写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

コルト1000

2004年12月17日 | 車・ペット
 就職した翌年の昭和41年、欲しい欲しいと思っていた車をやっと手に入れた。うぐいす色の三菱コルト1000であった。

 ベンチシートで、その名の通り1000ccで52馬力の車であった。大卒初任給が3万円の時代に、中古車でありながら35万円もした。
 
 エンジンルームには、エアコンも公害対策装置もなく、エンジンのほかは、大きめのエアフイルターとディストリビューター位しか目に付かなかった。

 上から地面が見えるスカスカのエンジンルームであった。

 買ったその日に広島までドライブをした。車も信号も少なく、不慣れな運転でも、難なく行って帰れる良き時代であった。

 初めてのこの車に6年間乗った。最大の業績は何と言っても嫁さんをゲット出来たことであろう。
  
 ゲットというか、乗り込まれたというか・・・どっちだったか思い出せない。あっ、やっぱりゲットにしておこう。
   (写真は、セピア色になったコルト1000)

星の砂

2004年12月17日 | 旅・スポット・行事
 やっと冬らしくなり、夜は冷え込むようになってきた。カーテンを閉じようと窓辺に立った。南の空に、斜めにくっきりと三つの星がまたたく。今夜もオリオン座が、寒い夜空に冴えている。

 ふと数年前のこの時期、ワイキキの浜で遊んだ時のことを思い出した。浜の砂を小瓶に入れて持ち帰っていた。後で、人口海浜だと知った砂だ。

 しかし、ワイキキの砂であることには間違いない。引き出しからその小瓶を取り出し、砂を出してみた。数パーセントの割合で、「星の砂」が混じっている。

 単細胞生物の有孔虫の殻だという。大小あり、夫々を「太陽の砂」「星の砂」と言うらしい。南の島にはあるという。
 
 どこからか、
   ♬ 二度と出来ない恋を捨て あなた遠く・・・・・ ・・・・・ 
          珊瑚の島が にじんで落ちて 星の砂 ♬
ルミ子の懐かしい歌声が、夜空から聞こえてきた。
   (写真は、ワイキキの「星の砂」)