のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

都市は「かせぎ」の場、農村は「つとめ」の場

2015年02月25日 | 農のあれこれ
タイトル写真
表現したいのは遠景の瀟洒な洋風住宅ではありません
手前のホウレンソウ畑でもありません
間に挟まれた緑色の畑
わが家のナシ畑より少し早く播かれたライムギです
地権者から管理を依頼され、とりあえず表土保護のために緑肥を播きました

近くの見慣れた風景でもこう写真に切り取ってみると
なかなか捨てたもんじゃないと思えてきます


「100万haの水田を畑地に大転換すれば
農村は15兆円の穀物産業を創造できる」
そんな書評に惹かれて
『スマート・テロワール 農村消滅論からの大転換』(松尾雅彦 学芸出版社 2014年12月)
という本を取り寄せました
著者は、契約栽培で市場価格の30%オフを実現したカルビー元社長
リタイア後はNPO法人「日本で最も美しい村」連合副会長
こんな実体験にもとづく食料・農業・農村論のようです


届いたばかりなのでパラパラと眺めた中から少し引用してみます

余っている水田を畑地に転換し、生産物を域内の工場で加工すれば
味はもちろん、価格も、輸入原料によるナショナルブランドに負けない
域内の消費者に新鮮なうちに届け
最高の状態で提供するとともに流通コストを抑える
大切なことは高級品ではなく、日常食品でシェアを確保してこそ
量のメリットも得られること
そうしてこそ一部ではなく全体の復活につながる

農村では地域社会のなかでの「つとめ」が活力を生み出す
農業のミッションは、地域住民の食の安全と健康に貢献すること
地域の消費生活に貢献できるものが、都市でも競争優位を生み出す
その前に農業は自然の営みのなかで適応しなければ生きていけない
農村では環境に働きかけて、さまざまな価値を引き出すことができる


農村の現状から余剰農地をどう生かそうかと考え
大豆や菜種、ヒマワリなどの穀物を中心とした原材料生産に注目してきたのですが
食品産業からの原材料の国内生産が有利であるという主張は
百万の援軍を得た気分です

先日、農機具屋さんにトラクタロータリーにつける播種機の情報を打診したところ
メーカーから最近、引き合いが多くなっているがなぜだろうという話を聞いたそうです
みんな、考えることは同じようです


それにしてもまたまた“テロワール”です
先月も別のところで目にしました
これからのキーワードなんでしょうねえ