久しぶりに朝から小雨が降っている。昨日は少し暖かかったが、大寒も過ぎ少しずつ春が近づいている証の雨なのだろう。先日、「春隣り」という季語を、テレビを見て知った。
冬の終わりに、すぐそこまで来ている春を感じて用いる季語のこと。「春待つ」という季語が、まだ少し遠くにある春を待ちわびる主観的なものであるのに対し、「春近し」は間近に迫っている春を五感で捉えたものであるが、「春隣り」ともなると、もうすぐそこに立春が来ているといったニュアンスが強まり、春を肌で感じることができ心が弾む様子をいう、とある。
それであれば私にとって、この季節の「春隣り」といえば、少し俗っぽい話になるが確定申告というところか。1週間前、税務署から確定申告の用紙が送られてきた。毎年のことながら奥さんに「医療費の総額を整理しておくように頼んでおいた。申告の受付期間は2月17日から3月17日までと書いてある。まだまだ先のことなので、用紙に目も通さずそのまま放っておいた。
今日は雨が降っては出歩くことも出来ない。「少し早いが、確定申告でも書いて見るか」と思っていると、奥さんは早くも1年分の医療費をまとめて添付資料の体裁にしてくれていた。これなら話は早い。毎年のことなので記入要領は分かっている上、書き込む数字も大きく変わることはない。
1時間余りで記入を終えると、昨年と同じく還付金が出てきた。額まで前年とほぼ同じく数万円。思わずにんまりと頬がゆるむが、この還付金、もともと私のものであって、前払いしていた税金が利子も付かずに単に戻ってきただけ。そんなことは分かっていても、年金が頼りの身としては素直に嬉しい。
「受付期間の前でも、確定申告は受け付けます」ということを電話で確認した後、早速、昼前に税務署に書類を提出しに行った。先客が2名いた。提出書類を見ることもなく「何か問題があれば、連絡します」と言いながら受理してくれた。これにて一件落着。その心境は如何と問われれば「確申を 無事提出し 春隣り」。