写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

600℃の法則

2019年03月18日 | 生活・ニュース

 「600℃の法則」とは「2月1日以降の毎日の最高気温を積算し、累計値が600℃を超えた日に桜が開花する」というものである。市場調査を手がける「トレンド総研」が実施した全国10都市、過去3年分の気温データと開花日の比較によると、この法則の精度が高いことがわかるという。

 今年は、例年になく暖かい日が続き、桜の開花も早いというニュースが流されている。先週、岩国エッセイサロンの月例会を開催した折、今年の親睦お花見の会を会員の都合もあって少し早いとは思いながら、3月27日に開催することに決めた。今日の新聞情報によれば、中国地方を桜前線は3月25日ころに通過すると伝えている。

 そんな中、岩国の気象情報を検索し、「600℃の法則」で岩国市の今年の桜の開花予想を計算してみた。2月の最高気温の積算値は301℃、3月は16日までのそれは215℃で、総計は516℃である。600℃になるにはあと84℃で、3月後半の最高気温の平均値を過去の実績より15℃とすると、あと84÷15=5.6日となる。

 この計算によれば、今年の岩国の桜の開花予想日は、16+5.6=22日となる。テレビの情報よりは3日ばかり早めとなっているので、これが正しければ27日に予定しているお花見の頃には、3分咲きか4分咲きくらいが期待される。

 いずれにしても今年の開花は、例年よりは早くなりそうである。そういえば、我が家のサクランボの花も、例年よりは1週間ばかり早く咲き出して、今日は春雨に濡れながら満開となっている。


ワイヤレス イヤホン

2019年03月16日 | 生活・ニュース

 先日、古い携帯ラジオをやっと聞くことが出来るように修理をした。ところが、イヤホンはジャックに差し込んでしか聞くことができない。歩いているときにワイヤーが腕に当たって、時おりイヤホンが耳から外れて落ちることがある。そんなことを思っているとき、ふとあることに気がついた。

 ジョギングをしている人と、すれ違うことがある。その人は耳にイヤホンを付けているがワイヤーがつながっていない。そうか、ワイヤーレスイヤホンを使っているのだ。

 ネットで「ワイヤレス イヤホン」を調べてみると、いろいろなものが出回っている。スマホには「Bluetooth」という無線通信の機能が装備されており、これを使えばワイヤレス イヤホンが使えると書いてある。Bluetoothtとは有効範囲はおよそ10m以内で使う消費電力のごく小さい無線のことである。

 手持ちのスマホを調べてみると、Bluetoothという機能が装備されている。ワイヤレスイヤホンを買ってきて、ペアリングしさえすればスマホからラジコが聞こえてくるというカラクリを初めて知った。

 ところが、普通の携帯ラジオには何故かBluetooth が装備された商品は販売されていない。ではどうすればよいのか。世の中、よく考えられている。「Bluetooth発信機」というものが3000円そこらで売られている。これを携帯ラジオのイヤホンジャックに差し込めば、ワイヤレスイヤホンに電波を送ってくれて聞くことが出来るという。

 これだ。これさえ買えば、私の散歩は携帯ラジオでカープの実況を、颯爽と大手を振ってワイヤレスイヤホンで聴きながら歩くことが出来ることが分かった。それにしても、携帯ラジオに何故Bluetoothが装備されたものがないのだろうか。大きな疑問を抱いている。


執 念

2019年03月11日 | 生活・ニュース

 25年前、長距離通勤の電車の中でラジオを聞くために、胸ポケットに入るほどの小さな携帯ラジオを買った。退職後は、夕方の散歩で野球の実況を聞くために愛用していた。ところが時々電源スイッチが入らなくなることが起きた。液晶の画面を見ると「HOLD」というマークが出ている。

 ラジオを聞いているときに、何かの拍子で電源スイッチやチューナーのボタンに触れた時、スイッチが切れたり放送局が変わったりしないように全ての操作を「現状維持」しておくためのスライド式のスイッチ(H)が装備されている。

 原因究明をやってみると、Hスイッチをoffにしていても、いつの間にかonになっていることが分かった。これでは電源スイッチを切った状態で電源スイッチを入れても入らない。カチカチとHスイッチを上下に動かしているとやっと「HOLD」の表示が消える時がある。

 その瞬間を狙って電源スイッチを入れると、やっと電源が入ることがある。これではおいそれとラジオを聞くわけにはいかない。このラジオを諦めて、スマホのradikoでカープの試合を聞けるようにしたが、山口県で広島県の放送を聞くには年間4200円払わなければいけない。

 それなら新しく携帯ラジオを買った方がよいと判断し電器店に出かけようとしたが、何でも壊れた時には、一応分解してみる癖がある。この古いラジオも壊れて元々、分解してみることにした。裏蓋にある3本のビスを外し、力を入れてジワリ蓋を外す。

 Hスイッチを触っているとポロリと小さなプラスチック部品が外れて落ちた。その状態で液晶画面を見ると今までいつも点いていた「HOLD」という表示が消えている。電源スイッチを入れると普通にラジオが聞こえてきて、好きな局の番組を聞くこともできた。

 かくして、「一部破壊による蘇生」を果たした古い携帯ラジオを、一段と愛おしく感じた。それにしても「HOLD」なんて機能は、私にとっては無用であったばかりか、もう少しのところでラジオ生命を失うような長物であった。電器店に行くのが少し先になり、年間4200円の節約にもなった。何ごとも、まずはやってみることが大事ということか。

 


生け花・池坊展

2019年03月04日 | 季節・自然・植物

 岩国エッセイサロンの仲間であるYさんは、華道池坊の師範の資格を持ち、家には看板を掲げて生け花を教えている。昨年の10月のことであった。そのYさんが 生け花を展示するときに、背形として置く屏風の外枠だけのようなものを1組作って欲しいという依頼があった。

 簡単な木工品ならすぐ作ることが出来るので「ああ、いいですよ。大きさはどのくらいのものですか?」と聴いたところ、縦が90cm、横が50cmと結構な大きさのものであった。折り畳み式なので、全く同じ形状のものを2枚作る必要がある。

 同じ寸法のものを作るということは、口で言うほど簡単なことではない。請け負ったからには作ることにした。半日かけて作った枠に蝶番を付け、艶消しの黒いペンキを塗装して仕上げた。依頼を受けて3日後、出来上がった旨を電話すると「あっ、そんなに急いで作ってもらわなくてもよかったのに。それは来年の3月の生け花展に間に合えばよかったんです」という。

 それから4カ月がたった日(3月2日)、Yさんから電話がかかってきた。「今日からシンフォニアで生け花展が開催されます。茅野さんに作っていただいた背景で、私の生け花を展示していますので是非見に来てください」という。

 奥さんと2人で、いそいそと出掛けた。広い会場には多くの人が来ている。展示してある生け花も100点ばかりと多く、背景にも工夫を凝らしたものがいくつもある。私が作った背景も粋で、Yさんの生け花が一段と華やかに見えた。生け花といっても、単に花瓶に花を生けただけでなく、背景との組み合わせで魅せるものが多く、大工さんが作ったという大がかりな背景まであったのには驚いた。


こんな所に!

2019年03月03日 | エッセイ・本・映画・音楽・絵画

 昨日、桑重儀一展が開催されることをこのブログで紹介したが、その絵画のオーナーである人から、桑重儀一の描いた大きな油絵が、掲げてあるところがあるということを聞き、直ぐに見に行ってみた。

 その場所は、岩国市の中央図書館である。この図書館にはよく本を借りに行っているが、こんな絵なんぞが掲げられているのを見たことがない。よく聞いてみると、図書館の2階の通路に設けてあるガラス張りの展示コーナーだという。

 図書館で貸し出す本は1階の書棚に並べてあるので、2階に上がるようなことはなかった。その2階に上がってみると、長く薄暗い廊下の先に事務室があり、その途中にお目当ての絵が展示してあった。

 タイトルは「初夏之窓」と書いてあり、着物姿の清楚な女性がレースのカーテンを引いた窓のそばに置いてあるミシンに向かって椅子に座り、小さなレースを編んでいる。大きな窓の外には一杯にアジサイが花を咲かせているというというものである。絵の右傍には「桑重画伯の画歴」が詳しく述べられた木札があり、左傍には「桑原儀一画伯 遺作品 桑重蔦代夫人寄贈」と墨で書いた札がある。

 薄暗い中、ガラスに外の光が反射して絵がよく見えない。もう少し工夫して欲しいと思う展示であったが、家に帰りネットで調べると、はっきりとわかる画像を見つけることが出来た。その画像をこのブログにアップしてみた。

 近々開催される展示会に、この絵は出品されるのかどうか知らないが、その前にぜひ中央図書館でご覧になっては如何でしょうか。もちろん無料で鑑賞できます。