写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

雨に咲く花

2019年04月27日 | 季節・自然・植物

 久しぶりに朝から雨がしとしとと降り続けていた。2カ月前、思いがけず身体に異常が見つかり、春爛漫の桜の季節というのに、その対応で悶々とした日々を過ごした。


 色々なことがあったが無事に処置が終わり、ここ2週間は居間の安楽椅子に座り、今を盛りに咲き誇っている庭の紅白2本のハナミズキを眺めている。雨に打たれて、しっとりとしている花びらを見るのも風情がある。


 そんなハナミズキを眺めているとき、ふと昔歌っていた歌が口を突いて出てきた。
 ♪ およばぬことと諦めました だけど恋しいあの人よ

   儘になるなら 今一度 一目だけでも逢いたいの ♪

 私と同じ年であった井上ひろしが1960年にリバイバル曲として出した「雨に咲く花」である。甘いマスクと歌声で100万枚を売り上げた大ヒット曲である。水原弘、守屋浩とともに「ロカビリー3人ひろし」と言われていたが、1985年心筋梗塞のため44歳で逝去した。まさに雨に打たれて散る花のように、あっけない歌手生涯であった。

 そんなこんなで、今年は桜の季節を心から堪能することはできなかったが、それを補ってくれるかのように、樹齢30年の我が家のハナミズキが「見て見て」と言っているかのように雨の中で咲いている。

 平成も最後を迎える頃になって、私もやっと花を愛でる余裕が出てきたことがうれしい。そういえば今日から10連休。「そんなに休んでもいいのかな」と思うのは昭和の時代を生きてきた年配者だからか。この連休を使って、遠くから初節句の孫を連れて息子家族が帰って来る。

 私もぼんやりとハナミズキを見ているだけではいけない。納戸から兜飾りを取り出して、和室に飾って待っていてやろう。

 


「幸せな人」自費出版

2019年04月12日 | エッセイ・本・映画・音楽・絵画

 岩国エッセイサロンの会員である稲本康代さんが、喜寿を前にしてエッセイ・短歌集「幸せな人」と題した小冊子、B6版・72ページを初出版しました。

 岩国市で初めてのエッセイを創る同好会を2006年1月に創設したとき、稲本さんは当初から入会してくれている会員の1人です。以来13年余り、新聞や雑誌に短いエッセイの投稿活動を続け、今日までに投稿したエッセイの内、掲載された35編をエッセイ集としてまとめたものです。

 一方、20年の長きにわたって、短歌の会「草笛」の同人としても活躍されていますが、その間、詠われたものの中から、珠玉の短歌21首選んで同じ冊子に収めてあります。

 小冊子のタイトルである「幸せな人」とは、あとがきにも書かれている通り、35編のエッセイの内の1編のタイトルから取ったものです。執筆当時(2016年)、15年も前に亡くなったご主人の誕生日に、同級生の親友が線香を上げに来てくれたことから、遺影に「あなたは幸せな人だね」と語りかけたというエッセイによるものです。

 21種の短歌も。夫や家族・姉妹・親友・痛む膝や足・菜園や草花・旅・自らへのエールなど、幅広いものです。私が選んで掲載した1首は「いつまでも ママの娘です 書き置きて 吾子は嫁ぎぬ 6月の花嫁」という歌です。何ともいい母子関係がよく読み取れます。

 冊子の表紙の装丁も若草色で、その裏は淡黄色となっており、喜寿を前にした春らしい優しい1冊になっています。これでエッセイサロンから5人目の会員が自費出版をしたことになり、何とも目出度い春となりました。ぜひ手に取って頂き、稲本さんの優しい人となりに触れてみていただきたいと思います。
                   


ボケない小唄

2019年04月05日 | 生活・ニュース

 退職して数年が経った頃、年に1度、同期入社の懇親会を毎年東京で開催する旨の案内がメールで送られてきた。なにぶん遠路のため、今まで1度も出席をしたことはないが、毎回幹事が宴会の様子を写真で送ってくれる。

 今年も桜の季節に開催され、65人入社した内、関東地区にすんでいる9人が楽しそうに酒を酌み交わしている写真を送ってくれた。長い間会ってはいないが、何歳になっても、若いころの面影が残っており、1人1人が誰であるかはみんな分かった。

 メールの最後に、仲間の一人が持ってきて披露したという「ボケない小唄」「ボケます小唄」という2つの小唄が添付されていた。読んでみると、一つ一つに共感でき、まさにこんな生き方をしなければと思うことばかりが書いてある。以下に小唄を転載しますので、自分の生き方と比べてみてください。この小唄は「お座敷小唄」の拍子で歌うそうです。

 ボケない小唄

1.いつも頭を使う人 ものを書く人ボケません
 すぐに仲良くなれる人 仲間がいる人ボケません

2.他人のお世話の好きな人 趣味を持つ人ボケません
 いつも笑って暮らす人 いくつになってもボケません

3.違う世代の若者と すぐに仲良くできる人
 年を取ってもボケません しわが増えてもボケません

4.他人の苦しみ分かる人 情けある人ボケません
 旅やおしゃれの好きな人 いくつになってもボケません

 
 ボケます小唄

1.何もしないでぼんやりと テレビばかりを見ていると
 のんきなようでも年を取り 10年早くボケますよ

2.仲間外れでただ1人 何もやることない人は
 夢も希望も逃げてゆき 年も取らずにボケますよ

3.野菜果物食べないで 歌も踊りもやらないで
 他人のあらなど探す人 他人の3倍ボケますよ

4.風邪もひかずによく食べて 足腰きたえて早寝して
 頭使っておしゃれして 根性もたなきゃボケますよ

5.年をとっても白髪でも 頭禿げても若い気で
 恋を忘れずいつまでも 色気出さなきゃボケますよ


返金

2019年04月02日 | 生活・ニュース

 先日、ネット通販のAmazonを通して、2000円のBluetoothのワイヤレス イヤホンを発注した。早くも2日後には封筒に入った品物がポストに入っていた。早速スマホとペアリングして、ワイヤレスのイヤホンの軽快さに満足していたところ、その日の夕方、再びペアリングしようとするも、思うように機能してくれない。

 翌朝、気を取り直して再びペアリングしようとしてもイヤホンから音が聞こえてこない。スマホを買った店に持って行き、色々やってもらった結果「イヤホンが壊れていて反応しませんね」と言われた。

 仕方なくその店で売っているワイヤレスイヤホンを買って帰り、1回使っただけで壊れたワイヤレスイヤホンをごみ箱に放り込んだが、納得がいかない。そうこうしているとき、Amazonから「お買い求めの品はいかがですか? 満足していただけましたか?」というメールが入ってきた。

 満足どころか、すぐに壊れるような品物に腹が立ったが「made in china」と書いてある商品だったのであきらめた。その一方でamazonへ、ことの顛末を書いて返信しておいた。

 ところが翌日、取扱店より「申し訳ありません。返金手続を行いました、ご安心してください。これからアマゾン 様よりお客様へ返金詳細案内メールを送信しますので、詳しい返金情報はアマゾン 様からのメールにご確認ください」とのメールが届いた。

壊れた現品は捨てたので手元にはもうない。返品などできないにも拘らず、丁重なメールが届いたことで、これからもamazonで買ってもいいなと思うような出来事であった。それにしてもmade in chinaにはこんなことが時にあるようで、気を付けたいものである。(写真は、買い替えた他社製品のワイヤレスイヤホン)