田舎に止まろう！

　我が家の愛犬ハートリーには「NO」がない。「出かけよう」と言えば、例え地の果てアルジェリアでも黙って付いて来る。

　今日は山奥に向かい、ロードスターを駆って細い道を入っていった。途中で道がなくなるのではないかと思うくらい深く入り込んだ。

　道がふたつに分かれる橋のたもとで、ご婦人がふたり、もの待ち顔で立っていた。間もなく来るバスに乗って、かなり離れた隣町まで、ペン習字を習いに行く所だった。

　朝・昼・夕、日に３便バスが来ると言う。犬の話で談笑後、我が犬のリードを手渡して、写真を一枚撮らせてもらった。

　３軒しかない村の２軒のご婦人は、不便な中にあっても前向きに生きている。
　　　(写真は、向上心豊かなご婦人）

クスノキ巨樹群

　明日の午後から天気が崩れるという。11月初旬の暖かさに誘われて、話し相手の犬を連れてドライブに出かけた。

　小学生だった頃、遠足で行く場所は「クスノキ」だった。錦川の河口にあるデルタの海側は米軍基地、川を二つに分ける最先端に、この「クスノキ」がある。

　350年も前、この土手に植えられたものだという。胴回り6ｍ弱、高さ30ｍにも達する巨樹群である。

　最先端にただ1本あったムクノキは、今年の台風であえなく倒れてしまった。

　故郷の昔を留める風景を、時々無性に眺めたくなる時がある。倒れたムクノキを起こし、原風景保存の努力は既に始まっていた。
　　（写真は、クスノキ巨樹群）