親父が結婚するときに建てた家だった。手洗いに通じる北側の長い廊下に、木製の雨戸が建て付けてあった。
それを開けることはあまりなく、閉まっていることの方が多かった。昼なお暗い廊下だった。
幼いある日、雨戸の向かい側の障子に、外の景色が逆さまにはっきりと、襖絵のように広がって写し出されているのを見つけた。
雨戸を見ると、上の方に抜け落ちた小さな節穴がひとつあり、そこから一筋の光が差し込んでいた。
子供心に不思議に思い、台に上がってその節穴から外を覗いて見たが、何ら細工はされていなかった。
あとになって理解できたが、まさに家型の針穴ならぬ「節穴写真」であった。
機密性の良い今の家では、そんなメルヘンチックなものを見ることはもう出来ない。節穴のような目でなくても・・・
(写真は、単なる木の節ふたつ)
それを開けることはあまりなく、閉まっていることの方が多かった。昼なお暗い廊下だった。
幼いある日、雨戸の向かい側の障子に、外の景色が逆さまにはっきりと、襖絵のように広がって写し出されているのを見つけた。
雨戸を見ると、上の方に抜け落ちた小さな節穴がひとつあり、そこから一筋の光が差し込んでいた。
子供心に不思議に思い、台に上がってその節穴から外を覗いて見たが、何ら細工はされていなかった。
あとになって理解できたが、まさに家型の針穴ならぬ「節穴写真」であった。
機密性の良い今の家では、そんなメルヘンチックなものを見ることはもう出来ない。節穴のような目でなくても・・・
(写真は、単なる木の節ふたつ)