9月16日、安倍内閣に代わって菅内閣が発足し、閣僚名簿が発表された。新内閣の顔触れを見て、巷では面白い名前を菅内閣に付けているが、それぞれが特徴をうまく捉えている。
「第3次安倍内閣」;まさにズバリ継承内閣。「実務最優先内閣」;行動力があり、かつ即戦力になりそうな安定した顔ぶれだから。「仕事師内閣」;つい「仕事しないないかく」と読みそうであるが、それまでは仕事をしなかった内閣だったのかと突っ込みを入れたくもなる。「たたきあげ内閣」;非世襲という菅首相の経歴から。「おじいさん内閣」;平均年齢は60.4歳、79歳の麻生太郎副総理兼財務相、81歳の二階俊博自民党幹事長らベテランの印象が強い。
こんな揶揄に負けず、これから始まる菅仕事師内閣には大いに期待したい。とは言いながら、もう少し元気のいい若手を起用してもらいたいものであるが、海千山千の世界を渡り歩く政治の世界では、やっぱり亀の甲より年の功なのだろうか。
そう思おうとしたとき「いやそんなことはない。今のカープの選手の起用を見てみろ」という声が聞こえてきた。目下、首位巨人からは17.5ゲーム差と、気が遠くなりそうなほど離されて独走を許している。かくなる上は、残り試合は、若手選手の実戦での格好の練習試合と化している。
このところ、2軍で埋もれていた若手選手が活躍する場面を何度も見せてくれている。板倉捕手しかり。連日スタメンとして活躍中の大盛外野手しかり。活躍したとはまだ言えないが元気のいい羽月内野手、目下セットアッパーとして奮闘中の塹江投手など、目白押しの若手に来季は大いに期待できそうである。
前安倍総理が保身のためであろうか、黒川検事長を「余人をもって代えがたい」と言い張り、定年を延長させてまで検事総長に任命しようとしていた。そうはならなかった今現在、余人をもって十分に検察の業務は果たされているではないか。
かくの如く、その時にはその人でないと機能しないと思われる仕事も、何らかの理由でその人がいなくなった後でも、余人と思われていた人たちで政治でも会社でもスポーツでも十分に回っていくものである。そんなことがなければ、いつまでたっても新人は日の目を見ることは出来ないことになる。
いつの時代も、世界は活きのいい新人が、今や遅しと自分の出番を待っているものであるし、世界はそんな新人が出てくるのを待っている。