写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

認知症予防

2014年04月28日 | 生活・ニュース

 日経新聞で興味あるコラムを読んだ。毎月1,000人近い認知症患者を診察している専門医が自身の経験などから次のような見方を披露している。

 「年を取ってから認知症になる人をあまり見かけない職業が2種類ある。作家や音楽家、画家などの芸術家と、やり手の創業経営者である。感情を遠慮なく表現し、逆境も楽しむ。そうした人は比較的、認知症と縁遠い。頭を使うと認知症の防止になるというが、毎日同じような仕事で頭を使っても効果は乏しい」という。

 書いてある通り、作家や音楽家、画家などは、毎回異なった作品ごとに、感情を思うがままに強烈に訴えるように表現することが本来仕事であろう。作品がどれも高く評価される訳でもなく、落ち込んだりの逆境も幾度となく経験するに違いないが、それさえも楽しみながら次の仕事へのエネルギーに変えていくのだろう。

 一方、頭を使っているとはいえ、毎日同じような仕事で頭を使っているだけでは認知症の予防になっていないという。そんな仕事としては、あれもそうだ、これもそうだと思いつく仕事は沢山ある。かといって、仕事の場で感情を遠慮なく表現していては仲間からひんしゅくを買うのは目に見えている。

 生活の糧を得る仕事の場で簡単に認知症の予防が出来ないとすれば、私生活の中で「感情を遠慮なく表現する」方法を工夫するしかない。となれば、手前味噌になるが、下手でもいい、折々に感じたことを素直に感情の発露としてエッセイにすることも認知症予防に大いに役立つのではなかろうか。 

 そういえば、エッセイサロンの会員には結構な高齢者が多いが、みなさんそろって認知症とはおよそ縁の遠い人ばかり。高齢者の医療費が漸増しているこの頃、好きなエッセイを書くことで元気に暮らすことが出来れば、これはこれで立派なボランティアと言えるかも知れない。逆境を楽しむ? こんなもの、私の人生の90%は逆境だったような気もするが、逆境といえば「風車 風が吹くまで 昼寝かな」でしょう。


花水木探訪

2014年04月24日 | 季節・自然・植物

 我が家の紅白の花水木は今が満開。25年前、家を新築した時に奥さんが幼い木を植えておいたものである。現在背丈は紅白共におよそ5m、幹の直径は20cmくらい。紅い方は咲き始めた時よりやや色は薄くなり、今が見ごろのピンクになっている。

 夕方、散歩を兼ねてデジカメを持ち、住んでいる地域のどこにどんな花水木が花を咲かせているかを探し歩いてみた。まずは山沿いの小道を岩国駅に近い辺りまで約2km歩いた。

 途中、西念寺というお寺の近くの川べりに大きな紅白2本を見つけた。大きさに比べて花の数がやや少ない。折り返し点近くの家の庭に、白い花をつけた花水木があった。背丈はまだ低いが見事な花の数であった。

 そして翌日の午後、今度は西岩国駅の南側にある新興住宅街まで自転車で行き、周辺を歩いてみた。錦川の土手沿いの邸宅の庭に、かなり大きな紅い木が植えてあった。花水木は、紅白いずれの花も遠くから直ぐにそれと認識できる。背丈が高いせいもあるが、枝が大きく横に広がっているからだろうか。

 次に向かったのは今津・長山公園辺りの住宅街。花水木は日本では新しい木だからだろう、古い家には植えていない。比較的新しい家のある所をめぐっているとき、帝人の社宅の広場に何本もの紅白の大きな木を認めた。いずれも日当たりのよい場所に植えてあり、花もたくさんつけている。

 市役所の前に出てきた。西側の小さな通りに面して幼木が紅白2本ずつ4本植えてある。10年後あたりには楽しめそうだ。麻里布小学校の近くで、大きな通りからは見えない家の庭に、結構な大きさの花水木を認めた。普段は全く気がつかないで通り過ぎていたが、紅い花が咲いていた。

 2日かけて地域の花水木を探訪し終えた。松などと違って、花水木という木は、大きな木はどこにもない。そんな中で我が家の花水木はトップクラスの大きさであることが分かった。これはちょっと自慢しても許されるかもしれない。散歩がてらの花水木の探訪、楽しみながらいい運動にもなった。


半信半疑

2014年04月20日 | 生活・ニュース

 今絶好調の広島カープ。目下セ・リーグで2位の阪神に2ゲーム差をつけてトップを突っ走っている。昨年は久しぶりにAクラスとなり、クライマックスシリーズでは2位になった。一昨年までの長い年月、カープは5月の鯉の季節までは勢いがよいが、その後はさっぱりで、終わってみれば堂々のBクラスのチームだと揶揄され続けてきた。

 ところが昨年の後半あたりから、新規加入した外人部隊のキラやそれに刺激されたエルドレッドの活躍で、それまでのカープとは大きく変わった戦い方が出来るようになった。今年は開幕してからまだ18試合しか見ていないが、あの金満チームの巨人に2.5ゲーム差をつけて目下首位。「目下」と書かなければいけない所にファンとしての若干の不安がにじみ出る。

 昨年、カープの試合をテレビで観戦していて、ことごとく裏切られて嫌いになっていた選手が何人かいる。外角低めに弱いエルドレッドと堂林選手だ。バットを持って立っているのだから時にはヒットもホームランも出ることはあるが、ここぞという時に三振の山を築いた。

 赤松といえば、腕と脚の関節が1本ずつ多いのではないかと思えるような独特の構えで、身体を揺らしながら球に立ち向かっているが、ヒットを打ったのを見たのはいつのことか。押さえの永川といえば、四球の連発で、押さえというよりも火つけの印象の方が強く、永川が出てくるとはらはらドキドキで心臓が高なり身体に悪かった。

 そんなカープが今年はどうしたのだろう。チーム打率は低いが効果的なホームランやヒットが出ている。投手陣は新入団の若手を含めて調子がよく、大いに期待に応えてくれている。リードされている試合でも終盤にひっくり返すだけの力を感じ、勝利を信じて落ち着いて楽しく見ていられるようになった。

 中でも注目すべきは堂林選手だ。監督の談話でも分かるように今もって本当に調子がいいのか悪いのか。劇的なホームランを連発しているが、打率は2割1分そこそこ。堅実にヒットを打ってほしい。外角低めの空振り三振は、もうそろそろやめてくれないか。こんな愚痴をいいながらも、恩も義理もない今年のカープから目が離せないでいる。


プロ野球統一球

2014年04月16日 | スポーツ・山登り・釣り・遊び

 プロ野球の公式戦で使われているボールの飛びやすさを示す「反発係数」が、球場での抜き打ち検査の結果、日本野球機構(NPB)の定めた上限を超えていることが分かり、製造元のミズノ社が内部調査の中間報告を発表した。ボールの芯を巻く毛糸の含水率が低かったことが原因とみられ、季節の環境変化に対応する毛糸の管理が十分でなかった可能性が高いと報じられている。

 使用時の反発係数が基準値の上限を超えており、打球の飛距離が昨季よりも2mあまり遠くに飛ぶ計算となるということで、選手会会長は「反発係数が上がることで選手の生活が変わることを認識して欲しい」と指摘している。ミズノ社の出荷前検査では合格だったという。「ボールは生き物」、保管状況や温度、湿度などによって影響を受けるようだが、それであれば必要な対策を取って試合に提供しなければいけない。

 環境の変化によって反発係数が変化するという認識の乏しかったメーカーとNPBは再考の上、対策を取るのだろう。「仕様通り作ったあとは 使う人がよきに計らえ」的な、メーカーの品質管理の姿勢が問われている。

 しかし、プロ野球なんて、こんなに厳密なことを要求するスポーツなのだろうか。例えボールの反発係数が使用する前にきちんと基準値に入っていたとしても、試合が始まったあとに雨も降ることもあるし、気温が下がることがあれば、自ずと反発係数も飛距離も変わって来る。

 そんなことよりも、各球場の外野フェンスまでの距離やフェンスの高さも違うので、同じ距離を飛んでもホームランにならない打球もあろう。
各試合の主審も違うし、時には誤審もある。立ち向かうピッチャーやバッターも違う。それら全てをひっくるめてのプロ野球なんだと思ってもいいのかもしれない。

 野球で使用するボールやバットに、余りにも厳密なことを要求しても、対戦する相手や環境は、それぞれ異なっているのだから、ボールの反発係数も、ある範囲のものを作り、適当に各球団に配布し、高校の野球部程度のボールの管理状況で使ってプレーし、それをファンが楽しむくらいの姿勢が、観戦するスポーツとしての野球にふさわしい気がしている。全ての球団の選手全員が、全試合を全く同じ条件で記録を競っている訳ではない。


火星大接近

2014年04月15日 | 季節・自然・植物

 昨日4月14日、火星が地球に大接近したことをニュースを見て知った。今まで火星について関心を持ったことはなく、肉眼で見えることさえ知らなかった。金星は宵の明星と呼ばれ、幼いころから「一番星 み~つけた」と言って、なじみが深かったのに比べると雲泥の差があった。

 そんな火星を見ることが出来ると知り、大接近した翌日の15日満月の夜、10時に外に出て仰いでみた。月は煌々と南南東の空に輝いている。立っている周辺が明るいため、月以外の小さな星は何も見えない中、月の北西、右上方向に明るくはっきりと存在感のある星が一つ見えた。これが火星だろう。

 
火星は地球の外側の軌道を687日で1周しており、365日で公転する地球とは2年1〜2カ月ごとに近づく。火星の軌道は楕円形のため、その距離は毎回異なり、今回は6万年ぶりの大接近となった2003年の半分ほどの大きさで見える「中接近」であった。

 大きな満月に比べると、火星はつまようじの先くらいの大きさにしか見えなかったが、月の直径が3,474kmに対して火星の直径は6,800kmと、月の2倍もある。地球から月までの距離が約38万kmに対して、火星までの距離は大接近したといっても9,239万kmと、月までの距離の243倍も遠くにあるので、月に比べて小さく見えるのもうなづける。 

 子どものころと違って、最近は夜空を見上げることがめっきりと減ってきている。見上げるとしても、夕方の散歩の途中の三日月や、東の空に出てくる満月を眺めるくらいである。夜、地上が明るくなったため、星は全く見えなくなっている。天の川などは久しく眺めたことはない。

 火星の大接近を機会に夜空を眺めてみたが、今度、久しぶりに天の川を眺めに、どこか山奥に車を走らせてみよう。火星が大接近と聞き、今日のブログは一気カセイに書いてみましたが、これ如何に?
  (月の右上の点のような火星、見えますか?)