のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

この土地に根付いていいか考える

2011年10月03日 | 今年の米づくり
柏市内の米からはセシウムが検出されなかったので販売できるという
千葉県のお墨付きを頂いていた今年度産米ですが
ナシと同様
わが家のコメについても独自に放射能検査にかけていました
検査機関が混んでいたようでようやく「検出せず」という結果が出てきました

柏市が独自に行っている市内産農産物の放射性物質の簡易検査結果をみても
ごく一部の品目を除いて「検出せず」の汚染レベル
これから原発事故がどのように推移するかはわかりませんが
現状のままでいくとすると これからも
市内農産物については「検出せず」のまま流通にのせられそうです

ひと安心する一方で
先日文科省が公表した地図に示された「放射性物質の蓄積状況」をみると
わが家のあるあたりは
チェルノブイリ事故で指定された「汚染区域」とほぼ同レベルの汚染状況で
このままでいいのだろうかと考え込まざるを得ません

ここで収穫できる農産物が吸収するのは最低限であるものの
この土地には植物が吸収され得ない放射性物質が存在するということです
“ただちに健康に影響はない”ということは
我々や今の子供たちには
目に見える健康被害が出る可能性は低いのかもしれません

しかし その先はどうなんでしょう
長い間分解されない放射能物質の影響が
世代を越えて体内に蓄積していくことはないのでしょうか
孫 ひ孫の代になった時
なんら問題ないといえるのでしょうか

人類がいまだ経験したことにない事態で誰もわからない
というのが真実でしょう

農家としてこのままこの土地で暮らしていっていいのか
いまこの土地で暮らすことを選択して
子孫たちの健康に責任が持てるのか
今すぐでなくとも10年単位ぐらいのスケールで
転居も考えた方がいいのではないか

世界中どこへいっても程度の差はあれ
放射能汚染されていることには変わりないかもしれません
しかし
農家には「後のことは次の世代で考えろ」なんて思考停止はできません
土地と家と墓と屋号を引き継いでいくことが最重要視されてきました
引き継がないでいいのであれば好き勝手なことをすればいい
引き継いでいくからこそ現世代は子孫たちに責任があるのです

江戸時代の“国変え”させられた武家たちは
何を考えていたのだろうと思います
満蒙開拓者やブラジル移民
紀伊山中の十津川村から北海道の新十津川村に移住した人たちは
何を考えていたのだろうと思います
そして今 フクシマの人たちは何を考えているのだろうと
他人事でなく思います

もしこれからわが家が新天地を求めるとしたら……
……
手賀沼と同じ淡水湖のある近江の国がいいかなあ

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