のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

蟷螂や色失せてなお命継ぐ

2011年10月23日 | ネイチャースケッチ
            

この時期 ナシ畑の網を納める作業をしていると
よくカマキリを見かけます

エサを得んがため
卵を産むエネルギーを得んがため
網が被っていたり腐れた果実があったりするナシ畑は
ちょうど適しているのでしょう

            

            

玄関先でも一匹のカマキリが最後の力を振り絞るように
白く泡だった卵塊を産み付けていました
しばらく動かないものですから
死してなお子らを守っていたのかと感動したのですが
いつの間にか姿が見られなくなりました

ムシだって命をつなぐことに命をかけています
ヒトである我々もまた命の鎖を断つわけにはいきません



医師のカマ田みのるさんが
被災後の新たな哲学を編み直さねばならないと語っていました
正解の○に近い△を探すしかないといいます
被ばくリスクを知り自分で決めるしかないといいます
(10月3日のアサ日新聞夕刊)



哲学者の内山タカシさんは
働きかけ働きかけられる関係を再創造しなければならないといいます
(『文明の災禍』新潮新書437 2011.9)

危険か危険でないかは判断できるかどうかであって
判断できないものは有害か無害化に関わらず危険なのである
となれば
放射性物質については論理的に「風評被害」はないと考えた方がよい
低線量だから大丈夫とも
このレベル以下でも危険だと言いきることもできない
影響の出方には個人差があるから
結論は「とりあえず影響はありません」でしかない
原発事故は
人間的な怒りや誇りや善意が通用していた時間を停止させ破壊した…

過去の人たちがつくりだした文化や文明、技術などを受け継ぎながら
自分たちの作り出したものを未来の人たちに手渡そうとしてきた
人々の営みが過去の時間と未来の時間をつないできたが
原発事故は生きている人の未来の時間を破壊し
汚染地域の未来の時間を丸ごと破壊してしまった…

自分は何のためにいきているのか
他者から働きかけられていない自分を感じた時
人間は自分の存在に不安の抱く(存在の自己諒解)…

風土とは自然の時間蓄積と人間の時間蓄積によって生まれたもの
そこには自然があり 他者としての人々や死者がいて
歴史や文化が作られている
その内部では働きかけられ働きかける世界が展開している…

復興とは「関係の再創造」である
確かな生は確かな関係とともにある…



長崎の友人はこれまでの放射能汚染問題に対して相当怒っています
彼からのメールを引用させてもらいます

被爆地に生まれ育ち、被爆者を両親に持つ私に言わせれば、
福島の花火や松の木や、転校してきた小学生が放射能汚染で怖いというのなら
広島・長崎には来るな!です
何の防御も、制御も、拡散防止も、除染もされなかった被爆地で
その翌日から今日まで人は生きています


彼らはどのように魂の次元での折り合いをつけてきたのでしょうか

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