立場で言ってみた。
(写真は、間引いた「朝顔の双葉」)
つる性の花といえば真っ先に朝顔が浮かぶ。何種類もの中から紙袋に入った2種類の朝顔の種を買って帰った。
2個の長方形のプランターに、袋の裏側に書いてあるとおりに土の中に2粒ずつ浅く埋め、たっぷりの水を与えておいた。
数日後の朝、「お父さんの朝顔の芽が出ましたよ」という。子供のころの夏休みの宿題以来、60年ぶりにしゃがんで観察してみた。
ほんのちょっと手助けしただけで、乾いた種から双葉が出てきた。小さくか弱い命をじっと眺めた。
それから3日後、埋めた種のほぼ全てから芽が出てきて5㎝くらいに伸びている。「間引いてやらないと…」との的確な指示が出た。
「間引きとは、苗を密植した状態から少数の苗を残して残りを抜いてしまう作業のこと。通常は弱いもの、細いものを抜き取るが、この作業を行わない場合、それぞれの植物はやせ細ってしまい、作物として使い物にならなくなる」とある。
言葉は知っていたが間引くという作業は初めての経験だ。「さてと…」と間引く苗を物色するのだが、せっかく生えてきたものを間引く段になると悩ましい。
「すまんな」とつぶやきながら、各々の2本ずつ出ている双葉の1本をそっと引っ張ると、少しの抵抗はあるものの仕方なさそうに素直に出てくる。
その根っこを見ると、長く細く白く伸びている。こんな小さなものが、今から生きていこうとして精一杯根を張っていたのに。他が強く生き残るために自らが去っていく。
今の世の中、どこの世界でもこんなことはある。しかし、今生き残ったものでさえ確実に明日があるかどうかは分からないが、去って行ったやつの分まで頑張ることが使命だと、昔間引かれた立場で言ってみた。
(写真は、間引いた「朝顔の双葉」)