新聞の”お役立ちグッズ"というコラムに、「折り畳み傘・ワンタッチで自動開閉」という記事が出ていた。
握り手についているボタンを押すと、パシャッという音と共に2段階に柄が伸び、傘が開く。もう1度ボタンを押すと、柄はそのままで傘の部分だけが閉じるというものだ。
片手がふさがっている時には便利で、色もサイズもいろいろあり、憂鬱な雨の日を、少し楽しくしてくれるお役立ちグッズだと書いてある。
この記事のものとはメーカーは異なるが、私はもう5年も前に、この種の傘を車のディーラーで手に入れていた。
車検の予約をするために店に行った。ショウルームを眺めているとき、車メーカーの小粋な小物が並べられている棚を見つけた。
その小物のひとつが、このワンタッチで自動開閉する折り畳み傘である。気に入って、すぐに買い求めた。3000円くらいだったと記憶している。
滅多に使うことはないが、雨の日、片手に荷物を持って外に出る時に、ずいぶん便利なものだと感心した。
しかし、新聞に書いてあるように、いいこと尽くめの話ばかりではなかった。強い雨の降るある日、こんなことがあった。
人があまり持っていない、ちょっと自慢のこの傘を差して街を歩いていた。私は歩きながら傘をクルックルッと回す癖がある。
いつものように、傘をクルックルッと回しながら歩いていた。と、その時である。パシャッと、急に傘が閉じて大粒の雨が頭の上に落ちてきた。
あわてて開こうとしても、いったん柄を押し込まなければ開かない構造となっている。
理屈は分かっているが、いざとなるとなかなかスムーズに開かない。その間に、雨は容赦なく降りかかり、水のしたたる男になってしまった。
傘の握り手を持って回している時に、誤ってボタンを押してしまったのだ。
コラムに紹介してあるように確かに良いものには違いないが、良いものの裏には悪さがあり、便利なものの裏には不便極まりないところがある。
新聞を読み、あの日のことを思い出して、ひとり苦笑いをした。正直に言うと、あの日のことだけを思い出したのではなく、あの日とこの日と、もうひとつのあの日のことを思い出したからである。
この傘を買い求めたい人へひと言。この傘は「自動開閉」であって、「自動開閉開」ではないことをよく理解しておいて下さい。
(写真は、思いがけない時に開くドイツ製「自動開閉傘」)
握り手についているボタンを押すと、パシャッという音と共に2段階に柄が伸び、傘が開く。もう1度ボタンを押すと、柄はそのままで傘の部分だけが閉じるというものだ。
片手がふさがっている時には便利で、色もサイズもいろいろあり、憂鬱な雨の日を、少し楽しくしてくれるお役立ちグッズだと書いてある。
この記事のものとはメーカーは異なるが、私はもう5年も前に、この種の傘を車のディーラーで手に入れていた。
車検の予約をするために店に行った。ショウルームを眺めているとき、車メーカーの小粋な小物が並べられている棚を見つけた。
その小物のひとつが、このワンタッチで自動開閉する折り畳み傘である。気に入って、すぐに買い求めた。3000円くらいだったと記憶している。
滅多に使うことはないが、雨の日、片手に荷物を持って外に出る時に、ずいぶん便利なものだと感心した。
しかし、新聞に書いてあるように、いいこと尽くめの話ばかりではなかった。強い雨の降るある日、こんなことがあった。
人があまり持っていない、ちょっと自慢のこの傘を差して街を歩いていた。私は歩きながら傘をクルックルッと回す癖がある。
いつものように、傘をクルックルッと回しながら歩いていた。と、その時である。パシャッと、急に傘が閉じて大粒の雨が頭の上に落ちてきた。
あわてて開こうとしても、いったん柄を押し込まなければ開かない構造となっている。
理屈は分かっているが、いざとなるとなかなかスムーズに開かない。その間に、雨は容赦なく降りかかり、水のしたたる男になってしまった。
傘の握り手を持って回している時に、誤ってボタンを押してしまったのだ。
コラムに紹介してあるように確かに良いものには違いないが、良いものの裏には悪さがあり、便利なものの裏には不便極まりないところがある。
新聞を読み、あの日のことを思い出して、ひとり苦笑いをした。正直に言うと、あの日のことだけを思い出したのではなく、あの日とこの日と、もうひとつのあの日のことを思い出したからである。
この傘を買い求めたい人へひと言。この傘は「自動開閉」であって、「自動開閉開」ではないことをよく理解しておいて下さい。
(写真は、思いがけない時に開くドイツ製「自動開閉傘」)