☆・。.・☆写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 愛犬のハートリーと共に瀬戸内の岩国から…… 茅野 友

三股ソケット

2018年01月30日 | 生活・ニュース

 久しぶりに朝から薄日が差し、気温もそれほど低くもない日、長い間懸案にしていた、納屋の大蔵ざらいをすることにした。大蔵ざらいといっても、長年使っていない物や不用品ばかりで、売りに出すようなものは全くない。

 その昔、父が建てた納屋である。父母が菜園に使っていた農機具、機械いじりが好きだった父の工具や木工の道具に加え、うちの奥さんが菜園に使うシートやネットに肥料類、それに私が木工に使う木材などが、乱雑に置いてある。

 ストーブに火をつけて暖を取りながら、納屋のものをすべて運び出した。出るわ出るわ、こんなにたくさん入っていたのかと思うほどいろいろなものが出てくるが、お宝のようなものは全く見つからない。 

 祖母が嫁入りのときに持ってきたタンスの上半分があるが、腐食し始めているので、分解してストーブに入れた。私が高校の時に使っていた机も同じく腐食が進んでいる。懐かしいものではあるがこれもストーブの燃料とした。

 道具箱の入った引き出しを開けた時、懐かしいものを見つけた。三股の電気ソケットである。ほこりを払って刻印を読んでみた。ナショナルのマークの反対側に「3A 250V」と書いてある。

 電球のソケットが2個と、プラグ用のソケットが1個、合計3個のソケットが一体となったものである。一仕事を終え、部屋に入り「三股ソケット」と入れて検索してみた。 

 「家庭内に電気の供給口が電灯用のソケット一つしかなかった時代に、電灯と電化製品を同時に使用できるようにした二股ソケットは、松下電気器具製作所創業当初のヒット製品の一つで、松下幸之助の代名詞である。亀の子タワシ、地下足袋とならび大正期の三大ヒット商品の一つ」と書いてある。

 そんな二股ソケットに続き三股ソケットは、1970年に、1個970円で発売されたものであるが、2010年に製造中止となっている。ひもを引っ張るとまず、大きい電灯が、もう一度引っ張ると小さい電灯が点き、もう一度引っ張ると消灯するという、当時としては画期的なソケットとして好評を博したものであったという。

 お宝鑑定団に出すようなものは何もなかったが、三股ソケットを見ながら、一灯の白熱電灯の下で家族5人で団欒していた昔を懐かしく思い出した大蔵ざらいであった。 

 

 

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突風被害

2018年01月29日 | 生活・ニュース

 昨年の春から夏にかけて、奥さんからのたっての要望で、裏庭に「東屋」と銘打った2m*4m四方の広さで、南に向けて休憩所のようなものを作った。構造は、足場用の鉄パイプを組み合わせたもので、屋根にはプラスチックの波板を葺き、樋まできちんと取り付けた。

 夏には西日をよけるために、冬には北風を避けるために、3方向はシートで囲い、その中に座ってコーヒーを飲んだりしながら、薔薇をめでたり、菜園の野菜の成長具合を見守ったりするのが、奥さんの楽しみだと理解していた。

 ところが、つい先日のことである。異常寒波がやってきた。気温は下がるし小雪は舞う。時おり突風が吹いていた。そんなことに負けることなく、寒さを突いて何度も買い物や病院や温泉に出かけた。そんなある日、納屋に行こうとして裏庭に出てみると、日ごろになく景色がすっきりとして見える。

 「あっ」、思わず声が出た。あれほど一生懸命に作ってきた「東屋」が、4本の柱を天に向け完全にひっくり返った状態になっているではないか。それぞれの柱の先には、固定していた重さが10㎏もあるコンクリートの基礎がくっついたままであった。

 しばらくその様子を見ていたが、少しずつ、状況が理解でき始めた。「そうか~、総重量は130㎏くらいあるので、地上に置いているだけにしておいた。しかし、屋根だけであれば風はその下を吹き抜けるが、3方向を囲っていたのでは風の逃げ場がなく、躯体ごと宙に舞い上げられた」と解析した。
 
 翌日より解体作業を始め、半日かけてようやくきれいさっぱりにし終えた。この度の反省点は、「風の力を決して侮ってはいけない」ということである。北風の吹きすさぶ寒い冬、風邪だけでなく風にも注意していかなければと心した出来事であった。
   (写真は、在りし日の「東屋」)
 

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厳寒にあらがう

2018年01月27日 | 季節・自然・植物

 今は24節気でいうと「大寒」で、72候では「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」、沢に流れる水さえも凍る厳冬のころである。そうは言いながらもあと1週間後には「立春」を迎え、「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」の頃となる。

 暦の上では間もなく春が始まるが、冬の寒さは2月がピークで「春は名のみ」と言いたくなる季節がやってくる。そんな中「過去最強クラスの寒気」が襲来した。日本全国、北はもちろん南の果てまでが冷凍庫の中を下回るほどの寒気に覆われた。

 「寒い寒い」と言いながら、こたつに潜るのもいいだろう。しかし、そこは気を取り直して、あえて厳寒にあらがう作戦に打って出た。北風の強い先日、周防大島に向かって車を走らせて、片添ケ浜の高台にある「遊湯ランド」という温泉に出かけてみた。

 平日とあって、客は数組しかいない。全面ガラス張りの窓から瀬戸内海を見下ろせるロケーションの広い浴槽には、私一人しか入っていない。ぬるめのお湯に、のんびり、ゆっくり、のびのびと手足を伸ばす。温泉を独り占めするとは贅沢感が増す。

 インターネットで調べて発見した温泉であった。何度も近くを通ることはあったが、こんなところにこんなにいい温泉があることを、自称、大島通の私は全く知らなかった。施設も立派で気持ちよく、奥さんと「また来よう」と言いながら帰ってきた。

 帰り道「道の駅」で腹ごしらえをしたとき、安納芋を一袋買って帰った。それを持ち出して、厚さが3cmもの氷を張った水瓶を眺めながら、庭でまたまたロケットストーブで焼き芋をした。甘味としっとりとした食感は「これはもう立派なスイーツだね」と言いながら、時折風花の舞う「水沢腹堅」ならぬ「水瓶腹堅」の日、年甲斐もなく厳寒にあがらって、ではなく、あらがってみた。寒さで舌も、もつれ気味である。

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労多くして……

2018年01月26日 | 生活・ニュース

 毎年のことながら、確定申告の申請書が税務署から送られてきた。2017年分の確定申告期間は、所得税の場合、2018年2月16日(金)~3月15日(木)だと書いてある。

 申告書が送られてくると、我が家では言わず語らずの内に、奥さんと私の分業による協業が始まる。奥さんの仕事は、医療費控除を受けるため、この1年間に支払った医療費を一覧表で作ることである。

 昨年までは領収書を添付する必要があったが、今年からは一覧表を提出するだけでよいという。しかしこの一覧表には、医療を受けた者の氏名、病院名、薬局名ごとに支払った金額を書かなければいけない。

 奥さんはパソコンに向かい、日ごろになく厳しい眼差しで、医療費を一覧表にし始めた。私はというと、申告書の空欄を源泉徴収票などを持ち出して埋めていく。医療費が出そろうと、ようやく「課税される所得金額」が出てきて、「税額」が算出される。

 なけなしの年金の所得税は、毎年、源泉で多めに徴収されているので、確定申告をすれば、数万円が還付金として戻ってくるのが習わしとなっている。これが楽しみで一生懸命にこの作業をやっている。

 ところが奥さんが「こんな大変な作業は、年を取ったら出来なくなるわ」と愚痴をこぼす。「医療費の控除をやらなかったら、どのくらい還付金が減るのか試算してみよう」といって、やってみた。1.5万円くらい減ることが分かった。

 「1.5万円か~」と言いながら2人で笑った。奥さんは1年間、パソコンで医療費の整理をしておき、この時季にそれを一覧表にする。そのご利益が1.5万円である。これを「労多くして功少なし」というのか「功多し」というのかは別として、かくて しんこくな作業は無事終わった。

 1か月後、税金が還付された日には、ふたりしてイタメシ屋さんにでも出かけて乾杯でもして、確定申告書作成の労をねぎらい合いたいものである。

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生産性の向上策

2018年01月25日 | 生活・ニュース

 昨日(24日)の日経新聞のコラムに、「生産性向上は課長の笑顔から」と題して、大変興味深いことが書いてあった。日経新聞のコラムには、時にサラリーマンに参考になることを書いたものが掲載されるので、退職して長い年月が過ぎたにもかかわらず、現役時代を思い出しながら楽しく読んでいる。

 要旨は「課長が担当部署の生産性を上げるためには、難しい顔をして机に向かっているのではなく、まず口角をあげること。そして課長の席を会議テーブルのような広い場所にし、誰でも気軽に座ることができるスペースを作り、部下が『ちょっと5分』と話しかけられるような笑顔の課長であること」と書いている。

 「男が笑顔?」と、いぶかしむ向きがあるかもしれないが、対人関係を構築する上での最も基本的なことは「笑顔」であろう。笑顔をしている人に対しては、こちらも自然と笑顔になり、話しかけやすくなる。笑顔を作るには、書いてある通りまずは口角を上げることであろう。

 次に課長が、報告・連絡・相談を気楽に受けるための環境づくりである。いちいち会議室に入り、面と向かってかしこまって話をするのでは、緊張が高まって中々本当のことが言えないときがある。

 その昔、私は、自分の机の左側に2人掛けの長机を直角方向に置き、いつでもだれでもが、「ちょっと」と言いながら気軽に座って話ができるように配置した。これが功を奏し、私が暇そうにしているときには、仕事の話だけではなく雑談にやって来る者や、はたまた上司までがしばしばやってくるようになり、コミュニケーションもよく取れるようになったことを思い出している。

 長机を置くスペースがなければ、病院の診察室のように丸椅子を一つ置くだけでもいい。「課長との物理的な空間を確保することにより、課長の心にも部下が入っていく隙間を作るということが大切である」とも書いている。単に長机や丸椅子と侮ることなかれ。口角を上げて座っていれば、次から次へと行列ができる課長となり、生産性は間違いなく向上できると思っている。
 

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