写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

未完成

2020年04月28日 | 木工・細工・DIY

 「未完成」といえば、クラシック音楽に詳しくない人でも良く知っているシューベルトが作曲した「未完成交響曲」がある。未完成という言葉の通り、作曲者の死去や作曲の途中放棄、意図的に完成させなかった交響曲を総じて呼び、未完成ではあるが一応完成した交響曲として後世に伝えられている。

 一方、こちらは先日着工したサンデッキの話である。木材の調達をしにホームセンターに行ったとき、大引きは必要数の4本確保できたが、板材は半数の11枚しかなかったため、残り11枚を追加注文しておいた。

 買ってきた材料を使って、連日、汗をかきながら仕事を進めた結果、順調に工事は進んでいった。11枚の床板を張り終えて眺めてみると、疲れが吹き飛ぶくらいの満足の出来映えである。それにしても残りの板材が入荷したとの連絡がなかなか来ない。

 ホームセンターに催促の電話をしてみると、連休明けくらいになりそうだという。これもコロナ禍の影響だろうか。連休もあって物流が滞っているのかもしれない。

 現状は仕事量としては全体の8割方を終えたというところであろう。言ってみれば残る2割が未完成というところ。毎朝、コーヒーを片手に恨めしげに「未完成のサンデッキ」を眺めている。早くこいこい床板材!!
 

 


万全の体制

2020年04月27日 | 生活・ニュース

 町中、どこに出かけてもマスク、マスク、マスクをかけている人ばかり。私も奥さんがスーパーに買い物に行くとき、車を運転する役目だけであるがマスクをかけて出かける始末である。

 コロナ感染予防策は、毎日耳にタコができるくらい聞かされているので、できることは全てやっていると思っていたが、ただ一つ抜けがあることに気がついた。玄関のアプローチに置いてある金属製の黒い犬の置物である。

 10年前、飼っていたハートリーという名のアメリカン・コッカ―スパニエル犬が突然死んだ。ペットロスを癒すために、この置物を買ってきてハートリーの代わりとして置いているものである。

 春夏秋冬、家の前の道路に向けて置いている。出先から帰ってきたときには、しっぽこそ振ってはくれないが、喜んで歓迎してくれているように感じている。

 そんなハートリーがマスクもせずに昼も夜も屋外で立っている。これではいけない。先日、第1作目として手作りしたが、少し小さかったので使っていない布マスクを取り出してハートリーにつけてやった。

 これにて我が家全員の新型コロナウイルス感染対策が、遅ればせながら万全となった。後は1日も早く終息宣言が出されることを願うばかりであるが、少しは「苦しい時のハートリー頼み」となるか。
 


逆境に耐える愛

2020年04月26日 | 季節・自然・植物

 ただ今、我が家の花水木は紅白の2本が満開となっている。このハナミズキという木は、日本の桜がワシントンに贈られた時の返礼として米国から日本に贈られたということは知っていたが、その経緯が新聞のコラムに載っていたので、要点を記録しておくことにした。

 ハナミズキは北米原産で、毎春、米国東海岸を開花前線が北上する。米国史に名高い1607年のバージニアヘのジョン・スミスの上陸は満開のハナミズキに迎えられた。同地やノースカロライナ州の州花となり、目を奪うはなやかさで春の訪れを告げる特別な花として入植者らに愛されてきた。

 明治に来日し、日本人が桜の開花予想を大事件のように報じるのに驚いたのが米女性旅行家、シドモアだった。彼女は日本の桜がワシントンに贈られるきっかけを作ったが、桜の返礼に米国から日本に贈られたのがハナミズキである。春をもたらしてくれるハナミズキの花言葉の一つは「逆境に耐える愛」という。

 「逆境に耐える愛」という花言葉の通り、連日「ステイ ホーム」で頑張り、何としてもコロナ禍が通り過ぎるのをじっと待つしかない今年の春である。そんな昼下がり、庭に出て、久しぶりにハナミズキの下に立って花の様子を眺めていると、初めて見る面白い光景が目に入った。

 頭上の高いところで、紅白の花をつけた枝がハグをするかのように交差している。以前、吉香公園の桜並木の木が、道路の両端から枝を伸ばして真ん中あたりで接触しているところがあった。その木の下には誰が名付けたか「恋人の木」と書かれた立て札が立っていたのを思い出した。

 家の紅白のハナミズキも、ひょっとすると恋人同士であるのかもしれない。それにしてもハグするまでに30年もかかったとは。これこそ「逆境に耐えた愛」なのかもしれない。

 


デッキ着工

2020年04月24日 | 木工・細工・DIY

 昨年の9月のことである。20年前に新設したサンデッキの床板の腐食が激しいところをめくってみると、床板以上に大引きが腐食していることが分かった。

 4m四方の床板を全部取り除くとともに、大引きも全て解体撤去した。DIYで直ぐに作り直してもよかったが、大引きの長さは4mもある。私の車で簡単に運ぶわけにはいかない。

 そんなこともあってこの半年間,そのままにしていた。ところが現在、コロナ禍のため外出自粛の強い要請が出ている。4月に入ってからは
、じっと家の中で過ごすばかりである。

 外に出るといっても菜園と庭に出て日向ぼっこをすることくらいの毎日を送っていたが、今一つ気分がしゃんとしない。そうだ、こんな時こそDIYでサンデッキを作ろう。そう決心して、ホームセンターに向かった。

  店員に聞いてみると、運搬用に1.5トン車を貸し出してくれるという。長さ4m・9cm角の大引きを4本と、長さ3.5mの2*6材の床板23枚を買い込んだ。恐る恐るトラックのハンドルを回してゆっくりと走らせる。「案ずるよりは産むが易し」の通り、難なく家まで帰ることができた。

 午後から、まずは大引きの設置工事を始める。先手(さきて)として奥さんが手伝ってくれるが、「女の人でこんなことができる人はいないわよ」など言われながら、穴を開けたり、ノコで加工したりして、まずは3
本を取り付けることができた。

 時計を見るともう5時になっている。こんなことをしていると、あっという間に時が過ぎる。外出自粛をしているときには、あんなに時間つぶしが難しかったものが、夢中になることがあると、こんなにも早く時間が過ぎる。

 この調子でいけば、1週間もあれば完成するだろう。今日もまた奥さんからいろいろ言われながらの工事が始まる。小言自粛を要請したいが、先手がいてこその工事である。ここは我慢我慢だ。


コロナ見舞い

2020年04月23日 | 生活・ニュース

 千葉県に住んでいる現役時代の後輩から、「新型コロナウイルスの感染拡大で全国に緊急事態宣言がだされ、日々、本当にもどかしい毎日をお過ごしではありませんか」と書きだした「コロナ見舞い」のメールが送られてきた。


 奥様の里が岩国にあることから里帰りの機会をとらえて、年に1度くらい当時の仲間と一杯やる仲の男である。奥様は現在、1人暮らしをしている母親の面倒を見に里に帰っていて、彼は単身赴任のような毎日を一人が千葉で送っていると書いてある。


 コロナ禍の中、遠くに住む親のことが心配に違いない。すべての人が外出自粛を強いられた窮屈な中で、それぞれが工夫しながら頑張って生きていることが分かる。

 

 そんなメールの中に、面白い諺が書き添えられていた。テレビ番組の「笑点」で出された「18歳と81歳の違い」というお題の答が7つ書いてある。

  1. 道路を暴走するのが18歳  逆走するのが81歳

  2. 心がもろいのが18歳  骨がもろいのが81歳

  3. 偏差値が気になるのが18歳  血糖値が気になるのが81歳

  4. 恋に溺れるのが18歳  風呂でおぼれるのが81歳

  5. まだ何も知らないのが18歳  もう何も覚えていないのが81歳

  6. 東京オリンピックに出たいと思うのが18歳

     東京オリンピックまで生きたいと思うのが81歳

  7. 自分探しの旅をしているのが18歳 

     出かけたまま分からなくなって皆が探しているのが81歳

 私は81歳までにはもう少し時間はあるが、この諺を読んで笑ってばかりはおられない。日々の生活の中でコロナに感染しないように気をつけながらも、この諺を肝に銘じて生きていきなさいという後輩からの励ましの言葉だと解釈した。いずれの答えも言いえて妙ではある。それでは私も。
  体調が悪くなった時に病院へ行くのが18歳
    体調が良い時に病院へ行くのが81歳
  散歩しているのが18歳  徘徊しているのが81歳
  毎朝歯を磨くのが18歳 毎朝入れ歯を磨くのが81歳

  ストレッチ体操をしているのが18歳 

    ラジオ体操をしているのが81歳