写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

赤い靴

2004年12月25日 | 生活・ニュース
 新婚で給料の手取りが数万円の頃、駅前の靴屋で1.3万円もする赤い革靴を買った。

 以来、勝負靴として、晴れやかなとき、心ときめく日、お祝いのとき、嬉しい日には必ずこの赤い靴を履いて出かけた。

 昨日、嬉しいことがあるので、これを履いて広島に出かけた。デパートに入ると、靴の修理屋さんがあった。

 最近、余り面倒を見ていない赤い靴に眼を落とすと、左右とも踵が磨り減っている。
 
 30数年履いてきて、今まで何回踵の張り替えをしただろう。この機会をとらえ、この度は靴底全部の張替えをしてもらった。

 革はまだまだしっかりしている。手入れさえ怠らなければ、一生使えそうだ。骨董品になったこの靴を、骨董の私が履いて歩く。

 ちなみに「骨董」を辞書で引いてみた。「古いだけで役に立たないもの」と書いてある。言い得て妙。私にはぴったりの訳だが、靴にはちとひどすぎる。
   (写真は、靴の修理屋さん)

ペーパーホルダー

2004年12月25日 | 木工・細工・DIY
 いつ見ても、家の台所は震度5程度の地震があった直後のような有様だ。ふたりだけの生活であるが、いつも奇麗にとはなっていない。

 少しでも片付けばと思い、台所用品で何か欲しいものはないか、妻に訊いてみた。「あれと、これと、これと、あれ」と幾つか言った。

 直ぐに、妻に捧げるオリジナル用品を作ってみた。しんそこ喜んでいるかどうかは、それを使ってくれているかどうかで直ぐ分かる。

 私の作品は、すべてカントリー風雑貨だ。本屋で立ち読みする雑誌でよく見る、白木・19mm厚・節ありパイン材のものである。

 この度作った作品は、「キッチンペーパーホルダー」で、トレードマークはキュートな3個の切り抜いたハートマークだ。

 いつもその辺に転がっていたキッチンペーパーは、所を得たようにきちんとこれに収まり、奥様ご寵愛の一品となった。

 しかし、ハートマークの大きさが、妻への愛の大きさだとは、どこの誰も気付いてはいない・・・私だけの、ひ・み・つ。
    (写真は、手作り「キッチンペーパーホルダー」)